2/14前日マコト編

バレンタイン前日、マコトの元へ急な仕事の電話が入る。

今回の仕事は自分が責任者だからどうにかしないと明日の約束が...


※3分ほどの一人読みです。

※演者様の性別不問。役の性別変更不可。


<登場人物>

・マコト

25歳。イベント会社勤務、社内で期待されている。ユリという彼女がいる。


----お話はここから----


ー会社帰りのコーヒーショップの前


「2/14、19時に窓際の席を2席予約したいのですが」

「はい、わかりました…ではキャンセルが出ましたら宜しくお願いいたします」


これで5件目、もっと早くユリを誘うべきだった…

最近仕事が忙しくなったから店の予約が取れなかった

…言い訳としては最低の域に入るな


幸いさっき電話した店は電話応対が一番良かったし、

キャンセル待ちも快く受け入れてくれた


ユリと初めて過ごすバレンタイン、あの夜景は絶対見て欲しい

それと、手作りチョコレートなんてもらえたら最高だな…

バレンタインの日にユリに会える約束ができた時点で運がいいのに

チョコレートも欲しいなんて欲張り過ぎだな、俺は


ー携帯電話に着信が入る


「はい、サイトウです…2/14の二越(につこし)百貨店のイベントの人手が足りない…」

「人員配置は全体にシェアしたはずだが…手配を依頼した派遣会社の方でミスがあったと」

「イベントは明日11時開始で今は何時?18時、皆退勤してもう人もいませんね」

「キノシタさんが謝る必要はないです、人間皆完璧ではないからこういうことも起こります」

「必要なのは、ここからどうやってミスのリカバリーをするかですね」

「あと5分で自宅に到着するので、あとはリモートで話し合いを行いましょう」


ー自宅へ到着


まさかイベント前日にこういったトラブルに見舞われるとはな…

明日は有給申請してるから、俺は現場はもちろん、リモートでも働けないし

今の状況を整理するところから始めるか、


販売スタッフが1人、フライヤーを配布するスタッフが2人足りないと…

会計とラッピングはここの百貨店の担当者が行う

品質管理も百貨店の担当者が行うから、うちの会社はとにかく売ることに集中…


今決まっている販売スタッフの方は…4人とも販売歴5年以上

フライヤー配布担当は単発派遣契約の3人と…あとキノシタさんにもフライヤー配布は参加してもらって


あとは配置を考え直して…ん、この売り場ここで人の流れが出来ていたはずなのに


どこのメーカーもここに人を置かないのか…ならうちの会社で使わせていただいて…


フライヤー配布担当がここに1人いればほぼ全部のフライヤーを配布できるだろう、と

販売スタッフの担当箇所は…売り場の写真だとショーケース前に3人でギリギリだな

全員ベテランだから4人で回せそうだ

このことを急ぎでキノシタさんへ伝えて…


ー携帯電話に着信が入る


「はい、はい、…では2席予約をお願いいたします」

「お心遣い痛み入ります、明日は何卒よろしくお願いいたします」


…一気に肩の力が抜けた、まさか今日中に連絡が来るなんてな

こういうことがあるとユリは「マコトさんの日頃の行いがいいからですね」っていうだろう

それにしてもいつになったらユリは俺に敬語を使わなくなるんだろう

ユリって後輩にはどうやって話してるんだ?後輩にも敬語を使ってそうだ


付き合っておよそ1ヶ月半、知らないことがまだまだ沢山あって楽しい

明日はどんなユリの表情が見れるか…それは俺次第か

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