3/14編

ホワイトデーは神楽坂へ。

この日は東京大神宮から始まります。


上演目安は15分前後です。


※一人読みはご遠慮ください。

※演者様の性別不問。役の性別変更不可。


<登場人物>

・マコト

25歳。優しくて紳士的。猫が好き。


・ユリ

23歳。はっきり物事を言うタイプ。ちょっと天然。


----お話はここから----


-東京大神宮


ユリ:マコトさんとずーっと仲良くお付き合い出来ますように!


ユリ:(M)あ、声に出して言っちゃった…恥ずかしい…

今日はヒールじゃない方が良いよってマコトさん言ってたけど、本当にヒールやめてよかった…

神楽坂へ向かう登り坂、ヒールだったら足を痛めてたかも



-約十分歩いた先に



マコト:ユリ、こっちだよ


ユリ:マコトさん!


マコト:駅まで迎えに行けなくてごめん、

今日のお店、予約が出来ない所でね


ユリ:あ、列…とっても長いですね


マコト:ユリをあまり待たせないように先に列に並んでた


ユリ:マコトさん、ありがとうございます!

でも私、マコトさんと一緒ならいくらでも並んで待ちますよ、私


マコト:今日より寒い日でも?


ユリ:はい、もちろん


マコト:ユリは頼もしいな


ユリ:来月からは新入社員ではなく、先輩になりますから!


マコト:仕事では…でしょ?


ユリ:はい!あ、プライベートも素敵な大人の女性を目指してがんばりますよ!


マコト:ユリ、今より素敵な女性になってどうするの?


ユリ:マコトさん、私まだまだですよ


マコト:ユリは自分がどれだけ素敵な女性なのかわかってないな…まあ、そこもかわいいんだけど


ユリ:うぅ…


マコト:自分の魅力を知ることも大人の女性への一歩じゃないかなって俺は思うけど


ユリ:そうですか…?


マコト:うん、ユリはもっと自分のことを認めてあげましょう


ユリ:今日のマコトさん、先生みたいです


マコト:そう?


ユリ:はい


マコト:先生…ね、じゃあユリは俺から何を教わりたい?


ユリ:えぇ??何を教わりたいって…いきなり…えっと、


マコト:あ、耳まで真っ赤になった


ユリ:もう!マコトさん、からかわないでください!


マコト:からかってないんだけど?


ユリ:あ…あ、列進みましたよ、次みたいですね!


マコト:ユリは神楽坂って遊びに来たりしたことある?


ユリ:私、新卒で東京へ来たばかりで神楽坂は今日が初めてなんです


マコト:そうだったんだ、ユリは仙台出身だもんね

学生時代に旅行で東京へ来ても行くのはやっぱり原宿や渋谷だった?


ユリ:はい!原宿駅で降りて、渋谷までお洋服買いに歩いてました


マコト:仙台もかなり都会だと思うけど


ユリ:地元仙台はもちろん大好きですよ!

ただ原宿、渋谷には海外初進出のブランドショップがありますから、それを目当てに…


マコト:ブランドショップ…


ユリ:どうしました?マコトさん


マコト:ユリは海外発信のスイーツ目的だったんじゃない?


ユリ:あれ?バレちゃいました?


マコト:うん、目が少し泳いでた


ユリ:あはは…


マコト:ユリが洋服好きなの知ってるけど、それ以上にスイーツが好きなことは常識でしょ


ユリ:常識…なんですね


マコト:俺はスイーツ好きな子の方が好きだけど


ユリ:私も自分がスイーツ好きで良かったって今思います


マコト:順番が来たね、何を頼もうかな


-店内へ


マコト:これは困った…


ユリ:マコトさんが困るなんて珍しいですね


マコト:ガレットにするかデザートクレープにするか…


ユリ:私は決まりました


マコト:どれにするの?


ユリ:デザートクレープの、これにします!


マコト:いまユリが選んだクレープとこのガレットの二つで迷ってた


ユリ:そのガレット美味しそうですね♪

でしたら、マコトさん、クレープとガレット半分こしましょ


マコト:良いね、じゃあそうしようか


ユリ:はい!


ユリ:なんかホッとする店内ですね


マコト:たしかに


ユリ:あと、おやつの時間にお酒飲むの初めてです


マコト:ユリ、シードルは初めて?


ユリ:はい、りんごのとっても良い香りがして美味しいです


マコト:ふふ


ユリ:マコトさん、何か面白いことありましたか?


マコト:ユリって本当にお酒弱いよね


ユリ:え?


マコト:シードル、アルコール度数低い方なんだけど


ユリ:え?


マコト:ひと口飲んだだけで顔赤くなってる


ユリ:私もう顔赤くなってるんですか?!


マコト:うん


ユリ:わわわ…


マコト:顔、熱くなってる


ユリ:マコトさん、私酔ってないですよ


マコト:はいはい


ユリ:信じてないですね…


マコト:ユリがこのまま酔っててくれてれば良いのに


ユリ:え、なんでですか?


マコト:ガレットもクレープも俺ひとりで食べられるから


ユリ:ちょっ、それは絶対ダメです!


マコト:酔ってたら食べられないでしょ?


ユリ:私酔ってないので、あ、クレープ来ました♪


マコト:ガレットも来たね




マコト:ユリ、ガレット見過ぎだと思うんだけど


ユリ:先にお食事系食べてからクレープ食べたいです…


マコト:じゃあ、俺がガレット食べ終わるまで待ってて


ユリ:え?私の分は…?


