第4話 webサイトを始めてみた



 分析力?

 分析力!


 そうです。分析力なんです。


 関係ないけど、なんで東堂薫のトリセツなのか? 涼森巳王じゃないのか?

 エブリスタでは短編アンソロジー何冊か出さしてもらってて、その名前が東堂薫なんですよね。ほんとは長編単著なら、涼森にしたいんだけど。


 さて、絶望してたかーくんは、公募ガイドでエブリスタの募集を見つけました。なんか気になる作品書いてる作家さんには生活援助金をあげるよっていうのを当時やってたみたいです。今もやってるのかどうかは謎ですが。たぶん一時的なものだったのかな?


 とにかく、それがきっかけでユーザー登録したんだけど、最初に投稿したのが、たぶん、『東堂兄弟の探偵録 出雲御子編 不自然なトカゲ』だったと思う。なんでいきなり、コレなのか? かなりマニアックなとこ攻めてたよねぇw

 たぶん、書きあげた直後だったからじゃないかな?


 なんか、サイトで投稿すれば、すぐ誰かにウハウハ読まれると思ってた。現実はPV0が何ヶ月も続く日々。

 あわてて『タイプJ』を出したけど同じ。

 すぐに飽きて放置すること一年くらい? たま〜に気がむいたときに、ちょこっとポチポチ打つ。パソコンをネットにつなげずスマホで直打ちするしかなかったので、めんどくさかった。


 で、そのあと、たぶん、『アントリオンの定理』『蛇つかい座のドール』を投稿したんですよね。裏では『幼形成熟BOXのララバイ』を書いてたころだったかも。


 このころはまだエブリさんでは作品を読んだ人の名前を見ることができて、エブリの編集者さんらしき人が読みに来られたんですよね。ドール。たぶん、特集用に新人(ユーザー登録してまもない人)の作品を定期的に読みあさってるんでしょうね。


 ちょっと期待したけど、このときはそれっきり。なしのつぶて。特集にも載らなかった。お眼鏡にかなわなかったらしい。

 その後も東堂兄弟シリーズは選評でもボロクソ言われたので。どうも文体がいけないらしいんだよね。口語と文語がまざって読みにくいって言われたんだけど、それ……ふつうに僕の口調です。ふっ……。


 で、やっぱり、ここでもダメかと、webでもあきらめかけたころ。『月光ファンタジア』のあと『犬咬み』をアップしてたら、とつぜん、特集に選ばれた!

 それに誘われて、急に読者が増えた。初フォロワーもできた。あのころはまだファンって呼ばれてたかな?


 これで気をよくしたかーくんは、「もしかしたら、もっと上まで行けるんじゃね?」と調子に乗った。

 わかりやすく妄想コンテストに手を出してみようと考えた。


 それまで、テーマにそった短編のコンテストが定期的にひらかれてるのは知ってたけど、短編は得意じゃないからとか、テーマに縛られのがイヤとか、好きなキャラの話が書きたいとか、あんまり関心がなかった。


 けど、いっちょやってみるかとなって、出してみた。落ちた……。

『雨の夜、桜の下で』ってやつです。ずっと非公開にしてたので、ちょっと公開にしてみた。


 このころの妄コンは、たしか月一でした。途中で月二になった。月一だったので、わりとのんびり一つのテーマに集中できたため、「クソッ。まだやったるわ!」と、次回、その次と挑戦。たかが短編と思ってたら、意外と落ちるんですねぇ……。


 とはいえ、挑戦何回めだったかな?

 じつは短編の練習のために書いてたので、落ちてもわりと平気だった。どうせなら、今まで自分が書いたことないジャンルとかチャレンジしていこうと思ってたので。恋愛、ラブコメ、ヒューマンドラマ、詩、青春など。


 三回めかなんかで、初恋愛小説になる『ガラスの心臓』ってのを出してみた。自分では「へえ〜、恋愛小説、意外と書けるな」と思っただけで、とくにいい出来と思ってなかったのに、なぜか、優秀作品になってた。


「……なった」


 で、このへんから欲が出る。練習ついでに入賞をめざしてみよう!

 自分の得意分野で、自分に書ける最高のものを出してみようじゃないかと。

『月の唄』ですね。妖しい美青年が出てくる恋愛がらみのオカルトミステリー。これも優秀作品に。


「クソッ。これでも優秀どまりか。もっと上に行くには、どうしたらいいんだ?」


 そう。分析力です。入賞した作品のジャンルとか、あれこれ研究し始める。このころ、妄コン入賞をめざしてる人たちに出会ったのも大きかった。あれはダメみたいですよ、こうするといいみたい、など情報をもらう。


 そして、より受賞しやすい作品を書く。そう。書いた。

 賞の傾向を調べ、対策を練って書くことを学んだわけ。


 佳作以上になると短いながらも選評をもらえるしね。

 妄コンは小説の腕をみがくには、ほんとに最適。

 この賞にチャレンジしてなければ、たぶん、一生、書籍化とは無縁だったでしょう。

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