第77話 幽霊屋敷にお引越し
レアさん達は買い出し、サティさんもギルドに帰っていったので1人になった。
いや、
「そういえば双子はどこ行ったんだろ?」
家のどこかで遊んでるとは思うんだけど。
そもそも、二人は外には出れないしね。
「どこにいるんだろ?」
というか、私自身、最初に内見した時以来、まだあんまりこの家の中を見れてないんだよね。
ついでだから探しつつ中ちゃんと見ることにしようかな。
それに、こっちでも錬金術をするために、あの魔法陣を展開するためのスペースも考えなきゃだしね。
ということで、リビングを出て玄関から改めて家の中を探索することに。
というわけで1階。
メインの応対室やキッチン食堂やなんかがある。
特に食堂とか何人入るんだ? っていうくらい広い。
お金持ちの貴族の家っていう感じ。
しかし、どこの部屋を探しても双子は見つかれなかった。
2階に上がる。
2階の間取りは単純で11部屋あるだけだ。
見たところ量産の部屋? という感じだ。
使用人とか家族用の部屋という感じに使用していたように思われる。
聞いたところによると貴族とかは大家族だったりするらしいので親の部屋+子供の部屋という感じだと思う。
さて、というわけで、ここの部屋のどこからに二人がいると思うんだけど。
一部屋ずつ見ていくとすぐに見つかった。
二人してベッドの上でゴロゴロしている。かわいい。
何してるんだろ?
「ふたりとも何をしているの?」
声をかけて聞いてみると、
「「あそんでたの!」」
ゴロゴロするのが遊びなのかな? まぁ、子供なんて何しても楽しいだろうし、気にしないでおこう。
それにしても、
「ここが二人の部屋なの?」
「「うん!」」
詳しく効いてみると、正確にはルナの部屋らしいけど、どうやら二人で一部屋として使っていたらしい。
ちなみに隣がレナの部屋らしい。
とりあえず、二人の居場所は確認できたので、自分のことを考える。
そうそう、私の部屋はどうしようかな。
ここに住むことにするなら部屋とかも考えないと。
正直、布団があればそれでいいんだけど、あ、できれば二人と近い方がいいかもね。
ちょうど、二人の部屋の対面が空いていたのでそこでいいかな。
二人の部屋に比べるとちょっと広め。親が使っていたのかな? という感じ。
一応二人の許可は取ったよ。
まぁ、モノとかもう殆ど残ってないから気持ちの問題だけだけどね。
さて、無事に部屋も決まったことだし、早速……
何をしようか。と、そうだ。
「ベルと話をしなきゃいけないんだ」
ベルにはここに移動することは言ったけど、まだ連れてきていないし紹介もできていない。
あと、移動するにあたって必要なことがあるとか言ってたっけ。
「それじゃあ、早速……」
二人に声をかけて一旦複製を解いてアトリエに戻る。
「おかえりなさいマスターさん」
即座にベルが声をかけてくる。
「ただいま」
そんなベルに引っ越しの話をすると。
「ついにこの時がやってきた!!」
ベルは喜んでいるみたい。
いつもにましてふわふわしている気がする。物理的に。
「それで早速お願いできますか?」
それではということでベルに屋敷に複製をかける。
「……ベル?」
ベルが動かなくなったんだけど。成功したのかな?
自分以外を長距離は初めてだったけど、大丈夫だったかな?
「それじゃあ私も戻ろうかな」
というわけで、今度は自分にも複製をかけて、屋敷に戻る。
「というわけなのです」
屋敷に戻ると、ベルの声が聞こえた。
声の方を見ると、何やら既にベルとレナ、ルナが話をしていた。
何の話をしていたんだろう?
「「ママ!!」」
私のことに気がついたのか、レナルナが抱きついてくる。
「なんの話をしていの?」
ひとまず、気になったので聞いてみたんだけど。
「ママのこれまでのことを聞いていたの!」
「ママって凄い魔法使いだったんだね」
私のことだったか。
まぁ、共通の話題っていうとそれしかないけれど。
私は別に魔法を使えるわけじゃないから魔法使いじゃないよ。
いや、錬金術もある意味魔法なのかな?
「……うん?」
考えていると、ベルが落ち着かない感じで窓の外を見ていることに気がついた。
見ている? 目はないけど、まぁ、そんな感じの動きだ。
「どうしたの?」
「マスターさん……これが外の世界なんですね!」
聞けばどうやら、外の世界を目にして感動しているらしい。
まぁ、流石に外を歩かせるわけにはいかないけどね。
その分、家の中でも案内しようか。
というわけで、今度はレナルナも含めて4人? で家の中をめぐることにした。
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