第4話
「ところでソーマは何の為に冒険してるんだ?」
そう、このゲームで一番大事な事である。
この世界には魔王が居て、その魔王を倒す為に勇者パーティーは冒険をするのである。(俺もさっきまで忘れていた)
確か冒険の序盤は魔王の居場所を突き止める為、魔王の配下を探すというシナリオだったはずである。(俺もさっきまで忘れていた)
「俺は魔王を倒す為に冒険をしてるんだ。」
「ソーマはデカい目標があるんだな。俺はただ楽しそうって理由で冒険しようとしてたから尊敬するぜ」
お前冒険舐めてると死ぬぞ?(ゲームでは何回か全滅したけど)
「よし、決めた。俺も魔王を倒す為に冒険するぜ」
スーパーで買うおやつを決めた、みたいな意気込みでシモンは魔王大事に協力してくれる事になった。
「これからも頑張っていこうね」
「おう。絶対魔王を倒そうぜ」
「ところで魔王を倒すっていっても肝心の魔王はどこにいるんだ?」
「一旦サラペッタの街に戻って情報を集めてみようか」
「そうだな、街の酒場とかで聞き込みしてみるか」
俺達は一度街に戻った。
サラペッタの酒場に入り魔王についての情報を集めた。
やはりゲームのシナリオ通り、魔王の配下をレーブルの街で見かけたという情報を得られた。
「じゃあとりあえずレーベルの街に行ってみようぜ」
「他に情報も無さそうだしそうしようか」
俺達はレーベルの街に向かう事にした。
正直俺はレーベルの街に向かうのが楽しみである。もちろん魔王の配下の事などはどうでもいい。
この街では新しい仲間と出会う事が出来る。その仲間は美人で巨乳なのである。
ゲームではマニュアル通りの回答しか無かったが、この世界ではちゃんと会話が出来るので楽しみなのだ。
ただ問題なのはシモンが可愛くて巨乳好きだと判明してしまった事である。僕と好きなタイプが同じである以上、邪魔でしか無い。
コイツ抜きで冒険を進められないだろうか?
いや、落ち着け。シモンはなんだかんだと活躍するキャラである。コイツがいないとおそらく魔王は倒せない。
俺は邪な考えを振り払って街へと歩みを進めた。
道中魔物を倒しながらレベルを上げ、俺達はレーベルの街にたどり着いた。
この街は小さいがのどかな雰囲気なので俺は気に入っていた。
「まずは魔王の配下に関する情報を集めようか」
「おう、じゃあ分かれて聞き込みしようぜ」
俺達は魔王の配下に関する情報収集を開始した。
もちろん俺が真っ先に向かうのは高台である。高台に情報を持っている少女がいるのだ。
やっぱりいた。
俺は緑の髪をした女の子に話しかけた。
「すいません、お聞きしたい事があるのですが」
「はい、なんでしょう?」
「このあたりで魔王の配下を見かけたとお聞きしたのですが何かご存知ですか?」
「魔王の配下は少し前にこの街の近くに現れたわ、街の外にいた冒険者が戦って怪我をしたみたい。東の方に向かったらしいからおそらくボルク村に向かったんじゃないかしら」
「情報を頂きありがとうございます」
俺は女性にお礼を言ってその場を離れた。
さて、情報は得られたのでシモンと合流しよう。あいつは酒場のあたりで聞き込みをしていたはずだ。
酒場前にシモンがいた。
「何か情報は得られたか?」
「魔王の配下はボルク村の方に向かったらしいよ」
「そうだったのか、じゃあ早速ボルクの村に向かおうぜ、この街にはもう用事もないしな」
俺達は街の門に向かって歩き始めた。
「ちょっと待って」
後ろから女性に声をかけられた。
俺達は振り向く。
後ろには茶髪で美人の女の子が立っていた。おまけに巨乳である。
「魔王の配下に関する情報を集めてるのって貴方達?」
「そうだよ、俺達は魔王の配下を探してるんだ。」
俺は答えた。
「何で探してるの?」
「俺達は魔王討伐の為に旅をしてて、配下なら情報を持ってるかもしれないからね。もちろん配下も倒すつもりだけど。」
「私も魔王の配下を探してるのよ。目的は同じみたいだから一緒に行かない?」
「いいけど、君はどうして探しているの?」
「私の弟も冒険者なんだけど魔王の配下に襲われて今も寝たきりなのよ。ムカつくから私が倒してやろうと思って」
中々やんちゃな性格である。
「そうだったんだね、じゃあ一緒に冒険しようか」
「よろしくね、私の名前はナーヤ、魔法使いよ」
「俺はソーマだよ、この赤い髪の男はシモンだよ」
「シモンだ、よろしくな」
ナーヤが仲間になった。
俺達はレーベルの街を出て、ボルク村へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます