第18話
キッカ達討伐隊が向かっている間にリフェルは龍使いが居るという場所に向かう
森を抜け大きな遺跡の中に入る
「ここがか、広そうじゃな」
大部屋に出る
2階設計なのだろうか階段があり上に扉がある
「誰だ」
2階の扉を開けて紫色のローブをみにつけた男が現れる
「お主が黒龍を操っておるのか」
「さぁなんの事だ?」
しらばっくれる
「こちらには優秀な情報提供者がいてなベート、お前がどういう経緯で世界を滅ぼそうとするかも知っておる。魔女狩りが今も続いておるとはな」
「何故知っている」
ゴーレムを召喚し攻撃をしてくる
「ブロック」
短縮詠唱で魔法を唱えるとゴーレムが動かなくなる
「言ったじゃろ?情報提供者が居ると……黒龍を使い多くの者の命を奪い人生を狂わせた、その報いを受けろ!龍使い」
短縮された詠唱で複数の魔法を発動する
ベートはすぐさまゴーレムを作り迎撃する
魔法を巧みに扱いベートを圧倒する
流石賢者と呼ばれているだけあって魔法戦の練度が比較にならないほどに高い
「アースロック」
「ブレイク」
土魔法や杖による体術で応戦するが勝てない
「クッソが」
「この程度か?」
(巫山戯るな!)
身体能力を強化して殴り掛かる
近接戦に持ち込む
ベートは魔法だけでなく近接戦闘も得意としている
拳を振るう
リフェルは杖で受け止める
「……貴様は報いだと言ったな!先に奪った貴様らが報いと!!」
ベートが叫ぶ
リフェルはレスからベートの素性を聞いている為その怒りが本心だと理解する
地面から大量の土の刃を発生させて攻撃するが障壁で防がれる
「なぜ俺たちから全てを奪う!俺達が何をした!忌み子として生まれただけで何故俺達はここまで理不尽に苦しまねばならない!」
土魔法を使い怒りのままに襲いかかる
ベートは忌み子として生まれた
何度も虐げられ何度も死にかけ見下されかつての友達も忌み子であったが為に理不尽に殺されている
「……お主の境遇には同情しよう、生まれた子に罪はない、連鎖を止められず連鎖を良しとした我々大人の罪だ……だがだからといってその罪は許されない!子供が道を違えたならばそれ相応の罰を与え正すが大人の役目じゃ」
リフェルはベートを押し返す
戦いが拮抗する
戦闘経験豊富なリフェルに対して若いたった1人の魔法使いが渡り合っている
杖に魔力を通し魔力の刃を先端に付けて槍のように振るう
ベートはこの作戦に命をかけている
かつての友の為、復讐の為、己の為に戦う
世界を滅ぼせるならこの命が潰えても構わないとも思っている
忌み子として生まれ若くして理不尽を不条理を叩きつけられこの世界を変えようとした男は怒りと憎悪と復讐で道をとうに違えている
戦うのは賢者としてこの世界のために戦い続け世界の守護を請け負う人物
かけがえの無い出会いと悲しき別れを体験し狭く暗い世界で生きてきたベートと長寿種族であり多くの出会いと別れを体験し多くを知るリフェル
真逆とも呼べる2人が激突する
杖同士がぶつかり合う
もうこれは魔法使いの戦い方ではないがそんなことは気にしてはいられない
「お前は俺の前に立ち塞がると思ってたよ賢者リフェル、仲間を見殺しにして世界のために戦うか賢者よ!」
「妾がここに立つのは世界のためでも賢者としてでは無い!妾の同胞を
リフェルが自ら近接に持ち込む
杖に纏わせた魔力の刃が激突する
レウリスの騎士団達とは顔馴染みだ
そして……オーリーというかつて肩を並べた友を失った
その怒りで今ベートの前に立つ
命をかけているのはベートだけでは無い
「絶対に負けねぇ!目的を達成する為に!」
「妾も負ける気なぞない!」
同系列の魔法を複数同時に放つ
ゴーレムを盾にしてベートは魔力の刃を突き立てる
何度も突きを繰り出す
結界魔法で防ぎ距離を取る
生粋の魔法使いであるリフェルは近接戦闘は分が悪くそれを知っているベートは魔法を放ちながらすぐに距離を詰める
分が悪いことを知っていながら同じ土俵で戦う
己の意志を懸けた戦いだ
「どうした!この程度か賢者!」
「いや妾の勝ちじゃよ」
魔力の刃を解除し油断したところに仕込んでいた剣を突き立てる
「ぐはっ……まだだ」
血を吐きよろめくがベートはまだ諦めていない
ゴーレムを出しながら杖を振るうも遅く弾かれ再び切られる
倒れた後息はしているが動く様子はない
「ようやく終わったかのぉ」
リフェルは一息つく
「……これもダメか」
「悪足掻きをしたのか」
何をしたのかリフェルには分かっていなかった
「……黒龍を使っても果たせないか。やっぱり俺は……駄目だ……シエル……ローガン……済まない……」
ベートは息絶える
「黒龍が終われば隠居するつもりだったのじゃがなぁ、問題は山積みじゃな……老人は労り給えよ頑張りたまえよ」
疲れたリフェルはベートの死体を埋めた後座り込む
「若者君たちに我々の未来はかかっている……勝つのじゃよ」
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