第9話 自己紹介
「うん、マジで何言ってるのか理解出来ない。私は学者じゃ無いんだよー。専門的な用語や話をされても理解不能。ここは学会じゃ無いんだからさぁ、もっと一般人にも分かりやすい言葉で説明してよ。」
理解不能過ぎ…。こう、もとさぁ、基礎的な所からやってくれないと私元はこの世界の住民じゃ無いから一般常識でしょ?みたいな顔されても困る。
「あの、もしかして義務教育受けてないんですか?」
「教育?」
出来るだけしらを切る。勿論知らない訳じゃ無いがこの世界の教育なんて受けた事無いし、とぼけたほうが良いところはとぼけておく。
「はぁ、今何歳なんですか?」
生後数日ですが何か?っとは言えないよなぁ。確か、無責任な神は死ぬ前と同じぐらいの肉体を用意したって言ってたから、12〜13歳相当の肉体の筈。ここは12って事にしとくか。
「12歳ー。親はいません。ロマンを求めてなるがままに旅してるのー。楽しいよー?」
うん、この世界には親なんて居ないよ。元の世界では普通に居たけど…。ホームシックになるから親の話を振られないように孤児設定で行く。
「では、その力が発現したのはいつですか?」
「つい最近かも?最近ずっと吹雪だし分からなーい。魔法って概念も最近知ったよ。ロマンヤバいー。」
「…。(12は見かけ通り。親無しなら教育を受けてない事には納得。こんな世界で旅?あり得ないけど、目の前に居る存在の方があり得ないから有り得るかもしれない。通常、魔法の発現は5歳までに終わる筈…、でも、この規模の力なら魔力が成熟し形を成すまで時間がかかってもおかしく無い。…はぁ、これは長い戦いになるぞ。)」
「どーしたの?…あ、基礎の基礎自体も分かってないから基礎から教えるのめんどくせーって感じ?んー、理論じゃなくてイメージで教えて欲しいなぁー。理論は苦手だけど勘とセンスは結構いい方なんだよー?」
「分かったわ。魔力は水で魔法として出力する時に体外に流れ出る。イメージ的には魔法を扱う物の体がダム、脳が変換器、出力調整はイメージ。貴方はダムに貯めずに垂れ流してる状態だから問題があるの。おーけー?」
「あー、我慢しろって事ね。了解ー。マジ理論で説明されても困るしこう言うのでいいーんだよ。」
次の瞬間グレースの体から漏れ出る冷気は一気に弱まり辺りの吹雪は収まった。
「おー、やっと吹雪止んだ!!」
「…。(貴方が原因だけどね!!?)」
「ねぇー、じゃあ街に連れっててー。」
私はその人に絡む。絵面的には駄々こねる子どもだけど使える物は使わないとねー。
「お、成功したのか。」
「速っ!!?」
あれれ、私の目がおかしかったのかな?少し離れたところにいた男の人が一瞬で目の前に来たんだけど、この世界瞬間移動まであるのかな?
「いや、まだ成功とは言えないわね。周りへの影響は最小限とは言え…。いや、馬鹿な貴方は説明するより見た方が早いわ。」
「俺、さりげなく貶されてなかったか?」
女の人は男の人から何か持ち物を掠め取ると私の方に投げてきた。反射的にキャッチしたんだけどパキパキ音を立てて凍った…。過冷却?
「ほら、この通り。」
「おいおいおい、さりげなく俺の食糧袋壊さないでくれるか?アイテム袋って高いんだぞ?」
「貴方にとっちゃ端金でしょ。特に買う物も無いんだし。」
「てか、魔法アイテムが魔法で傷がつくのはそこに込められた魔力量より高い出力の場合って言ってなかったか?魔法袋って朝廷の魔法使いが数ヶ月かけて作れるレベルの代物だぞ?」
「はぁー、まさか見ても分からないの?」
「そ、そんな事ねぇーよ。」
「じゃあ説明してみなさい。」
「あ、あれだろ。超やべーって事だろ?」
「分かってない…。出力を最小限まで抑えてもなおこの国の魔法使いを軽く凌駕する程度の出力が常に出されてるのよ。魔力自体に性質がついちゃってるからいつでも触れた瞬間なんでも凍結するそう言う体質って事よ。」
「やべーでいいじゃねーか。」
「はぁ、馬鹿は困るね。その人が言いたいことは基本的に誰も彼女に直接触れないって事だよ。そんな状態で街に連れ込むんだから補助として面倒を見る人がいるって事だよ。分かりやすく言うとこのパーティーの面倒事が増えたって事。」
「成程分かった。」
「はー、やっぱこいつリーダー向いてねぇよ。」
「お、いつも飄々としてるのに珍しく怒ってる。」
「誰の理解力が無いからだと思ってるのかな?」
「二人ともやめなさい。先に自己紹介をしておきましょう。私は魔法使いのララ、向こういるのは私の妹のルル。で、大楯の無口がアーク。」
「俺はこのパーティーのリーダーやってるピーター。んで、こっちがパール。あんたは?」
「あ、私?私はグレースただの旅人、よろしくねー。早くお風呂入りたーい。」
こうしてなんやかんやあったが万事解決したみたい。
キャラ簡易解説
ピーター:Aランク冒険者。剣を愛用していて馬鹿火力とスピードが自慢。
パール:Aランク冒険者。交渉が得意で常に飄々としている。トラップ解除が主な仕事。
アーク:Aランク冒険者。大楯。無口な仕事人で誰も喋った所を目撃してない。
ララ:Aランク冒険者。魔法使いで双子の姉。姉妹揃って口悪い。実質的なリーダー。
ルル:Aランク冒険者。僧侶で双子の妹。
簡易解説
聖職者協会:僧侶や司祭などのバフ要因が所属している協会。いろんな宗教をまとめてる所。いろんな宗教所属が居るから名前が聖職者となっている。こんなのが出来るのは単純な土地不足でそれぞれの宗教が建物を建てる余裕が無いため。冒険者協会への出向も多い。
冒険者協会:通称ギルド。傭兵兼探検家を派遣している。どんな人でも所属できる実力主義の所。面倒ごとの依頼や国からの依頼も請け負う政府直属の機関。いろんな国がその国の税金で動かしてるから建物の外見や中身はその国の特徴が出る。
基本的にこの二つの協会が多種多様な種族がいる世界でどの国にも共通して存在している。
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