玲歌のスカート

 玲歌は次の日もまた次の日も学校に来なかった。

 お見舞いには毎日行っている。あの日玲歌のお母さんから、謝られた。やはりやはり玲歌は妊娠しているわけではなく、医者には想像妊娠言われたとのこと。玲歌は医者に笑われたと怒っていた。


 玲歌どうしちゃったんだよ……まず、想像妊娠などするようなヤンデレとかじゃないし、一回もヤってないから想像すら不可能。本人もそんなバカなことあるか!って否定しているし、明日大きな病院に検査しに行くと言っていたが、大きな病気じゃないように祈ることしか出来なかった。


 次の日お見舞いに行くと玲歌が泣いていた。

「私の病気わからないんだって……でもどんどん細胞が壊れているって言われたの。怖いよ……刃ぁ……うぇぇぇん」

 玲歌は泣きじゃくった。俺は涙を堪えて抱きしめ続けた。

「お〜い……お、おはよう刃くん。」

 玲歌のお母さんだ。何故ここに?……抱きしめたまま寝てたんだ!ヤバい。

「おはようございます。すみませんなんか寝てしまって。」

「いいのよ、あなたのおかげでうちの子が笑顔で眠れているのだもの。最近あなたが来る前に昼寝している時は悔しそうだったり、すごく寂しそうだったり、何か怒ってるようだったりして、笑顔がないのだから。」

 玲歌……そんなに追い詰められているのか……

「俺学校休んで玲歌の看病します!」

「バカじゃないの!?あなたが玲歌一筋なのはわかるけど、玲歌を幸せにしたいって思うなら学校行って勉強して、稼げるようになることが確実な幸せでしょう?」

 めっちゃ怒られた。俺だって学校休むなんて言われたら止めるし叱るが、俺は玲歌のためなら火の中、水の中、草の中、森の中、土の中、雲の中、玲歌のスカートの中。


 玲歌のスカートの中……昔見たお子ちゃまパンツじゃないんだろうな……

 家に帰っても、玲歌の病気のことしか考えられない。玲歌の病気から現実逃避するために何か考えようとしても、玲歌を考えることしかできない。そんな時にふと、玲歌のスカートの中を妄想してしまった……。

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