お家デート編

バレンタインデーから2週間後のお話。

ユリの家で、初めてのお家デートです。


※一人読みはご遠慮ください。

※演者様の性別不問。役の性別変更不可。


<登場人物>

・マコト

25歳。とても紳士的で優しい、ユリの恋人。


・ユリ

23歳。実は料理上手なことを隠している。


----お話はここから----


マコト:ユリ、カゴ持つよ


ユリ:ではお願いします!


マコト:今日はパスタと何を作ってくれるんだっけ?

…ユリの作るものなら何でも食べたいけど


ユリ:マコトさん!


マコト:はいはい、何でもいいは無しだったね


ユリ:はい


マコト:イチゴが目の前にたくさん並んでるから、イチゴのデザートをお願いします


ユリ:イチゴですね、では1パック入れましょう


マコト:では、このイチゴで


ユリ:とちおとめ…そのまま食べた方がいい気が…


マコト:ユリが俺のために作ってくれるんだから、更に美味しくなると思うけど?


ユリ:…マコトさんは今日もずるいです


マコト:どういたしまして


ユリ:うぅ…ほめてないのに


マコト:ん?ユリ何か言った?


ユリ:ひとりごとです


マコト:そのひとりごと、聞こえなかったけど?


ユリ:聞こえなくても大丈夫です


マコト:ユリの声もっと聞きたいんだけど


ユリ:マコトさん!


マコト:ユリの声を聞き逃さないように買い物中も手、つないでていい?


ユリ:それは…恥ずかしいです、とっても


マコト:ダメ?


ユリ:はい


マコト:帰り道までおあずけ…か、


ユリ:はい!って私の家まで手を繋いで行くの決まりなんですか?!


マコト:いつもユリと一緒に歩くとき手を繋いでるけど?


ユリ:そうですけど…


マコト:けど?


ユリ:うぅ…まずは買い物終わらせます…


マコト:そうだね、何でも…はダメだった、では和風パスタをお願いします


ユリ:和風ですね、そしたら…味つけはあれと…キッチンにあるもので出来るかな


マコト:ふふ


ユリ:笑わないでください!


マコト:ユリって料理してる時もひとりで話しながら作ってそうだなって思ったら、


ユリ:私はたしかにひとりごと多いですけど


マコト:すっごくかわいいだろうなって


ユリ:マコトさんったら!


マコト:ユリ今も顔が赤くなってて本当にかわいい


ユリ:マコトさんの嫌いなものパスタに入れちゃいますよ!


マコト:ユリは俺の嫌いなもの知ってる?


ユリ:そういえば知らないです…


マコト:ないよ、好き嫌い


ユリ:そうなんですか?


マコト:ユリが作ってくれるものなら何でも食べられるし


ユリ:マコトさんが本当に嫌いなものでも私が料理しても食べてくれるんですか?


マコト:ユリが俺のために作ってくれるものなら何でも


ユリ:ゲテモノでも、ですか?


マコト:食べるよ、あれ?ユリはゲテモノ料理出来るの?


ユリ:できません!うぅ…


マコト:さぁ、なんだろうね


ユリ:…気になる…マコトさんが嫌いなものてなんだろう…



-ユリの家に着く



ユリ:本当に手を繋いだまま私の家に着きましたね


マコト:そうだね、お邪魔します


ユリ:すぐお茶用意しますね、ちょっと待っててください


マコト:ではお願いします


ユリ:マコトさんに楽にしてもらってる間にお茶用とパスタ用のお湯を沸かしてっと…

わ、いつの間にかもうお昼の12時過ぎてる!


マコト:ユリ、ゆっくりで大丈夫だよ


ユリ:えーと、デザートもお湯少し使うでしょ…

まずはパスタの準備から始めて…

先に鶏肉の下準備をしてと、

あ、お湯沸いた


マコト:予想通りユリずっとひとりで話してる


ユリ:マコトさん、紅茶でいいですか?


マコト:うん


ユリ:はい、あと2分くらい蒸らしてから飲んでくださいね


マコト:ありがとう、ユリ


ユリ:いえいえ、ではパスタとデザート待っててくださいね


マコト:とても楽しそうだね


ユリ:えっ、…マコトさんが私の家に来てくれたことがまだ夢みたいで…


マコト:今こうして話してることも夢みたいに思う?


ユリ:正直なところ、はい…


マコト:夢から覚ましてあげようか?


ユリ:え?…あ…パスタそろそろ茹で始めますね!


マコト:そういえば何を作ってくれるのか聞いてなかった


ユリ:パスタは春キャベツと鶏もも肉の生姜醤油パスタで、デザートは…食後のお楽しみにしていてください


マコト:うん、楽しみにしてる



-パスタを食べ終えて



マコト:さっきのパスタはレシピサイトに載ってたの?



ユリ:パスタはオリジナルです、前に同じ材料で作ったらとても美味しく出来たので今日も作ってみました


マコト:とても美味しかったよ、ありがとうユリ


ユリ:どういたしまして


マコト:前に味の保証しないって言ってたのに、あんなに美味しいもの作るなんて…ユリはずるいな


ユリ:ずるくないです、デザート持ってきますね


マコト:イチゴのムースかな


ユリ:はい、とても簡単な作り方しましたけど味は保証します!


マコト:ありがとうユリ、ではいただきます


ユリ:……味、どうですか??


マコト:ムースの中にある角切りにしたイチゴがムースの甘さと合わさったときの酸味が心地よくて美味しいな…


ユリ:マコトさん、食レポみたいです


マコト:俺の場合、仕事で食べたものの感想を言わないといけないからつい…ね


ユリ:そうですね、ふふ(笑)


マコト:ユリ、顔にムースついてる


ユリ:え?…!!!


-突然の出来事に固まるユリ


マコト:…本当はついてないけど


ユリ:…マコトさん…!!


マコト:これでもユリは今こうして僕と会ってることを夢だと思ってる?


ユリ:…いいえ、これが夢なんて…嫌です


マコト:俺も夢にされるのは嫌だな…


ユリ:こんなに甘い夢、眠ったら見れません


マコト:そうだね


ユリ:マコトさんは私の彼氏…夢じゃないんですね


マコト:ユリ、そこから?


ユリ:はい、ずっと夢みたいで実感がなかったんです


マコト:実感がなかったのか、…今のユリ夢から覚めたような顔をしてる


ユリ:はい…夢から覚めたみたいです…私


マコト:本当にかわいいな、ユリは...

今日も二人で会えて嬉しい…


マコト:あと、これから二人で会う時は夢じゃないから…おはよう、ユリ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る