能力至上主義の世界で

杜鵑花

第1話 能力至上主義の学園

 この世界は能力至上主義だ。

能力が全てに置いて優先される。

能力とは異能の力の事であり、強さによってランク分けがされる。

俺はそのランクの中で最も低い最弱のFランクだ。

この世界でのFランクの扱いは酷いものだ。

だから俺はこの世界を変えようと思う。

最弱に何ができるんだと思うかもしれないが最弱だからこそやるんだ。

その為にまずはこの能力至上主義を徹底しているこの世界で最も大きい学園を潰すことにした。


 入学初日、当たり前だが俺はランクFのクラスに割り振られた。

周りを見てみると、絶望している人が数名見受けられた。

それなのにこの学園に入った理由は―――

途端、教師と思われる人物が教室に入って来た。


「今日からこのクラスを担当する高畑だ。よろしく。」


高畑という教師は軽く自己紹介をした。

てっきりもっとヤバい奴が教師になると思っていたがそうでもないらしい。


「正直お前ら雑魚どもの教師をするのは癪だ。だが、俺はお前らを変えるために来た。死ぬ気でこの学園を卒業しろ。そしてランクを上げろ。」


前言撤回だ。

高畑はヤバい教師だ。

この学園を卒業すると、ランクが上がるのだ。

ここにいる生徒が絶望をしてまでこの学園に入学してきたのはそれが理由だ。

僅かな可能性を感じたのだろう。

だが、俺はその可能性を踏み躙る。

卒業をする前にこの学園を潰すからだ。


 高畑はこの学園について一通り話すと教室を出て行った。

つまるところ、休み時間になったという事だ。

周りの人間等は互いに話し始めた。

この学園に置いて仲間を作るというのは非常に重要な事である。

勿論、それにはリスクも伴うが……

すると、急に隣の奴が俺に話しかけてきた。


「この世界ってあまりにも狂っていると思わない?」


「初対面の相手にその話題から始めるのか……まぁ、だが君のその意見には賛成だ。この世界は狂っている。ひと目で分かるぐらいに。」


「そうだよね。あっ……僕の名前は又谷颯。よろしくね。」


「紅木瞬だ。よろしく。」


一応、そう返しておいた。

こいつは何かに利用できるかもしれない。


「さっき先生が言っていたけど明日から実力確認試験が3日間にわたってあるんだよね。何をするんだろう?」


「そんな事言ってたか?まぁ、ナチュラルに殺し合いじゃないか?」


この学園は敷地内での殺し合いが許可されている。

それは俺にとってメリットでしかない。


「いきなりか~嫌だな~」


その後はなんやかんやあって1日目が終わった。

入学初日だった為早く帰ることができた。




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