14-3
「シア君待ってたわ」
職員が声を掛けながら報償をカウンターに用意した
「結構な量だな?」
「ハイオーク10頭にオークジェネラルがいたとなるとね…」
職員の言葉にギルド内がザワついた
それだけの上位種がいたら下位が大量にいた事だけは馬鹿でもわかる
まぁ当然か
「お前らもカードでいいのか?」
「うん」
「勿論」
「てことでいつものように4等分で」
「分かったわ。あと解体と換金の方も準備が整ってるみたいだから顔出してあげてね」
「了解」
カードを受け取って2人の分を渡す
残額を見てニヤケル顔がある意味ヤバイ
「おっさん俺のは?」
「こっちだ」
促されたところに積み上げられる
「スゲー量だな」
「そりゃそうだ。解体したとこで元がでかいからな」
「まぁ確かに」
「それにしても今日はそこら中でオーク祭りだぞ」
「大げさだな?」
「大げさなもんか。ハイオークなんてすぐに買い手がついたんだからな」
「どうせ貴族だろ?平民じゃとても手が出ないだろうし」
そりゃそうだとおっさんは豪快に笑う
「そうだ、お前らまだオークとオーガは持ってるんだよな?」
「ああ。あとは全部で200くらい」
「は?」
「流石に一気に出すのはまずいと思って小出しにしたけどいるなら置いてく。特にシャノンとルークは金にしたいタイプだからな」
「助かるよ。ハイオークの話を聞いた貴族がオークでもいいからってとんでもない数の注文が入ってるんだよ」
「なるほど。で、何頭だせばいい?」
「少なくとも40頭分は買い手がある…ただ大半が取りに来れるのは早くて明日の朝一になるから今は20」
「保管の問題か。じゃぁ今20出して明日の朝迷宮行く前に残りの20置いていくのでいいか?」
「充分だ」
「ってことらしいけどお前らのを出したのでいいのか?」
尋ねると2人は相談を始めた
「数は半々で出して。僕の方はオークでもオーガでも構わないから」
「ん。じゃぁこっちがルークの分な」
台の右端に10頭分を山積みにする
「僕のは全部買い取りでよろしく」
「おう。ありがとな」
受け取るなり解体が始まる
「シャノンは?」
「私のはオークとオーガを5頭ずつで、オーガの牙だけ戻しで他は全部買い取り」
「オーガの牙だけだな。了解。素材は明日、残りの20を出しに来た時でいいのか?」
「急いでないからそれでいいよ」
シャノンとルークは先に出していた分の明細と頼んでいた素材を受け取った
「次は換金所だな」
「僕たち関係ある?」
「最後にやった素材の明細くらいだな」
「あ!」
すっかり忘れていたらしい
いそいそと換金所に向かい明細をそれぞれに受け取ってようやくギルドを出た
「あ、マリク!」
丁度依頼から戻ってきたマリクたちと遭遇した
「お前らがこの時間にいるのは珍しいな?」
「ああ、シャノンがもたついてたおかげで特別依頼を受けることになったからな」
「特別依頼?」
「オークの巣の掃討」
「マジか…広場の方でオークの話がやたら出てるとは思ったけどそのせいか?」
「多分な。ってことで今日はBBQになるからマリクたちも来るだろ?ちなみにメインはオークジェネラルだ」
「な…?!そんなの行くに決まってんだろ。あいつらもいいんだろ?」
「ここで言って断るはず無いだろ」
どう考えても聞こえてるし
「確かに。じゃぁ後から皆で行くよ」
「おう」
側にいたリアム達にも声だけ掛けて家に帰った
俺がオークジェネラルの肉と内臓を全部母さんに渡すと、母さんたちは呆れて、父さんたちは早速酒の準備を始めた
夕方早めから始まったBBQがかなり遅くまで続いたのは言うまでもない
俺としてはインベントリに空きが出来てホッとする気持ちの方が勝ってたけど…
今後の為にも早く拡張の方法が知りたいものだ
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