第2話
夜会から二日後、無事、書類も書き終えて神殿に届けて参りました。
これで正式に婚約が破棄されたと言うことです。
やっと、婚約破棄の後始末が終わって、バカンスタイムを送っていると、皇城から、召喚状が届きました。嫌ですわ、めんどくさいですわ。つかの間の休息だというのに.......それに、私殿下に二度と姿を見せるな!!って言われていますのに........
ばっくれてしまおうかしら!?我ながら、良いアイディア!スローライフですわ!!
******
来てしまいましたわ。というか、連れてこられましたわ。
お父様ったら、あんなに反抗したのに、あの馬鹿にソフィアの重要性を知らしめる最後の機会だから......と言って無理矢理.......しかも、お父様もせっかくだから♪と一緒ですわ。あぁ、殿下に会わないと行けないのかしら..........
そんなことを考えながら歩いていたら、謁見室に着いてしまいました。もうここまで来てしまった以上、腹をくくるしかありませんわね。さっさと終わらせて、バカンスの続きですわ!
........なんで、帝国の上位貴族の方々が勢揃いですの!?聞いておりませんわ!
き、緊張します........「コホンっ!」はっ.......挨拶を忘れていました。
「「帝国の太陽たる皇帝陛下にご挨拶申し上げます。」」
「うむ、よくぞ来てくれた。ソフィア、ダンケルノ公爵。呼んだのは、他でもない。この機会に帝国の道筋を示さねばとなと思ってな。」
「勝手に婚約破棄の話を進めてお、怒られてしまう案件でしょうか?」
「そのようなものでは無い、安心せい。じゃが、残念じゃな。娘が出来ることを楽しみにしていたのだが......「父上!!何故、この女がここに!?お前、俺の前に現れるなと言っただろう!!」
あぁ~、やっぱり怒っていらっしゃいますわ。だから、来たくありませんでしたのに。
「黙れぇぇぇぃぃぃ!!フレッド、貴様が勝手に婚約破棄したせいで、このような騒ぎになっておるのに........はぁ、ソフィアに申し訳ないわい。お前がこの国唯一の皇子だったからこそ皇太子になれただけで、他に子供がおれば、お前など絶対皇太子にせんわ!!!お前の馬鹿さをカバーするためにこちらからお願いして、婚約してもらったのに.........親の心子知らずとはこのことだな、愚か者がぁ!!!!!」
「お、俺が優秀で、人望も厚く皇帝の器だから、皇太子に任じて下さったのではないのですか!?」
「何を言っている、馬鹿者!!唯一の子だからと言って甘やかし過ぎたのが、失敗であったか.........本当に申し訳なかった」
陛下が、大勢の貴族達の前で頭を下げられました。
「あ、頭を上げて下さい。陛下は良い父親でしたわ。甘やかすと言っても、怒るときは厳しく怒り、褒めるときは、とことん褒める.......皇后陛下含め、私によくして下さって感謝の念にたえません。」
そう言いながら、陛下、皇后様との思い出を思い出していました。常に気にかけて下さり、貴重な体験をたくさんさせて頂いた陛下、お勉強の時は、鬼のように怖いけれど、それ以外の所では、悩みを聞いて下さったり、一緒にお茶会して笑い合った皇后様。お二人はもう一人のお母様、お父様です。本当の家族にはなれなかったけれど、それで私達の絆や、愛は消えるわけではありませんわ。
「それに、私が皇后になるのは決まっていますし。」
「なっ......それはどういうことだ!?俺が婚約破棄したんだから、皇后になれるはずが無い!!」
先ほどまで、息消失していた殿下が、生気を取り戻して、私に問いただされました。
あっ、落ち込んでいらっしゃるかと思えば、お元気そうで何よりですわ。
「それは、私の方から、説明いたしましょう。先ほど陛下のお言葉の通り、この婚約は、帝室からのものです。本来なら、ありがたい申し出なのですが、可愛い愛娘を殿下のところに婚約させるのは、不安でしてね........ですが、娘の希望もあり、いくつかの条件をつけて婚約するのを許可しました。その一つが、ソフィアに非が無く、虐げられた、または婚約破棄された場合、殿下を皇太子から廃嫡し、ソフィアを皇后とする。幸い、ソフィアの祖母で私の母が帝室から嫁いだ元皇女。血筋的にも問題はありません。」
「う、嘘だ!!そんなこと.......何も聞いていないし、俺が廃嫡なんて..........」
「何度も説明したのだがな........お前は、皇帝の器では無い。真実の愛とやらを見つけたそうではないか。あれを連れて来い。」
陛下がそうおっしゃた瞬間、扉が開いて、マルガ様が騎士に連れられてきました。
「ま、マル..........................!?!?!?」
マルガ様のお顔はいつものようなかわいらしお顔では無く、顔中がしわだらけで、実年齢よりも30歳は上に見えます。一体何が........
「その者は、魔女の薬となる物を使い、自分の顔を変えておった。どうやら、自分の寿命を削るのが代償であったらしく、見た通りだ。皇子フレッドに命じる。お前を廃嫡とし、一世代限りの伯爵とし、マルガとやらを娶るがよい。あぁ、離婚は許さぬぞ。」
「嫌だぁぁぁぁぁぁ!!あんなばばあが婚約者なんて........ソフィア、俺が悪かった。謝るから、復縁しよう。な!」
「何言ってるの、あんた!私を皇后にしてくれるって約束したじゃない!!だから、薬も使い続けて、美貌を保ってきたのにぃぃぃ!!!!」
「うるさいうるさいうるさいうるさぁぁぁぁいぃぃぃぃぃ!!お前は黙っていろぉ!!ソフィアお、俺たちの仲だろう!?また、前みたいに仲良くしようじゃないか!」
わ、私は...........................
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