玲歌を感じる
「玲歌を感じる?」
「お前の会いたい人間、玲歌だっけか?その存在の特徴、声や匂い、温もりを感じ取ることが第一段階だ。初めは記憶なのか存在なのかの区別がつかないが、まず普通の人間は記憶から完璧に再現は出来ない。それに、お前が知っている玲歌は一部でしかないだろう?」
「俺は玲歌と共に過ごし、死がふたりを分かつまで文字通りいたんですよ!」
「それでも全ての感情や記憶がリンクしているわけではないだろう?だからこそ、その自分の理想の相手を忘れて感じるんだ。」
理想の玲歌を忘れて玲歌を感じる?玲歌は玲歌だろう?玲歌は元々理想の人で全てが俺にとって完璧で玲歌は玲歌なんだよ。全ての玲歌を忘れるに等しいことをしないといけないのか……。こんなことしたくない……。でもやらなきゃ玲歌に会えない……。玲歌ぁ会いたいよぉ。
「忘れることへの葛藤があるんだろう。それにお前は特に重い。忘れることなど普通に考えたら不可能に近いのだ。お前は有り得ないほどの茨の道を進んでいるんだぞ。それでもやるのか?なんどもやるのか聞くのは、これを繰り返したらお前は廃人になりかねない。廃人になっても良いのか?その玲歌だったかはそれで喜ぶのか?」
「忘れることは無理かもしれません。でも諦めきれません。忘れないで感じるそんな今までの前例がないようなことを俺はやります。師匠、俺師匠に出会ったのにすぐに言うこと聞かなくてすみません。」
「お前は本当に面白い人間だな!俺もそのやり方を見てみたくなった!応援してやろう。ただ、俺はやり方を教えられない。なんせやったことある人がいないからな。茨の道どころか茨しかないが頑張れ。教えられないし、大鎌を使う修行の相手だけしてやる。大鎌の修行は週一で良いか?瞑想と大鎌を合わせての時間で計算していたから、瞑想が無くなったら、1日で全ての過程ができるんだ。」
師匠……言うこと聞かないバカな俺を見捨てるどころか応援してくれている……。俺いつか恩返ししたい。
「大鎌の修行以外の日は自主練でもしとけ。お前の相手をさせようとしてた傀儡がなかなか面白い変化して暇じゃなくなったんだwてなわけで自主練で鍛えとけ。なんかしら霊視に良さそうなスキルでも手に入れたらラッキーくらいの感覚でやってみろ。」
「結局師匠が暇じゃないってことなんですね。俺も金なくて野草食べまくったら奇人扱いされるのも毎回は勘弁なんで自主練中に稼いどきます。」
野草食いまくって学校に呼び出しくらうのはめんどくさいから稼ぎたいし、修行中は稼げないからこれはこれで助かるか。
「師匠、効率よくスキル上げるモンスターいるじゃないですか、それの金の効率良いやついません?」
「金の効率って言っても向こうの需要がわからん……。そっちで今人気な物はなんだ?」
ダンジョンばかり見ていてダンジョン関連の武器やアイテムの情報あんまり知らないんだよなぁ。回復アイテムは需要がなくなることないし、結構高値だったな。
「回復アイテムは全体的に高いです。」
「回復かぁ。このダンジョンの奥深くなら結構手に入るけどな……。あ、10階の隠し部屋に1日に一体出現するヒールスライムが回復薬を落とすな。」
10階とか……俺1階でいっぱいいっぱいだぞ……。こりゃ自主練もハードにして出来る限り早く10階に行って、師匠に教えて貰った誰も知らない隠し部屋で稼がなきゃずっと野草だ。
「ありがとうございました。今日は鍛えながら帰ります。道中ドロップしたアイテムはとにかく拾って1円でも多く稼いで……道草ばっかの時は大鎌の時なんか食わせてくださいね。」
俺は図々しくそんなことを言って帰った。
ちなみに帰り道は米粒大の魔石ばかりで1日狩っていたわけではなかったため、10円だった……。帰り道道草を食いながら帰った。
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