第6話 外の世界に追い出され
私は学校が大好きだった。
特に図書室。
あそこはもう、時間の許す限りずっといた。
永遠にここに居られたらいいのに。
そう、もう、ずっと。
閉じこもりたい。
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家に帰るのが憂鬱で、心臓が痛い。
家って本来、気を許せる家族が居て。
なんとでもない、話とかをして。
日々を過ごす場所のはずなのに。
もうなんか、空気から可笑しい。
笑えないから、笑顔になったら死刑だから。
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図書室からの帰宅路。
地獄へ補正されたコンクリートの道を小さく歩いて行く、ちっぽけな私。
凍えるんじゃないかってほど、冷めきった両親達との関係。
家に帰って 「「ただいま。」 」 と言ったら、すぐに自分の部屋に帰還する。
リビングにいたら、どうにかなってしまう。
家族3人みんなが個人主義だから。
必要なこと以外は、基本的には話さない。
というか、話せない。
でも別に、お互いを嫌っているわけじゃなくて。
互いに、干渉しないだけ。
いつからこうなったかは分からない。
でも、気がついたときはこうなっていた。
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学業については何も言われなかった。
というか、互いに興味が無い。
通知表を見せたって「「そうですか。」」で終わるから。
私は誰かに期待するのを辞めた。
ただ、自分の為に。
自分を守るために勉強に力を入れた。
高い点数を取れば、自分を保持出来た。
誰かに勉強教えてって言われれば、もちろん教えた。
期待はしないけど。
別にその子の成績が上がろうが下がろうが知っちゃこっちゃない。
どうでもよかった。
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能力については、小学生のときには
もうあった。
小学校3年から以前の記憶については覚えてないので、小3のときには既にモヤモヤとしたのを見えていた。
最初は何か分からなかったが。
日々を過ごしていくうちになんとなく、その性質について理解した。
赤→怒っている
オレンジ→イライラしている
黄色→気分が良い
黄緑→リラックスしている
緑→何かを感じとっている
水色→開放感で自由を感じている
青→ストレスを感じている
紫→不安を感じている
ピンク→誰かに対してドキドキしている
黒→恐怖を感じとっている
白→何も感じとっていない、虚無
とりあえず、ざっとこんな感じだった。
もっと細かく出来ると思うがめんどくさい。
あまり考えたくない。
感情が見えて良いこともあるが、悪いことの方が多い。
漫画やアニメなどの設定で使われているが、そんな便利なものでは無い。
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中学校はもう大変だった。
周りの友達は、精神を病んでいてそれはもう面倒くさかった。
個性が爆発しすぎて、毎日疲れた。
小学校とは違う人間関係。
ギスギスしてしまい、壊れる友人関係。
(早く卒業したい)とずっと思っていた。
だけど高校に入ってから、私は驚いた。
それは入学式のとき、新入生代表でスピーチするある人に魅了された。
それが かえで だった。
かえでの周りのモヤの色が不思議な色をしていたから。
それは何なんだろうと知りたくなった。
そして彼女と仲良くなって日々を過ごした。
自分がかえでといるのはエゴなのかもしれない。
何も無い私に彩りを加えてくれたから。
だから私は、かえでから離れられないのかもしれない。
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