マコト:ユリ、目の前にクレープあるのにガレットも食べるの?


ユリ:さっき半分こしましょって言ったじゃないですかー


マコト:じゃあ、このくらいでいい?


ユリ:ホワイトアスパラガスも一緒にお願いします


マコト:はいはい、ユリ姫さま、口開けて…


ユリ:(パク)…程よい塩味がまた良いですね、ガレットの生地もとっても香ばしくて美味しい!


マコト:クレープ、その桜のアイスも一緒にお願いします


ユリ:はい、あーん…


マコト:チョコレートの香りが強いと思ったけど、桜の香りを引き立ててる

…クレープ生地も味がしっかりしてて美味しい


ユリ:シェアして良かったですー、どっちも美味しい


マコト:俺が迷ったの納得した?


ユリ:はい、マコトさんもこういう二択で悩むんですね


マコト:あれ?俺ってそんなに悩んだとこユリに見せたこと無かった?


ユリ:ほぼほぼ悩まないですよね


マコト:ほぼほぼって


ユリ:さっきマコトさんと合流する直前、私見ましたよ


マコト:何を?


ユリ:街を歩いていた猫さんに構って欲しそうにしてたところ


マコト:…!!


ユリ:神楽坂は猫さんの町と聞いていましたが…

猫さんを目で追っていたマコトさん、かわいいなって思いました


マコト:見られてたのか…


ユリ:ふふ、マコトさん照れてます?


マコト:猫って本当にキレイな生き物だなって思ってるから…猫が近くにいるとつい…


ユリ:マコトさんも猫さん派なのですね!私もどちらかというと猫さん派なのでとっても嬉しいです


マコト:子供のときから高校まで実家でずっと猫と生活してたからね


ユリ:ご実家に猫さんいるんですか?


マコト:いるよ、二匹


ユリ:二匹!写真ありますか?!


マコト:うちの猫の写真は今度で、今日は俺のこと見て欲しいから


ユリ:はい、猫さんは今度絶対見せてくださいね


マコト:俺の実家行けば猫たちの写真撮り放題だけど


ユリ:ご実家…!!


マコト:来る?次の休みにでも


ユリ:マコトさんのご実家……


マコト:ユリ、そんなに緊張しなくてもいいと思うけど


ユリ:緊張しますって!


マコト:そう?


ユリ:はい!


マコト:いつでも来て良いのに


ユリ:いえいえいえ、恐れ多いですー!


マコト:じゃあユリが緊張しなくなったら行こうか、それまで待ってるから


ユリ:はぅ…


マコト:本当にかわいいな、ユリは


ユリ:マコトさん私の反応みて遊びすぎです


マコト:今日はバレンタインのお返しをしたいんだけど


ユリ:…!ありがとうございます


マコト:そろそろお店出ようか、ユリと行きたい所があるんだ


ユリ:行きたい所ですか?


マコト:少し下り坂を歩くことになるけど


ユリ:今日はヒールじゃないのでたくさん歩けます!


マコト:じゃあ、行こうか




ユリ:あれ?この道って…


マコト:ユリ、どうしたの?


ユリ:マコトさんと会う前にこの道歩いてきました


マコト:飯田橋駅から歩いてきた?


ユリ:はい


マコト:登り坂大変だった?


ユリ:私、いまの下り坂の方が怖いです…


マコト:けっこう急だから足元気をつけて



-再び東京大神宮



ユリ:実はさっきマコトさんに会う前にひとりでお参りしたんです


マコト:そうだったんだ


ユリ:マコトさんとずーっと仲良くお付き合い出来ますようにって



ユリ:マコトさん


マコト:くすぐったかったらごめん、


ユリ:…?!


マコト:ホワイトデーのお返し


ユリ:え?!…これ頂いて良いんですか?!


マコト:よく似合ってる


ユリ:ハート型のダイヤ…ですか?


マコト:そうだよ


ユリ:鏡で見たいです


マコト:それはユリがひとりの時に見てください


ユリ:はい、すぐ見たいけど今はこのままが良いです


マコト:はい、そうしてください


ユリ:ありがとうございます、マコトさん

改めてお参りしてきますね


マコト:俺もお参りしていくよ、ユリが俺に敬語をつかわなくなりますようにって


ユリ:あ、ずっと気になってたんですか?


マコト:ずーっと気にしてた


ユリ:クセでつい…


マコト:少しずつで良いから敬語減らしていってくれると嬉しいよ


ユリ:が、がんばりま…がんばるね!マコトさん!


マコト:…(笑)ユリ、かわいすぎ…ずるいな


ユリ:マコトさん笑いすぎです!…わっ!


マコト:ホワイトデーはどうだった?ユリ


ユリ:かわいいマコトさんが見れて楽しかったです


マコト:俺がかわいい?


ユリ:はい


マコト:かわいいユリに相応しい彼氏ってこと?


ユリ:いえ、私にはもったいない素敵な彼氏さんです


マコト:本当ユリにはかなわないな、次一緒に出掛けるときは敬語禁止にしようか?


ユリ:敬語禁止?!


マコト:はい決まりました、敬語使ったら罰ゲームしてもらおうかな


ユリ:マコトさん!


マコト:罰ゲームは冗談、だけど…次回は敬語禁止だよ、ユリ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る