第5話 執筆スタイル(楽しみながら書くには)



 さて、そんな僕の書きかた。

 長年のあいだに、いつのまにか、そんな感じになってたんですが、ここに楽しみながら書くっていうスタイルが表れてるのかなと。

 よく、誰にも見られなくてモチベが……読まれないから書くのやめるとか、書いてて面白いと思えなくなったとか、近況ノートで見かけるじゃないですか。

 これは僕のやりかたなので、このとおりマネしろとは言いませんが、もしかしたら、やる気出したい人の参考になるかも? 多少なりとも。


 さて、書きながら音楽聴いてますって人はよく見かける。人によっては歌詞が気になったり、音楽に意識が行って逆に書けないって人がいるけど、それはたぶん、左脳で書く派の人なんじゃないかなと思う。


 僕はぜんぜん平気。感覚で書く派。その作品のふんいきにあう音楽を聴いてると、ノリがいいし、世界観に一瞬で没入できる。


 つまり、脳みそを気持ちよくさせて書いてる。

 そうと気づいて、あらためて自分が書くときのスタイルを考えてみれば、意外な事実が判明した。


 五感ってあるじゃないですか。視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚。人間の感覚を司る五大要素。

 じつは、僕はこの五感のうち、じつに四つを刺激しながら書いてることに、つい最近、気がついた。


 すなわち、音楽。これ聴覚。


 そして、机の上に自分で作ったハーバリウムとか、今なら3Dプリンタで自作したウサギのチャームなんかも並べてる。昔に描いた上手かったころのキャラ絵とか。そういえば、もっと前は、そのとき書いてる作品の主役か、主役じゃないまでも一番お気に入りのキャラの自作絵を必ずそばに置いてたなぁ。今はその作品のキャラ絵はなくても書けるけど。かわりに、ワレスさんはつねに飾ってるw 大好きだ。


 つまり、視覚です。視界を美しいもの、可愛いもので埋めつくし、視覚で愛でながら書く。


 で、さらに「今日はしっかり書くぞ!」という日は必ず、好きな香水を使って書く。自分につけるわけじゃなく、ティッシュにしみこませて机の上に置いとく。作品と香りを固定するためです。自分につけると書いてないときにもその香りがして、香りのイメージにイヤなものとかもついてくるじゃないですか。それがイヤなので。美しいものは美しいものとだけ、からませていたい。美しい視覚に香りで色づけって感じですかね。


 よく嗅覚の記憶は五感のなかでもっとも強いから、その香りをかぐと、そのときの記憶が蘇るとか言いますよね。僕は作品のイメージ、またはキャラのイメージを香りで刺激してる。しかも匂いフェチなんで、書きながらかなり気持ちよくなるw

 酒好きな人が酔っぱらいながら書いてるようなものかなと。で、これが嗅覚でしょ?(そういえば、栗本薫さんはお酒飲みながら書いてたって、昔エッセイで読んだな)


 さらに、ちょっと打ち明けるのが恥ずかしいんですが、ライナスの毛布的なものがあってですね。それを抱えながら書いてるんですよ。つまり、触覚です。


 おおっ、五感のうち四つが! これ、今まで無意識にやってたー!

 自分の好きなものだけでまわりをかためといて、作品の世界にふけってるわけですね。これは気持ちいいに決まってるじゃないか!


 さらには、飴ちゃんなどなめながら書くと、五感の全部が心地よいです。飴は匂いキツイと香水の香りが負けてしまうので、ふだんは四つだけだけど、たまに飴ちゃんも使用。


 これだけ自分を甘やかして、「ほら、かーくん? 小説書くのって楽しいよねぇ?」という状況を作ってあげてるわけだから、そりゃ楽しいに決まってる。


 昔はこれだけで一日中でも、ずうーっと机にむかっていられたけど、最近は集中力が切れてきたのか、どうもそれだけでは何時間も書き続けられない。


 とくに、スマホでじかに書くスタイルになったせいだと思う。前はまずノートに書いて、そのあとパソコンで清書してたので、自分の妄想に遅れないようにシャーペン走らせるのに必死だった。


 でも今はスマホ両手打ちフリックなんで、かなり速く打てるせいか、ところどころ手が止まる。あと、前は箇条書きていどとはいえ、プロットありで書いてたけど、今は完全パンツァーに移行したせいもあるかもしれない。プロット練るあいだは手は進まないんで。


 詰まったところで、そのままスマホの画面にらんでたら、つまんないんですよ。脳が楽しくないと感じてしまう。


 で、そのあいだ何してるかと言えば、これも無意識だったんだけど、ゲームしてます。スマホアプリですね。それも長時間かかるのはよくない。一回の離脱が一、二分〜十分ていどですむようなワンゲームが短いのがふさわしい。


 というわけで、ソリティアしてます。ファーボとか。ファーボは久々にひらいたらデータがぶっとんでて、クリアしたのがほぼ全部未クリア状態に戻り、ためこんでた20000以上のポイントも数百にまで減ってたので、腹立ってアンスト。なので、今はソリティアのみ。一つのアプリで何種類ものゲームができるので、飽きてきたころに違うゲームをグルグルすると、ちょうどいい。ポイントためると壁紙など手に入るのもコレクター癖のある僕にピッタリ。たまに一日50ゲーム以上やってることがある。


 え? その時間書けよ?

 いや、これも小説のために重要なんですよ。


 数行書いて詰まるでしょ? で、ソリティアして、プチリフレッシュ。すると、不思議とまた数行は書ける。で、またソリティア。数行書いて……って感じでエンドレスなんですね。この感じで一日に5000〜15000字が打てるんですよ。もちろん、15000とかは過去作を清書してるだけだし、そういうときはソリティアの回数も少ない。


 でも、「うーん、どうしようかなぁ。このあとの展開……」と悩んでるときには、とりあえずソリティアしとけば、なんとなく進む!


 この前、テレビでやってたんですが、脳って報酬を欲しがるんだそうです。

 だから、小説書くことじたいでお金が得られれば、もうそれだけで人は頑張れる。でも、アマチュアは収入に直結しないんで、代わりに求める報酬が、人によってランキングだったり、PVだったりするんでしょうね。


 僕はランキングもPVもこだわってません。ランキング報告通知とか、うっとうしいだけなので切ってるし(カクヨム)。連載中の新作はたいてい一日2〜3ていどのPVしかつかないけど、それも平気。


 だって、自分が書いてて楽しいから。

 たぶん、ソリティアがかなりの魔法になってる。ワンゲームクリアすれば、それで達成感が得られるので、脳への報酬になってるんでしょうね。


「ほら、脳みそくん。これ書いたら、またソリティアさせてあげるよ。だから書こうねぇ〜」

「わん!」

「ほら、ポイントたまったから、新しい壁紙貰おうねぇ〜」

「わん、わん!」

「小説書くの楽しいよね〜?」

「く〜ん、く〜ん♪」


 こういう状態になってると考えられる。

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