14-2

「ついでにこれも先鑑定しといて」

俺は換金カウンターでオークの巣にあった戦利品である装備品を全て取り出した


「…何ですかこの量?」

担当の職員が固まった


「オークの巣で手に入れたやつ」

「あぁ…そう言えば…」

朝のギルド内の騒動を思い出したらしい


「こっちは全て換金していつものように4つの口座、この4つは別で換金してルークとシャノンの口座に半分ずつでよろしく」

「えっと、すぐにではないですよね?」

「ああ。今から報告するし、俺のは明日以降に回してくれても問題ない」

「助かります」

ホッとしたのを全面に出してきた

まぁ、かなりの量があるから仕方ないか


「後は報告だな」

俺達はギルマスの部屋に向かった

トランさんが先に伝えていてくれたのか、ドアは既に開いていてギルマスは待ち構えていた


「遅い」

「しゃーねーじゃん。先に解体と換金回してきたんだから」

「あぁ、なるほど」

ギルマスはそれならしゃーねーかとでも言うように頷いた


「で、オークジェネラルがいたって?」

「ああ。オークジェネラル1、ハイオーク10、オークとオーガ合わせて207」

「随分細かい数字を出してきたな?」

「オークとオーガは全部俺のインベントリに入れたからな」

収納されたものは勝手に数がカウントされる


「本当に便利だな」

俺もそう思う


「今回は流石に入りきらないかと思ったけどな」

実際オークジェネラルと最後の戦利品である装備とインゴットは2つのマジックバッグに分けて入れて帰ってきた

母さんたちにもらったのにも入りきらなかったから迷宮で手に入れた自分のも出した

容量少ないからって売らなくてよかった


「気になるのは巣がこれまで見たのと比べ物にならないほど整ってたってことくらい」

「整ってた?」

「寝ぐらにするただの広めの空間じゃなく入り口のある部屋だった」

「何?」

「戦利品の格納も固定の場所ではあるけど、結局開け方が分からなくて壁自体を破壊したくらいだし…」

更に巣の中の様子を詳しく話すとギルマスは何かを考え込む

まぁ、実際普通の状態じゃなかったからな


「それにオークジェネラルの防具が普通じゃなかった。急所部分が金属でガードされてて俺も参った。偶然弾いた斧で顔面かすってなきゃヤバかったかもしんね」

「そんなに?」

シャノンの方が驚いている


「攻める場所がなかった。結局斧がゴーグルを破壊してくれたから目から脳天に向けて剣で差したけど、頭吹っ飛ばしてなかったらまだ生きてたかもな」

狙う場所が見つからない魔物は勘弁して欲しい


「大体あんな防具どこで入手してるかが謎。もっと上位の種類なら言葉も操るって聞いたことはあるけど、俺の知る限りあそこまで知能的なオーク系は初めてだ」

「…そうか」

ギルマスは大きく息を吐きだした

どうしたものかと考えあぐねている感じだろうか?


「とりあえず俺らが話せるのはこれくらい」

「あ、あぁ、助かったよ。下で報酬を受け取ってくれ」

心ここにあらずのギルマスに見送られて俺らは再び下のフロアに向かった

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