ネクロマンサー師匠

「まずは、霊を感じろ。霊を感じることが出来なければこの修行自体意味がない。」

 霊を感じる……霊を感じる……玲歌……玲歌どこだ、玲歌はどこだ!俺には感じ取りたい霊がいるそれさえあればいくら時間が経とうが、俺は集中して玲歌を探す。

 

 玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌玲歌

 俺は君に会えないのか?玲歌。俺は君以外の霊を感じる必要はない。君を感じ、君を見つめ、君に触れたい。君を感じたいんだ!

 

 「おい、ボウズ今日はここまでだ。」

 唐突に話しかけられ驚いた。玲歌を感じられていないのに……

 「ボウズは気づいていないかもしれないが半日はずっと目を閉じていたぞ。それだけやっても感じられないなら才能が無いのかも知れないな。天恵の力がある人間がやるならまだしも、お前は天恵が邪魔をするんだ。諦めたほうが良い。」

 「自分でも分かってます。それこそ天恵が自分の目的を否定している様にさえ感じるほどには。でも、それでも、俺は玲歌に会いたい。会ってまた話したい、愛していると、そして必ず生き返らせると。だから諦めたくないんです!」

 「よし、それならいくらでも相手してやろう。暇つぶしにならなきゃ殺すなりする気だったが、人間、ボウズという人間に興味を持った。ただ、お前は弱すぎる。いいものを見せてやろう。」

 そう言ってネクロマンサーは空間を曲げたかと思うと大鎌を取り出した。

 「俺は大鎌を使うお前の武器を見るにボウズお前も大鎌を使うんだろう?だとしたら霊視だけでなく大鎌の修行相手にもなってやろう。」

 なんて優しいんだ師匠……

 「是非お願いします。今からでもお願いします。」

 驚いた顔をしたかと思えば呆れた顔になって諭してきた。

 「お前な、俺と大鎌の修行するとなれば集中力が少しでも切れたら死ぬぞ。俺だって力加減間違えちまうかもしれない。今すぐ大鎌の修行をするって訳じゃないんだ。お前はしっかりと休んでそれからだ。わかったら帰れ!」

 「はい!今日はありがとうございました。」

 「あ、これを持ってけ。」

 そう言って渡してきたのは親指用の指輪だ。これを使えば師匠の場所にすぐ来られるそうだ。移動能力を引き延ばす扱いの無属性アイテムだそうだ。

 俺は、アイテムを受け取り師匠が作った通路を使ってダンジョンを出た。




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