第3話 気持ちが先走る君と和む私
高校に入学してしばらくが過ぎた日々のこと
「あぁ〜!!もうすぐ中間じゃん!!やば!全然何も勉強してない!」
「…まぁいうてもまだ時間があるし、今からすればいいんじゃないの?」
「まぁそうなんだけどさぁ〜あぁ嫌だな〜マジでこの世で1番テストが嫌い!」
(めっちゃ嫌いじゃん…)
「ていうかなんかめっちゃ落ち着いてない?何?私は勉強出来ますってか!良いねぇすなちゃんは `良い子`だもんねぇ。」
「…別にそんなんじゃないよ」
中間まで時間はあるがそろそろし始めないといけないなとは感じていてはいた。
(にしても、めっちゃ焦ってるな。行動からも見えるし、表情、言葉、あとは……わかりやすいなぁ〜)
「そんなにやばいなら今日から図書館で勉強しにいこう。」
「!?マジで良いの?女神かよ!」
「…女神です。」
「ちげ〜よ。」
早速、放課後から二人は図書館で勉強をし始めた。
本の香りが立ち込める、涼しい部屋でお互いに助け合いながら開始した。
「そっちはどう?進んでっ…ておい!1問も解かれてないけど?何してたのかな。」
不吉な笑顔で笑うすな。
「すなちゃん…怖いよ?だって〜やる気出ないんだもん。つまんなぁ〜い。」
(つまんないって勉強ってもとからそうだと思うんだけど。)
「ん〜…おっ!あの二人…。」
「?どうしたの?」
「あそこにいる二人、カップルだぜ〜。受付にいる二人は姉妹だねぇ〜。」
かなではニヤニヤしながら図書室にいる人を観察していた。
「変なことに能力使わず、勉強しろよ」
そうは言ったすなだったが自身も勉強には身が入ってなかったので一緒に楽しむことにした。
「…受付の二人…ケンカ中かも。」
「!?えっなんで?凄い仲良さそうだよ?」
「表面上ではそうかもしれないけど、内心はあまり良く思ってないっぽい。」
「見えるんだ。」
「うん。お互いにね。」
勉強会から始まったアビリティゲームは以外にも楽しかった。
窓から差し込む光が二人の背中を照らし、その場をほんわかさせた。
おまけ
ーーーーーー第2話の帰り道の話ーーーーー
桜もほぼ散った道を歩いていたときのこと。
(彼女の話した内容はあまり覚えてない…。というか一瞬闇を感じたのは気のせいだろうか。)
「あっ!自販機あるよ〜!なんか買って帰ろ〜〜。どれにする?」
「私はどれでも良いんだけど。」
「ふ〜ん。じゃあこれね。はいっ!」
「あっうん。ありがと。」
彼女はペットボトルの蓋を開けると勢い良く飲み始めた。
「ぷは〜。うんっっま!」
「そんなに喉が乾いてたんだ。じゃあ私の分も飲む?」
「いや〜いいよ。1本で十分。あっ、そういえばさ。全然私のこと名前で読んでくれないよね。…」
「かなで。かなで でしょ?そのぐさ かえで。覚えてるよ。」
「いや〜ん。もう、いきなり呼ばれると照れちゃうじゃん。ぐへへへ。」
(…ぐへへへはきもいけどね。)
「じゃあ明日からさ。お互い、なるべく名前で呼び合おうよ!ちなみにこれは決定事項なので異議は聴きません!」
「そのぐらいは別に全然構わないよ。」
「よ〜し!じゃあ明日からよろしく〜。」
二人から見える青い空は笑っているような気がした。
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