第10話

錬金術には道具がいる。その道具を屋外で即席で用意するっていうのは初めてだけど、やるしかないっ!

まず川から少し離れて、杖で地面を掘って少し大きめの穴を作る。ミシミシと杖から嫌な音が聞こえてきたけど……つ、次に周りを川辺の石でがっちりと囲む。

これで後は……


「スイって水の妖精なんだよね?」

「ええそうよ。水のことなら私にお任せってね」

「今はリリスにお任せされてるけどね」

「うるさい」


両手でつかみ合って喧嘩する二人を止める。あやうく二人とも私に飛び掛かってくるところだったけどなんとか抑えた


「この穴に水を入れて欲しいの。できるかな?」

「それくらいならできるけど……はいっ」


スイが両腕を穴に伸ばすと、空中に魔法陣が浮かんでそこから水流が現れた。

その水流は綺麗に穴に吸い込まれていく


「おぉー! 妖精ってすごいんだねー!」

「あ、あはは……照れるわね」

「ほら照れてないで次行くわよ? リリス、次はどうするの?」


頬を少し赤くして、人差し指で頬をかいているスイの隣で、ミリアが私を指さした。


「後は……これだよ」


私は腰のポーチに手を突っ込んで、小さな石を取り出した。


「……魔力を感じるわ。それ、魔石ね?」

「うん。やっぱり分かるんだ」

「そりゃあ人間と違う妖精ですもの」


妖精二人、並んで腕を組んでドヤ顔を見せてきた。ちょっとかわいいから頭を撫でたくなったけど……今は我慢我慢っ

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