第2話 異世界転生
目が覚めると知らない家の中に居た。
「何これ?」
起きて目の前に飛び込んできたのは一つの張り紙であった。
『ここは我々からの慰謝料って奴なのー。担当者変わったけど我々はもう貴方個人にこれ以上関わる気はないのー。この家や家にあるモノは好きに使っていいのー。この世界の戸籍とか言う概念は争いが多いせいであやふやだからそっちの心配は必要無いのー。好きにこの世界を楽しんで欲しいのー。』
「…一旦外の様子見てみるか。」
玄関から外に出ると外は猛吹雪の雪原。周りになんの建物も無い。
「凍え死ねって事?」
試しに一歩外に踏み出してみるが案の定寒い。いや、こんな薄着なのに寒いで済んでいるだけこの世界の住民の体は頑丈なのか?そっちが気になる…。
「こんな極寒の地で引き篭もりたい訳じゃ無いし街に行きたい…。」
取り敢えず速攻で家の中に入り何か無いか家の中を探索する。
数刻後
「これが成果か…。」
なんか意味ありそうな石板1枚、謎の本9冊、地図っぽい奴1枚、食料と水の備蓄がいくらか、謎の機械3台…以上!!
「まずは本から中身を確認してみよう。表紙の文字が読めなかったから謎の本なんだけど一応中身は読めるかもしれないし…。」
私は謎の本を開く…。
すると、溶けるように消えた。
「は?」
見間違えかと思い目を擦り本の冊数を数え直すと8冊になっていた。
「あれ、この世界の本って中身読むもんじゃなくて、表紙だけなの?…それにしても消えるとか意味わかんない。面白い内容だった時に友達とかと共有出来ないじゃん。あ、もう友達どころか知り合いも家族もいないんだった。」
はぁーっと大きなため息を吐き次の本も中身を見ようと試みる。
これもすーと溶けるように消えてしまった。
「うん、おかしい。絶対おかしい。質量を持った物体がこんな挙動を起こして質量を失うなんてあり得ない!!」
残りも全部一気に開いてみるがやはり、全部溶けるように消えてしまう。中身が気になるのに中身が分からない!!
「分からないモノは気にしても仕方無い。次は機械っぽいのを見てみよう。…未知の機械ってだけでワクワクしてきちゃう。ロマンがあるわー。」
なんか、3台とも古代遺跡とかに出てきそうな機械だし面白い事起きたりしないかなー。
そう思いながら私は機械の起動スイッチらしきものに触れる。
「何が起こるかワクワクする。やっぱ、生きていく上でロマンは大事よ!!」
しかし、しばらく待ってもうんともすんとも言わない。
「あ、もしかして長押しで起動のタイプかな?」
私は機械のスイッチらしき場所を長押しする。すると機械は無音で起動しピカッと光って消えた。
「はぁ、ロマンな。使い切りタイプはみんな質量の喪失とか言う謎現象だけ起こして終わる感じ?」
この流れだと残り2台の機械はあまり期待できないから両手を使って同時に長押しして起動してみる。もしかしたら複数台起動の場合は面白い事が起きるかも!!
