第5話 9月17日の音

物音がする。

ピチョンピチョンと音がする。


それに気がついたのは眠る直前だった。

そのため明かりはすでに消しており、真っ暗な部屋のなかに微かな音が聞こえている。


雨が降ってきたのだろうか?そう思い眠ろうとした。

しかし、1度気にしてしまうとなかなか眠れない。


しかたがなく、布団を抜け出し外の様子を確認してみた。

すると雨は降っていなかった。それどころか、きれいな星空が見えていた。


不思議に思いつつも、再び横になるとやはり音が聞こえる。


ピチョンピチョンと。


外からでないのならこの音は家中から聞こえるのか?と思い、家中の水場を見て回った。


キッチン、お風呂場、洗面台、トイレ。

ただ見るだけでなく、すべての蛇口を念をいれて強く締めて回った。


これで大丈夫だろう。そう思って布団に入った。


しかし、それはいまだに聞こえていた。

しかも、はじめよりも確かに大きくはっきりとした音として。


そこで私は気がついてしまった。

音はベットの下から聞こえてくるのだと。


体は強張り嫌な汗が背中を流れる。

恐怖に飲まれそうになりながらも、私はベットの下を見たい誘惑にかられた。


側に置いてあったスマホを手に取ると、ライト代わりにして息を殺してゆっくりとベットの下を覗き込んだ。


そして私はそれと目があってしまった。

赤い滴りを広げながら横たわるそれと……









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