第8話最終回・田山幸憲さん

田山幸憲さんを直接知っている訳ではない。

パチンコ雑誌で10代の多感な時期に文章で知った。悪ガキ時代、高校生なのにパチンコを打っていた。そして、勝ちたいので「パチンコ必勝ガイド」なる雑誌を買って勉強していた。

400円足らずで買えるその雑誌に、田山さんは「パチプロ日記」を書いていた。

文章が面白い。文体が馴染む。さも、ありなん。田山さんは東大を中退している。中退と言えども、東大。頭の良い人の文章はたまに鼻につくが、田山さんは分かり易い言葉で楽しませてくれた。


そして、大人になりパチンコは打っていたが、必勝ガイドは買わなくなった。

21歳の時、久しぶり必勝ガイドをコンビニで立ち読みした。

パチプロ日記画載っていない!

僕は、巻末のある文章に驚いた。

「田山幸憲さん逝去」

田山さんは舌がんの手術をしたことは知っていた。成功し、ナナシーを打つ日記が掲載されていたが、再発していた。まさか、こんなに早く亡くなるとは……。 

涙が出た。


さて、8回にわたり色んな人との出会いを、書いてきたがまだまだ書きたい人もいるが。たいした話しにならないだろうから最終回にしました。

読んで頂きありがとうございました。


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僕の僕による僕のためのエッセイ 羽弦トリス @September-0919

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