第8話 初バディ
「行くぞ!」
「かかって来いやァ!」
唐突に扉が開く音が聞こえた。
「止まりなさい」
「ミライさん?!どうしゴフゥ!!!」
レイだけは止まらず、ライガーの腹にドロップキックをかました様だ。
「っしゃー!一本取ったぜ!」
「お前ッッッ!卑怯だぞ!」
「ハァー?!先輩だって開幕みぞおち殴っただろーがよ〜!」
「二人が仲良く出来そうで良かった。とりあえず今の一本は帳消し」
「えー!何でー!?」
「...ミライさん、急にどうしたんですか?」
「うん、その話なんだけどね、東京に珍しい奈落がいるみたいなの」
「珍しい?交わってないって事ですか?」
「その通り」
レイが会話に割って入る。
「俺にも教えてよー」
「うん、レイ君にも覚えておいて欲しい。レイ君やライガー君の場合はね、人の魂と奈落の魂が交わって生まれた存在なの。でも稀に、肉体を完全に支配出来る奈落もいるんだ」
「乗っ取られた本人はどうなってんスか?」
「死んでるね」
「ふーん、でも死体乗っ取った方が奈落的には簡単で効率良いんじゃないんスか?何で俺みたいに生かしておくんだ?」
「そんな簡単な事じゃない。ただ無許可に死体に乗っ取る事は大抵の奈落には出来る芸当じゃないんだ」
「ライガー君の言う通り。死体を完全に乗っ取るには契約が必要なの」
「どんな?」
「己の血肉をあなたへ捧げますって言う儀式。その儀式で自分が命を捧げるほど崇拝している奈落を呼び出し、全てを捧げるの」
「それで死んじまうって訳か」
「そう。本題に入るね、レイ君とライガー君には正式にバディになってもらう事に決定しました。これより東京へ向かい調査をお願いします。仲間に出来る子だったら最高だね」
「はぁ...よりによってコイツとバディですか」
「よろしくな〜先輩、東京まで飛ぶのか〜都会らしいからワクワクすんな!」
「はぁ...」
「少し長旅だけど頑張って来てね、それじゃあ行ってらっしゃい」
「ヒャッホー!ワオ〜ン!」
「コラ!大人しくしてろ!」
レイ達は東京へ向かう。
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