第2話 試験
試験当日、高畑が詳細を話している。
俺達はそれを多少の緊張感を持ちながら聞いている。
「これから3日間にわたって行われる試験の事だが……残念ながら命の保証はない。いつ殺られてもおかしくない。死にたくない奴は今すぐ出ていけ。」
そう言われて出ていく人は1人も居なかった。
それなりの覚悟ができているらしい。
「じゃあルールについて話す。ルールは、まずこの学年を3つのチームに分ける。赤チーム、青チーム、黄チームだ。そして、それぞれのチームには1軒の建物と人数分の旗を与える。3チームで旗を奪い合い、1番多く旗を取ったチームは1位だ。因みにだが3位になると退学だ。何か質問はあるか?」
「チーム分けはどうやるんですか?」
「FランクとAランク、EランクとBランク、DランクとCランクで分ける。」
ふむ……俺達はAランクとチームか。
Aランクの内部の情報を速めに仕入れれるのはなかなかにデカいな。
後々戦う事になるからな。
「もう質問は無いか?じゃあ早速移動する、廊下に並べ。」
指示に従い、俺達は廊下に並ぶ。
並び終わると移動を始めた。
数10分程、歩いただろうか……
俺達は3軒の向かい合った建物が並ぶ場所に来た。
大きさは学園の半分ぐらいのようだ。
十分過ぎる大きさだろう。
「お前らはこの建物だ。まぁAランクの奴等と挨拶でもしとけ。試験は11時ピッタリに始まるからな、よく時計を見とけよ。」
そう言うと、高畑は少し遠くにある教師専用の建物まで歩いて行った。
「ねぇ、瞬くん、何か作戦とかあるの?」
又谷が話しかけてきた。
「バーカ、誰がお前なんかに教えるかよ。少しでも情報の漏洩は避けたいからな。」
まぁ、作戦らしい作戦は無いんだがな……
「取り敢えず、先生も言ってたしAランクの人達と話しに行こうかな……」
「やめとけやめとけ、あいつ等は付き合いが悪いんだ。話しに言ってもFランク程度の雑魚が話しかけんなよ的な事を言われて終わりだ。まぁ、そう言われたいなら別だがな。」
「言われたい訳ないよ。」
そんな事を話していると、急に手元に赤い旗が現れた。
「うわぁ!?」
又谷はビックリしていた。
物を瞬間移動させる能力者でも教師の中に居るんだろうか……
「これが例の旗か……赤って事は俺達は赤チームって事だな。」
「いきなり現れるなんて思ってもいなかったよ。」
見える人だけだとこのチームには50人は居る。
ほかチームもそのくらいだろう。
さぁ、この試験では何をしようか……
能力至上主義の世界で 杜鵑花 @tokenka
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