停学エキサイト

 「玲歌行ってきまーす!」

 写真に手を合わせ勢いよく家、愛の巣を飛び出した。

 今日から1週間ダンジョンに潜り続けられる!それだけで俺の心が踊る。まだ俺の強さじゃ未知のモンスターを倒すことなど出来ず、玲歌を生き返らせるためのアイテムを手に入れることなど現状不可だ。だからこその週一の師匠との修行と毎日家でやるようにした瞑想、そしてダンジョンで狩り尽くすことを繰り返して行くしかない。


 俺はダンジョンまでいつものように走っていると、何か違う感じがした。いつもより足に力が入り、跳ね返るような感覚、視界が広く感じる、何より体が軽い。

 もしかして心が軽くなったからかな?それなら玲歌が生き返ったら俺は天に昇ってしまうぞ。


 玲歌が生き返って、二人でイチャイチャしている夫婦生活、「玲歌行ってきます。」「アナタ行ってきますのキスは?」チュッ……。

 ぐへへへへ……。よだれ出ちまうよ。多分めちゃくちゃきもい顔しながら走っている。イケメンとはいえとんでもない顔をしていたらブサイクだ。今の俺を見たらSAN値がピンチになるかも知れないくらいのきもい顔を多分している。

 玲歌、玲歌!玲歌、玲歌!頭の中で玲歌のことを考えてきもい顔をしていると、警察に呼び止められた。

「君、学生に見えるけど学校は?」

 うわぁめんどくさい。停学でエキサイトしていると正直に話したところで信じてもらえなさそうだし、嘘ついても多分バレそうだ。何故かって?ダンジョンに定期的に潜る学生はあまりいないから近隣の高校に連絡を取ればすぐにわかる。

「今日学校行けないんでダンジョン行ってきまーす!」

 嘘を付かず、正直に。でも、詳細を話さず、めんどくさいから逃げる。

 いつも玲歌に会うために家とダンジョン、学校を全速力で走ってる俺について来れるわけないだろ!


 ダンジョンについてから気付いた。ダンジョンに行く行ったからダンジョンで待ち伏せしてりゃ会う……。

 しまった……。逃げた分拘束時間が長くなりそうだし、多分めっちゃ怒られる……。

「少年、君をよく知る人から話を聞いた。逃げたことは見逃すから。早く彼女を救ってやれ。」

 なんだ?これ。よく知る人?ダンジョン組合の人かな?でもそんな親しい人なんていたっけ?




____________________


読んでくださりありがとうございます。

連続投稿中に新キャラ登場!?

次もぜひ読んでくださると嬉しいです。


誤字脱字報告感謝です。初の報告で感謝感謝またいっぱい……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る