第10話 厠神の算段
利用者ポイント?
また訳の分からない言葉が出てきたぞ。
普通に考えれば、利用者の数…………あるいは満足度なんかを数値化している感じかな?
うむぅ……、何となくだけど、このポイントさえ増やすことが出来れば、いろいろと発展させられそうな気がしてきた。
オラ、なんかちょっとワクワクしてきたぞ。
少なくとも、トイレットペーパーを設置したいって考えたらポイントが足りないって言われた訳だから、逆に言えばポイントさえあればトイレットペーパーは手に入るってことだ、
じゃ、じゃあ洋式のベンキとか、仕切板とかもイケるのか?
念じてみると答えてくれるのかな?
俺はとりあえず、前世のトイレを思い出し必要あるものを想像する。
その結果、俺の予想は合っていた。
利用者ポイントさえあれば、ウォシュレットトイレまで手に入るらしい。
すげえ!
この文化レベルが中世時代くらいの世の中に、トイレ先進国日本のウォシュレットトイレを設置することも出来るようだ。
トイレの神様としては、是非そこまで発展させたい。
こんな非衛生的な環境じゃ、いつ病気が蔓延してもおかしくない。
やるぞ!
俺はこの世界にウォシュレットトイレを導入してみせる!
トイレ王に俺はなる!
…………でも、一応神の俺に誰がこんな恩恵を与えてくれるんだろう?
★★
「利用者を増やす……ですか?」
「うん。はっきりとは分からないけど、利用者を増やすことで、いろいろな恩恵が得られそうなんだよ」
「恩恵ですか?」
「そう、恩恵。俺の前世のトイレでは、自動でおしりを洗ってくれる機能なんてのもあったんだよ」
「そ、それは奴隷かなにかが、おしりを洗ってくれるということですか?」
顔を赤くして自分の想像に照れているセーラ。
うん、かわいい。
ウオシュレットトイレを理解できないセーラは、トイレの中に別な人がいるものと勘違いしているようだ。
そうだよな……、紀元前のトイレレベルからみれば数千年の時を経た機能だもんなぁ。
まぁ、すぐには理解できないよね。
「違う違う。機械……こっちで言えば魔道具ってヤツかな?その魔道具が人に代わって洗ってくれるんだ。それにさ、前に聞いたおしりを拭く紙だって欲しいし……。だから、俺は何とか利用者ポイントを稼ぎたいんだけど……」
「ポイントですか……、どうやったら増えるんでしょうね?」
「難しいよなぁ〜、いい方法ってないのかなあ………。そうだ、例えば宣伝するってのはどうだろう?いいトイレがありますよってさ」
「う〜ん、宣伝って言っても、トイレはトイレてすからねぇ……」
「そうだよねぇ、何かコレといった特色でもあればいいのになぁ……」
俺たちは、ポイントを集めるためにそんなあてもないことを考えるのだった。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ポイント制によるランクアップがあるトイレでした。
よく考えたら、トイレの話をお昼に更新するなんて明らかな戦略ミスでした(笑)
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