第7話 許容の限界
私が生まれたとき
両親はとても良くしてくれた。
小学校に上がるまでは毎日幸せだった。
だけど…ある日崩れちゃった…
突然父が出て行ってしまった。
前の日までは、笑っていたのに。
最初、母は私に心配かけまいと
にこやかにしていたが。
それもすぐに崩れた。
母が壊れたんだ。
父が大好きで愛していた母はもうどうすればいいか、分からなくなっちゃったらしい。
家のことはなるべく私がやった。
家の食費とかは父の仕送りと、母の貯金でなんとかしていた。
でも、仕送りもなくなり。
母の貯金もしれている。
もともと少なかったんだから。
祖父母に頼ろうとしたけど断られた。
理由は忙しいだった。
後から知ったが、
母と祖父母は仲が悪いらしい。
そんなの幼い私が知るわけない。
毎日のご飯は学校から出てくる給食だけ。
それ以外は何も食べれないし、飲めない。
泥水を啜れと言われれば、
よろんで飲めるだろう。
常に喉がカラカラだったから。
喉が乾いたら、公園の水飲み場で
水を飲んだ。
美味しかった。
私は勉強にも力を入れた。
母を喜ばせたかったから。
でも、…何も反応なかったなぁ。
話しかけても、いつも
同じ言葉しか出なかった。
「かなでぇ…。貴方は私から、
"離れない"よね?」
地味ったれた声で、耳元で抱きしめられながらいつも同じ言葉を言われ続けた。
でも、、中学生になったあたりから。
母のことがとても嫌になった。
しつこくて、"うざい" と思うようになった。
なんで私なんだろう。
(他の誰かに言えよ。)
と思ったりしたなぁ。
人前ではなんとでもない顔をしたなぁ。
いつもニコニコして、私はとっても毎日幸せですって顔をね。
私の能力はいつだったか…。
公園の水飲み場で、喉を潤したあと。
いつも、家の近くにある神社に行ってた。
その神社は不思議な雰囲気がする場所で私にとってそこは、"大切" な場所だったなぁ。
その帰り際いつも、お祈りして帰っていた。
(私に何かお母さんを
笑顔に出来る力をください)ってね。
幸か不幸か、気がついたら私は
能力を手にしていた。
でも、お母さんを笑顔に出来なかったなぁ。
でも、もう、どうでもいい。
私がいようがいないが、お母さんにとって私は必要ない子供なんだから。
あぁ、でもすなちゃんがいるなぁ。
私が死んだら悲しんでくれるだろうか。
……する、だろうなぁ。
あの子はとても優しいから。
私が何かアクションを起こしたら、気にかけてくれるし、笑ってくれる。
その時間は好きだが、
それ以外はつまらなく感じる。
その時間だけ、時が止まったかのようになるんだぁ…。
私が彼女といるのは自分のエゴで。
その時間を共有したいからで、
それ以外はもう大丈夫。
もう…なにも入らない。
大丈夫。
明日も学校だ、行かなくちゃ。
すなちゃんが待ってるね。
結付きは契れない 月のうさぎ @Tukiusagi1234
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