第3話チェシャ猫や三日月だけがぽっかりと

 チェシャ猫や三日月だけがぽっかりと


 秋の季語:三日月


三日月だけですと秋の季語に分類されるようです。

春三日月など、春がついて春の季語ともなります。


チェシャ猫は『不思議の国のアリス』で有名な猫。

不気味で怖くて魅力のあるキャラクターですね。

名言もあるので、印象に残っている方も多いでしょうか。


幼いころは、「こわい」と思っていキャラですが、

成長するにつれて「魅力的」に変わりました。

どうして、あれほど怖がったのだろうと思います。


三日月は、ほっそりとしていますね。

猫の爪や牙のようにも見えます。

夜空をひっかいたような光は、

頼りない心地になるかもしれません。


「もっと明るくならないかな」


「もっと光っていたらいいのに」


新月よりはマシかもしれませんが、

物足りない気持ちにもなります。


チェシャ猫と会話をしても謎が残ります。

はっきりと出ない答えにイライラしたり、

モヤモヤしたり悪くもない相手に突っかかりたくなります。


こちらを不安な気持ちにさせた挙句、

にやにや笑いを残して消えていくチェシャ猫。


三日月のような笑いを残し、その笑いさえ闇の中にとけていきます。


出会って良かったのでしょうか。

出会わない方がよかったのでしょうか。


不安な気持ちになりながらも、また会いたくなる猫です。


困った魅力ですね。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る