学校よりダンジョン
無断で帰ってから、写真の前で手を合わせる。
「玲歌~今日先生ぶん殴っちまったよ。お前なら絶対怒るよな……止めてくれよ。」
反応はない。だって死んでいるのだから。
「酷いんだぞ、お前との繋がっていられる指輪を外せとか言うんだぞ。許せるかっての。」
俺にこんなに思われて玲歌は迷惑かもしれないけど迷惑なら迷惑と言いに来い会えるなら嫌われてもいい。でも、嫌われたくない……生き返らせるけど、寂しすぎるからその前に玲歌、君を見えるようにするよ。そう決心してダンジョンに向かった。
「師匠!今日もお願いします。」
「おう!とは言え半分以上お前が霊を感じるために瞑想しているだけだがな。てか、お前寝ていないだろ?」
「バレました?昨日帰ってから学校に行って来たんで休んで無いですね。」
「学校?まあいい休んで無いのに集中なんかできるか!」
「学校というのは同じ年のくらいの人が集まって学ぶ場所で、あと俺いつも寝たとしても最高で4時間くらいなんで睡眠時間とか気にしなくていいですよ」
「それは大丈夫なのか?……ほんと寝ろよ。」
「大切な人を失ったことで眠れないんです。霊視だってその人を見たいからなんです。ほんとなら見えるだけでなくて触れて抱きしめて愛を伝えたいですけど。」
「人間のそういう文化や心はわからんがお前が重いのはわかったぞ。まあ、その意思があるなら体が悲鳴をあげてもどうにかやり遂げそうだな。死んだら傀儡にしてやるから安心して修行しろよ。」
「そんなこと言わんといてくださいよ!やり遂げて会うんですから。」
「無駄口たたく暇あるなら瞑想しとけ。」
師匠が変なこと聞くからな のに……。でも、人間の心を理解できてないのに優しくできるって不思議な人だなぁ。
玲歌……玲歌……玲歌……玲歌……玲歌……
玲歌の香り……玲歌の声……玲歌の熱……玲歌の鼓動……
玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌
今少し玲歌の香りがしたような……少し柑橘系が混ざった甘いミルクのような香り。俺が世界で一番好きな香り。
「玲歌」「玲歌!!!!!!」
「師匠!玲歌の香りがしました!」
「それが感じ取ることだ。」
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