情報収集3

(描写)さほど時間の経たないうちに、オルバとヴェータは三人の待つ執務室へと到着した。ヴェータは執務室の扉を何度かノックし、取手を引く。


(ヴェータ)「入るぞ」


(オルバ)(あれこいつ組織の上下関係ガン無視してんだけど? いつものコトなのか?)


(ルシア)「ああ、来たか」


(冬海)「ヴェータさん、オルバさんも! おかえりなさい!」


(オルバ)「早蕨さん、ただいまです。ルシアさんに親父も、……って何で親父が!?」


(ルシア)「それについては私から言おう」


(描写)ルシアは二人に向けて斯々然々(エナードがUGNの協力者であること、シューラ・ヴァラの調査をしていること)と告げた。


(ヴェータ)「おれたちは学校で矢神秀人のことを調べてきた。目立たない奴だったが、ここ最近で性格が変わっているようだと分かった」


(オルバ)「俺が綾瀬さんと話してたら声掛けられてなー」


(ヴェータ)「……声を掛けたと言うより、あれは嫌味に近かったぞ」


(エナード)「嫌味かぁ、何か恨みでもあったのかな?」


(ヴェータ)「オルバ。彼女について知っていることがあれば、教えて欲しい」


(オルバ)「綾瀬さんのコトか」


─ ─ ─ ─ ─ ─ ─


(冬海)「やはり春日恭二に、いえ、FHに関わったことで、彼に心境の変化があったんですかね……」


(ルシア)「そう言えば、彼女は事故の被害者だったな。冬海さん、UGNが調べた情報はあるだろうか?」


(冬海)「綾瀬さんの情報ですね、少々お待ち下さい!」


─ ─ ─ ─ ─ ─ ─


(描写)冬海が綾瀬の情報をデータベースから検索していると、ふと、ヴェータが首を傾げた。


(ヴェータ)「エドはシューラ・ヴァラを調査していたのだろう。この件で、春日恭二という男がどう動いているかは知らないのか」


(エナード)「んー、ちょっと待ってね」



ヴェータ 侵蝕率増加1D10→5

オルバ 侵蝕率増加1D10→9

エナード 侵蝕率増加1D10→ 2

ルシア 侵蝕率増加1D10→4


情報判定

・『綾瀬真花』

〈情報:噂話、UGN〉5 〈情報:UGN〉10

冬海に尋ねたルシアの技能値で判定する。

【社会】2/D10 +〈情報:UGN〉1 +〈冬海の協力〉1


オルバが綾瀬について記憶しているか、として判定する。

【社会】1/D10+〈情報:噂話〉1


・『春日恭二、ファルスハーツの動向』

〈情報:裏社会、UGN〉難易度8、10

エナードが事前に調査していたかどうか、として判定する。

【社会】8/D10 +〈情報:裏社会〉1


ルシア 2dx10+1+1>=10→11 成功


オルバ 1dx10+1>=5→13 成功


エナード 8dx10+1>=10→17 成功



(描写)オルバはヴェータの言い分に対して頷いた。編入生として自分の通っている大学に来たのだから、綾瀬さんのことを知らないのは当たり前だと。


(オルバ)「綾瀬さんは俺と同じ学科で勉強してる人だぜ。昨日の事故に巻き込まれたけど、無傷だったんだ。奇跡だよな、あんな酷い事故だったってのに」


(ヴェータ)「そうだな。確かに喜ぶべきことだ」


(オルバ)「それと、ここ(UGN)の人達が記憶処理? をしてたっけな。俺達みたいなのを知られたらパニックになるからって、早蕨さんが教えてくれた」


(ヴェータ)「こちらの情報は規則通りに秘匿されていたのか。一安心だ」


(描写)オルバとヴェータが綾瀬の事を話していると、「ありました!」と冬海が声をあげる。


(冬海)「綾瀬さんには、レネゲイドウィルス適格者の可能性があるとの記載がありました! FHは彼女を覚醒させて、確保しようとしているのかもしれません!」


(ルシア)「ふむ。シューラ・ヴァラ、否、矢神秀人か。どうやら綾瀬に強く執着しているようだな」


(描写)ウンウンと頷きながら耳を傾けていたエナードだが、そうだ、と呟いてヴェータの名を呼んだ。


(エナード)「春日恭二って人だけど、それこそ母さんみたいな、レネゲイドウィルスに適合した人を見つけたかったんじゃないかな? その後は自分の組織に引っ張り込む、って流れでね。そう考えれば、先日の事故にも納得がいく。あれは実験だったんだ」


(ルシア)「……実験、だと」


(エナード)「母さんのおかげでやっと分かったよ。あの事故は、生死の境でウィルスに覚醒するかどうかの実験だってことが。結果として、オルバと綾瀬さんが適格者候補になったことも分かった。事故に遭っても無傷だったんでしょ、二人とも」


(オルバ)「そうだけどよ、でも綾瀬さんがオーヴァードになんて──」


(描写)調査結果からエナードが導き出した推察に、ルシアは言葉を詰まらせる。

淡々と思考を整理していくエナードに、オルバは咄嗟に違うと言おうとした。続きを口にするより早く、オルバの端末が通知を知らせた。綾瀬から連絡が入ったのだ。


(オルバ)「綾瀬さんからだ」


(エナード)「なんて書いてあるの?」


(オルバ)「見せるから待ってくれ」


(描写)一同は輪になるようにして、オルバの端末を覗き込む。その画面には、『オルバくん、今って時間空いてるかな? 事故のことで話がしたくて』といった文章が映っていた。


(オルバ)「返信しても良い、よな?」


(ルシア)「ああ。お前の学校近くのファストフード店なら、落ち合うにしても自然だろう」


(オルバ)「サンキュー、ルシアさん。そう返しとくぜ」


(冬海)「私達はこっそりついて行きますか?」


(エナード)「オルバ以外はそれで良いと思うよ」


(ヴェータ)「了承の返事が来たらここを出よう」


(ルシア)「待ち伏せがあるかも分からん、早目に向かっておきたい所だな」


(描写)そんな会話をしているうちに快諾の返事が届いたため、一同はN市支部を後にするのだった。



ヴェータ→早蕨冬海にロイス「同僚 P:好奇心●/N:無関心」を取得


ルシア→春日恭二にロイス「憎きオーヴァード P:尽力/N:憎悪●」を取得



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