第5話

それは昔、中学生の頃。この頃は明るくて社交的で結構クラスの中心に居たと思う。先輩とも仲良くていつも優しいある男の先輩が居た。彼のことは恋愛感情ではなく先輩として好きだった。

「先輩!聞いてくださいよ!神山先輩が、…」

「そうか!澪は大変だな!でもいつもお疲れ様!」

先輩とはいい上下関係ができていたと思っていた。だけど、

「澪、少し話がある。」

いつものふざけた感じではなくあまりにも真剣な目をしていたから重要なことだと思って警戒せずに着いていった。

「澪。大好きだよ。澪もそうだろ?」

あまりにも色っぽい目で見つめられて気持ち悪くなったのを覚えている。そして服を脱がされて身体中、触られた。その後はあまり覚えてない。とにかく「好きだろ?」とか「大丈夫」とかそんなことを言われたと思う。幸いそのすぐ後に茜が来て、助けてくれたから未遂で済んだ。茜は「男の子に澪が襲われてるけど自分も男で澪とよく話したことないから怖がらせるから!と言って私に教えてくれた」と言っていた。その男の子は澪には名前は教えたくないと言ったから知らなかった。



「え、日比谷君って茜に私が襲われてるって教えてくれた子?」

あの時助けてくれたの?だから茜は日比谷君がタラシなのかなと言ったら否定したのか。ずっと私に一途だったから。

「ああ、今更で悪かった。でも本当にずっと前から好きなんだ!」

私は涙が零れる。これはきっと嬉し涙だ。

「み、澪!?ごめん、好きじゃなかったか?あの先輩みたいに無理にはしないから、ただ! 」

私は無言で抱きしめる。

「澪?」

「違うよ。

私も大好き!!」

日比谷君との恋は両思いになり、その次の日クラスメイトの前で告白してきて学校公認のカップルになった。

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