第7話

『で、どうなんだ』


「今は酔っ払って寝てます」


 結局12缶あけて、1つも成功しなかった。というか後半は酔っててエイムが定まってなかった。


『敵性の何かを有しているか?』


「今のところは見えないですね」


『そうか。しかし不安定な要素は消しておいたほうがいい。製造者は殺しておくか』


「それはこまる。こまります」


 起きてたのか。


『どうも。あなたを回収するか破壊するよう頼んだ、依頼元のこの街のお偉いさんです』


「どうも。お初にお目にかかりますuxi3057です」


『なぜ、殺してはいけないと。父や母だからですか?』


「いえ。正直父母の情みたいなのはぜんぜん無いです。ただのエンジニアで他人。でも、殺されるとなんか寝覚めがわるいので」


『なんだその理由』


「やさしいんですよ。迷子を見つけるとあやして一緒に親を探すようなやつです」


『まるで人間だな』


「ね。俺のほうがロボット呼ばわりですよ」


「缶ビール百発百中なんですよ。ロボですよぜったい」


『仲が良さそうだな』


「ええ、まったく」


「ええ、まったく」


『息もぴったりだ。よければしばらくそこにいて、鎖の手助けをしてもらおうか』


「依頼ですか?」


『ああ。そうしよう。依頼を失敗したら、君のパパとママをとっても寝覚めのわるい方法で殺す』


「えっ具体的にどんな感じで?」


『SNSにパパとママの昔の写真を送信してバズらす』


「うわぁ絶妙にいやなやつ」


『依頼をこなすかぎり、まぁ諸々のサポートは約束しよう。どうだね?』


「あぁ、まぁ、はい」


『よし。これで決まりだ』

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