自由だ

 フレンドリーな人間を演じている。2ヶ月もあれば新しい場所でも馴染むことができる人間を演じている。他人は筆者をコミュニケーション能力が高いと言うが、実際のところはただパターンを追っているにすぎない。よっぽどのことがなければ人を嫌いにならない。全ての人間に興味がないから、どの人に対しても同じ距離感である。距離感は近い方である。勘違いされて、さらに距離を詰められる。怖い。適切な距離を保つことが難しい。筆者にとっては全てが同じだから、全て同じように振る舞っているつもりだった。

 誰にも縛られたくない。誰かを好きになっても、それは好きじゃない。どうして勝手に組み込まれてしまうのだろう。ただ普通に喋りたいだけなのに、どうしてそうならなければならないのだろう。

 一つのところにとどまりたくない。いつでも自由だった。自由とは孤独で、自由であれるならそんなこと大した問題じゃない。誰にも縛られたくない。私は女じゃない。ひとりでラーメンだって食べれる、映画館だって行ける、旅行にだって行ける。誰かがついてきたいならついてくればいいけれども、その人のために待ってはいられない。

 寂しいのかも知れない。だけど、自由とは、そう言うものだった。

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