第3幕 告白

第9話 まさかの展開

 鞠っちの家に無事に侵入。


 そこまではいつも通りの流れだったんだけど。


 現在、私は正座させられています。


「あのー、動いていいですか」


「ダメ」


「すみません」


 謝るしかない。


 何故こんなことになったのか。


 時間はストーカーを撃退して、意気揚々と家に入った瞬間にさかのぼる。


 鞠っちが仁王立ちして廊下に立っていた。


「おかえり」


「ただいまです……って、え?」


 キョロキョロと周りを見渡してしまう。


「待ってたよ」


「まさか、ですけど。私のこと視えてます?」


「そのまさか、です」


 マジか、マジなんですか。


 嘘でしょ。


「今までそんな素振り見せなかったじゃないですか」


「うん、頑張ったからね」


 おーん。


 鞠っちに霊感があったとは……ってことは。


「いつから視えてたんですか?」


「一週間前のライブから」


「あちゃぁ」


 頭を抱えるしかない。


 私、あの日視えないのをいいことに横顔やらうなじやらガン見してましたよ。


 あの日だけじゃないんですけれども。


「取り敢えず入って。話をしましょうか」


 ニッコリ笑った鞠っちを初めて怖いと思った瞬間でした。


 そして、リビングのソファに鞠っちが座り、その斜め前に私が正座させられるという展開に至ったのです。

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