2/14編

バレンタイン当日の2人のお話。

この日はアップルパイが名物のお店へ行くことに


ちょっと甘めな恋愛のお話です。


※一人読みはご遠慮ください。

※演者様の性別不問。役の性別変更不可。


<登場人物>

・マコト

25歳。立ち振る舞いも佇まいもとてもスマート、優しい。


・ユリ

23歳。コロコロよく表情が変わる。マコトに押されに押されている。


----お話はここから----


-2月14日、16時50分、明治通り


ユリ:マコトさん、お待たせしました


マコト:いま着いたところ、ユリそこ段差あるから気をつけて


ユリ:はい、…わっ!!


-ユリを受け止めるマコト


マコト:俺注意したんだけどな、怪我はない?


ユリ:あ、ごめんなさい!もう大丈夫なので…


マコト:大丈夫なので?


ユリ:その両腕から解放してください〜…


マコト:嫌?


ユリ:嫌とかじゃなくて


マコト:じゃなくて?


ユリ:恥ずかしいんで離してくださいっ!


マコト:ハイハイ、でも右手はこのままで


ユリ:マコトさんったら…わかりました


マコト:ユリ、今日ヒール高くした?


ユリ:よく気づきましたね、このヒールお気に入りなんです


マコト:そうなんだ、ユリの顔が近くに来るからいいな


ユリ:マコトさん!


マコト:ユリ耳まで真っ赤になってる


ユリ:ほんといっつもずるいんだから!


マコト:ずるい…か、お店に着いたよ


ユリ:わあ!お店からいい香りがする!


マコト:ユリ、こっちだよ


ユリ:はい、この席…あれこの光って…


マコト:ん?どうしたの?


ユリ:あのイルミネーションですよね、ここからこうやって見れるなんて素敵…




マコト:ユリ、イルミネーション好き?


ユリ:はい、大好きです!


マコト:俺のことは?


ユリ:は、…ていきなりなにを言い出すんですか、びっくりしました!


マコト:あれ?答えは?


ユリ:マコトさん!


マコト:ワインが来たね、乾杯しようか


ーグラスを合わせる2人、ディナーコースは進んでいき…


ユリ:お料理どれも美味しいですね


マコト:さっきスペアリブ食べるときに最初すごくためらってたね


ユリ:スペアリブって綺麗に食べられるか心配だったんですっ


マコト:ナイフの重さで切れるほど柔らかかったのに


ユリ:びっくりしました〜、あんなに柔らかいなんて思わなかったです

あとマコトさんってカルボナーラお好きなんですね


マコト:パスタは基本的にどれも好きだけど、カルボナーラを選んだのはニンニクを気にしないで食べやすいから


ユリ:メニュー選びもそこまで考えてくださったのですね、ありがとうございます


マコト:どういたしまして


ユリ:デザートは何が来るのかな、楽しみです


マコト:あ、来たね


ユリ:わあ、とってもいい香り!乗ってるアイスがいい感じに溶けてる…


マコト:今度はアイス跳ねさせないように気をつけて


ユリ:マコトさん、大丈夫です


マコト:はい


ユリ:サックサク…リンゴのいい香りがする…

中のリンゴも食感が残ってて…

アイスの温度差がまた絶妙……美味しい…


マコト:ふっ、


ユリ:あ、マコトさん笑いましたね?


マコト:ユリが食レポみたいな感想言うから


ユリ:食レポって、このアップルパイ美味しいんですもん


マコト:それだけ味の感想言えるってことは…ユリは料理結構する方なの?


ユリ:え?いえ、そんなにしないですよ


マコト:そうなんだ、俺がユリの作ったパスタが食べたいって言ったら作ってくれる?


ユリ:私が作れるメニューならいいですけど…


マコト:じゃあ今度の休みはユリの手料理で


ユリ:…味の保障はしませんよ


マコト:うん、楽しみにしてる


ユリ:…うう、わかりました…



-食事を終え、イルミネーションを見に来た2人



ユリ:さっきのお店のアップルパイ、ちょうどいい甘さで美味しかったですね


マコト:喜んでもらえてなにより


ユリ:マコトさん、ありがとうございました


マコト:どういたしまして


ユリ:マコトさん…


マコト:ん?


ユリ:これ…お口に合うかわかりませんが…


マコト:ありがとう、ユリ

もしかして手作り?


ユリ:もう開けてる!


マコト:嬉しすぎて手が勝手に…このチョコ、ユリが俺に食べさせてくれるんだよね?


ユリ:え?!


マコト:はい、お願いします


ユリ:ほんと、マコトさんってずるいです


マコト:チョコ待ってるんだけど


ユリ:わかりました…はい、あーん……っきゃ!


-ユリを抱き締めるマコト


マコト:俺のために作ってくれてありがとう、とっても美味しい


ユリ:マコトさん…喜んでもらえて嬉しい…


マコト:最高のバレンタインをありがとう、ユリ…

いま幸せすぎるから、俺の気持ちが落ち着くまでこのままでいさせて…


ユリ:私もいま幸せすぎるのでこのままでいさせてください


マコト:こんなに俺を好きにさせて……本当にずるいのはユリの方だからね


ーユリを見送ったあと


マコト:(M)喜んでもらえたようで良かった

それにしても、スペアリブを目の前にしてあんなにびっくりしたり

焼きたてのアップルパイを熱いって言いながら小さい口に押し込んだりして…


マコト:(M)このチョコも一生懸命作ってくれたんだろうな…本当、可愛いかった

初めてユリと話したのは俺が9月に今の部署へ異動して、すぐだったな

部署の企画班のメンバーがなんでオフィスで豆苗育ててるのか謎が多すぎて軽く引いてたら話しかけて来てくれたのがユリだった


ユリ:「驚かれました?まさか会社で豆苗が収穫できるなんて思いませんよね」


マコト:(M)俺はユリのその発言に一番驚いたんだけど、なんか可愛いなこの人って思って

気づいたら目でユリのことを追ってる自分がいて…


マコト:(M)そういえば職場で新製品の試食の日はユリが部署のメンバーの中で一番テンション高いんだよな

しかも口周りにクリームとか必ずと言っていいほどつけて食べて、

食べ終わった後にすごく恥ずかしそうにするんだよな

今まで仕事中にあんなに緩んだ人見たことなかったから驚いた


マコト:(M)ユリって誰に対しても笑顔で、仕事中に嫌な顔一つ見せないで

一生懸命頑張るから…俺は好きになってたのかも


マコト:(M)…なんだろうな、職場恋愛って俺今までありえないと思ってたのに

今は同じ職場で近くにいれて安心してる自分がいる


マコト:(M)ユリの困ってる顔を見るのも好きだけど、

笑顔を見せてくれる時が一番嬉しいんだよな

それにしてもユリの俺への敬語はどうすればいいんだろう?

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