金ないじゃん

 ダンジョンを出て帰りながらコンビニによる……?今日稼いでない……お金お金が無いいいいい。

 コンビニを通り過ぎ究極の選択を迫られる。両親に土下座し愛の巣を手放すのか、玲歌の家に行き謝られ新しい恋をするように言われるのか。玲歌の両親は俺を息子のように可愛がってくれているが、そのやさしさに甘えたくはない。俺と話す時玲歌のことを思い出すのだから。

 そこで俺は第三の選択をした。公園の野草を食べるのだ!毒が有る無し関係なく食いまくった。何故か俺は病気とか毒に強いのだ。集団食中毒にあった時も1人だけなんともなかったし、道草をリアルに食った時も後で食べていた木の実がヒョウタンボクと言う猛毒の木の実だと知った時もなんともなかった。こんな俺だ何故か毒に強い俺なら何も気にせず食える。


 手入れされている草以外食える草を食べつくした。苦く渋く酸っぱい様々な草を食べきった頃には朝日が昇りきっていた。ネクロマンサー師匠と半日修行していたら朝だもんな……

 焦って家に帰ってシャワーを浴び、写真に手を合わせて家を出る。これは遅刻確定だ。睡眠を取る暇もないが普段から眠れないからそれは良いとして疲労から走っても間に合いそうもない。急いで校門にたどり着いたのは2時間目の授業中だった。もちろん怒られると思ったが何故か心配され、昼休み職員室に来るように言われる。

 何かしたかな?と思いつつ授業を受ける。周りの視線がいつもと違う雰囲気はあったが。


 昼休みになると案の定下関に何かしたのかとからかわれつつ職員室へ向かった。職員室では教頭、生徒指導、担任が揃って待っていた。流石にこのメンツは俺がとんでもないことをしでかしたに違いない。しかし、ピンと来ない。そう思い頭を抱えていると担任が口を開いた。

 「ここに来てもらったのには理由があります。」

 そらそうよ。呼んどいて何も用事がないとかおかしい。

 「私は刃君が心配です。またトラブルを起こしたと聞きましたし」

 アレのことか……謹慎か?

 「特に朝道草を文字通りの意味で食うどころか、草食動物顔負けの勢いで食べていたという話を複数の生徒から聞いたときは話をしてきた生徒の正気を疑いましたよ。でも動画まで見せられたら事実じゃないですか、私心配です。それと刃君の奇行が最近また目立っているので教頭先生と生徒指導の安藤先生に来ていただきました。」

 うわぁ……保身の教頭に、突っかかってくる生徒指導がめっちゃ睨み付けてるよ……嫌だという態度が気に入らなかったのか安藤が怒鳴りつけてきた。

 「なんだその態度は!そもそもお前は問題ばかり起こす癖に未練たらたらだから、ほかの生徒に絡まれるんだろう。

 その左手を出してみろ!この指輪だってアクセサリー禁止の学校で何故している。結婚指輪だの言っているがお前は18になったばかりだ。それに相手は死んでいるんだ。今までは先生も可哀そうなお前に強く言うつもりはなかったんだぞ。もう許さん。

 外せ、外せその指輪を外せ!こんなものがあるから引きずるんだ。抵抗するな先生が外してやる!」

『バギッ』

 気づいたら殴っていた。仕方ない。黙っていれば態度が~未練が~指輪が~。

 「なめんなよ。俺の思いはアンタが思っているよりもずっと重いんだ。ダンジョンに生き返らせる方法を探しに行くという目的がなければ俺は後を追っているんだぞ。」

 ごめん玲歌。君と一緒に通おうって約束していた高校だけど、生き返らせることが卒業まで間に合いそうになくて。死ぬときせめて俺だけでも卒業してって言われてたのに……ごめん。

 玲歌。玲歌。玲歌。君が生き返ったら一緒に通おうよ。周りの高校生カップルに負けないくらいイチャイチャしてさ……

 一緒に通いたかったよおおお。涙が止まらない……俺、人殴って反省せず泣いてるんだぜ。会いたいよ玲歌。


 「安藤先生大丈夫ですか?私安藤先生を保健室に連れていきます。」

 「君、何をやっているんだ!こんなことをしたら学校の評判が落ちるではないか!」

 ここにいたくないな……玲歌。俺たちの愛の巣に帰ろうか……



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