1章-7 今後の予定、家探し
宿に戻って、引き出した金貨のうち5枚を運営資金に、7枚を資本金に補充した後、商人組合での話を自分なりにまとめてみた。
①香辛料の取引 → 問題なく行える
②護衛の有無 → 本来なら必要だが、ステータス的
には不用
③従業員 → 奴隷を購入予定 (金額的には次の
取引次第で可能)
そのために、住居が必要
④運搬方法 → マジックポーチを用意したい
これらのことを念頭において、今後の予定を立てる。ひとまず。しなくてはならないことは以下の通りである。
①2日後の取引に向けて、他にも売れる商品を探す
②住居の価格を調べる ( 借家、持家の両方 )
③マジックポーチの販売店を探して、価格を調べる
④マジックポーチを買うまでの繋ぎとして
大きなカバンをかう
⑤奴隷を購入する
この中から、今日の納品の時間まで②についてを行うことにした。宿の受付に行き、この街で不動産を取り扱っているお店を聞いた。そこで『ツバメ屋』というお店をお勧めされたので向かうのであった。
ツバメ屋に行ってみると、そこには重厚な建物が建っていた。中に入ると店員から声をかけられた。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件で
しょうか?」
「2人暮らしができるくらいの大きさの家が
欲しいのだが。」
「借家か持家のどちらか、お好みはありますか?」
「…ちなみになんだが、相場はどのくらいになる?」
「そうですね…。借家ですと個室2部屋とリビング、
キッチン、トイレ付きで月に銀貨50枚、
持家ですと、中古で金貨150枚になります。
ちなみに、土地代は込みになります。
もし、ご自分のお好みの家を建てようとすると、
土地代が金貨40枚、建物代が250枚ほど必要に
なります。ただし、販売されている土地の上物を
取り壊す費用もかかりますので合計で金額300枚
ほどになります。」
「なるほど。いずれは自分の家を持ちたいが、
とりあえずは借家の方を見せてもらえるか?」
「わかりました。何か条件はありますか?」
「商人をやっているので、バスルームが欲しい。
それと、治安がいいところでお願いしたい。」
「そうなりますと、相場よりも高くなってしまい
ますが、よろしいでしょうか?」
「あぁ、それでいいのでいくつか候補を
見せてもらえるか?」
「では、今から3.4か所ほどご覧いただきます。」
店員はそういうと、カウンターの奥から鍵を持ってきてすぐに出発するのであった。
まず、一軒目の家はメインの通りから1本奥に入ったところにある1階建ての家だった。ただ、残念なことに面積が狭くシャワーしかなかったので次の家に向かった。
二軒目の家は、バスルームも充実しており家自体の面積も広かった。しかし、街の中心街からけっこう離れたところにあり商売する上で、商人組合までの距離がネックになってしまい次の家をお願いした。
どうも三軒目も中心街から離れた位置にあるようなので、最後の四軒目に案内してもらった。四軒目は市場からとても近い距離にあり、商人組合までも徒歩10分ほどでいける立地の良さである。土地の面積こそ狭いが、2階建てのおかげで各部屋はしっかりとした面積がとられている。トイレ、バスルームも完備されており生活にも問題はなさそうである。ちなみに、宿のトイレもこの物件のトイレも洋式である。
「この物件がとても気に入ったんだが…」
「この物件の家賃は、月に銀貨70枚になります。
ちなみに、購入される場合は土地代が金貨100枚、
上物が金貨150枚になります。」
「では、この家を借りたいのだがいつから
借りられる?」
「この後、契約をさせていただき2日ほど清掃の
時間をいただきたいです。ですので、ご入居
できるのは3日後になります。」
「では、それで頼む。」
「わかりました。」
その後、お店に戻って契約を結んだ。契約金は家賃2ヶ月分で敷金礼金なし、家賃の支払い方法は年間払いにしてもらった。身分証を掲示して、口座から契約金と1年間の家賃あわせて金貨9枚と銀貨80枚を支払った。
「では、3日後の朝にお店にご来店ください。」
「よろしく頼む。」
これで、無事にこの世界での住む家を確保できたのである。
時間はお昼をだいぶ過ぎてしまっていたので、今日はどこか喫茶店に入ってご飯をとることにした。宿の近くにある喫茶店に入り、紅茶とサンドイッチを注文した。でてきたのは、卵サンドとレタスサンドであった。ドリンクと合わせて銀貨1枚とそこまで高くはなく、充実した昼食を過ごした後、この世界では2度目となる納品を待つために、宿に戻った。
<残金>
運営資金: 金貨8枚 銀貨64枚
資本金: 金貨10枚 銀貨83枚
口座: 金貨38枚 銀貨20枚
財布: 金貨3枚
異世界でも発注管理 〜日本から発送されます!〜 @hantyo18
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