「目がー!!目がー!!複数台同時起動だとこんな罠が!!」
あまりの光の強さに目が潰れ尻餅をつく。
「痛てっ。」
暫くして目の前が見えるようになったら変な文字列が目の前に現れた。
「何これ。目眩み過ぎて幻覚見てるのかな?」
そう思い一旦立って備蓄の水を頭からかぶる。
「冷たっ、でもこれで流石に目が覚めた筈。」
そう思い周りをキョロキョロするがさっきの文字列は無くなっていた。
「うん、やっぱ目眩みによる幻覚か何かだったんだよ。」
落ち着いて今度は石板を観察する。残ってるのは石板と地図っぽい奴だけだし、地図は最後でいいや。
「うーん、この古代文明の残火みたいな感じのデザイン好き。可愛さやかっこよさよりロマンよロマン。デザインだけでロマンをビンビンに感じるもん。何か仕掛けがあるのかなー?」
そう思い石板に触れた瞬間先程の文字列が浮かび上がる。
「ふぁ!?」
びっくりして再び尻餅をついた。
「幻覚じゃなかったんだ…。でも、この文字私の母国語じゃ無いし読めない…。」
文字列をジーと見ているとぐわんぐわん歪みだして私の母国語の文字に変化した。
「何この凄い技術、超古代文明的なロマンを感じる!!好き!!」
興奮しながら文字列の変化が終わるのを待って内容を確認する。
名前 ◼️◼️◼️
性別 女
種族 魔女
スキル 氷結魔法、回復魔法、魔力循環、身体能力強化、解毒、鑑定、妨害、即時翻訳、温度変化無効、環境適応
固有スキル 春風駘蕩、詠唱破棄、凍体、不老、時空間魔法、超恢復
やっほー、解説なのー。一応生き残れるだけのスキルと貴方が好きなロマンを求められるスキルをあげたのー。私もロマンは大好きなのー。同じ趣味に免じたサービスなのー。
氷結魔法と凍体は魂を集めてくっつけ直した奴の影響みたいだから詳細知らないのー。だからそこは解説なしなのー。
種族
魔女:一定の領域から食み出た女の子なのー。貴方の場合向こうが壊して直して流して来たことが原因なのー。
スキル
回復魔法:大体の怪我や病気を自他問わず治せちゃうのー。
魔力循環:魔法を使うときに消費するエネルギーの効率をあげて負担軽減してるのー。
身体能力強化:弱者にはこれがなきゃ色々不便なのー。
解毒:どんな毒でも即時分解。無知故の事故死が防げるのー。
鑑定:生物無機物問わずこの世界の知識が無い奴のためのガイドブックなのー。認知しているモノの詳細が知れるのー。
妨害:鑑定対策なのー。どうやっても詳細は分からないのー。
即時翻訳:元々この世界の住民じゃ無いから日常会話とかに困らないようにしてるのー。
温度変化無効:この世界は貴方がいた世界より温度変化が激しいのー。それでポックリ逝かないようにするためなのー。短期間で面倒ごとの対応はしたく無いのー。
環境適応:頼れる同族も血族も居ないから色々対策なのー。
固有スキル
春風駘蕩:貴方が元から持ってた奴なのー。私があげた訳じゃ無いから詳細は知らないのー。
詠唱破棄:多分これも直した奴が原因なのー。凄い雑な仕事で殺意が湧くのー。でも、これは私でも分かるのー。魔法の使用には長々と詠唱が必要なんだけど、それをしなくて済むのー。それだけなのー。
不老:ロマンを求める貴方には長い時間が必要なのー。だから、老衰対策なのー。
時空間魔法:所謂亜空間なのー。ロマンの探究には様々な道具が必要で誰にも盗まれない置く場所が必要なのー。
超恢復:回復魔法の超上位互換だけど自身限定なのー。欠損や臓器の機能停止に至るまでまるまる全部健康状態に治してくれるのー。
追記:名前が謎なのは前世と今世の名前が混ざってるからなのー。あと、これの作成日は島流しならぬ世界流しが決定し、仕事を引き継いだ時に書いてるからこれ以上の干渉はする気ないのー。どうせ、余計な仕事したく無い私は説明する気なくほっぽると思うから必要な情報だけは書いておいたのー。後は鑑定を駆使して自分でやってなのー。多分、鑑定も私があげた関係で私の口調の説明文だけど気にしないでほしいのー。私は干渉してないしする気もないのは理解しておいてなのー。
作者解説
春風駘蕩:物事に動じず自分のペースを崩さない。何があってもゆったりーのんびーりしているため精神汚染系の攻撃が全く効かない。
元来の性格由来のため誰が与えたとかでは無い。強いて言うなら魂が生成された時には既に持っていた強い気質って感じ。
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