第4話 9月16日の音

物音がする。

ガタガタと窓を揺らす音がする。


それに気がついたのは眠る直前だった。


そのため、既に部屋の電気は消しており、真っ暗な部屋の中に、ガタガタと窓を揺らす音だけが響いている。


風で揺れているのだと思い込み、やり過ごそうとした。だが、1度気になれば頭から離れず、布団から抜け出して窓という窓を見て回った。


それなのに、どの窓も揺れてはいなかった。それどころか、外に出てみると風1つ吹いてはなかった。


気のせいだと思い再び横になった。

すると、ガタガタと確かに音が聞こえた。


しかも、さっきよりも大きく聞こえている気がする。


再び家中の窓を見て回ったが、やはりどれも揺れていない。当然、風も吹いていない。


理解できない状況に、体は強張り嫌な汗が背中を流れている。


恐怖のあまり頭から布団を被り、やり過ごしたい葛藤にかられた。


その時だった、一際大きくガタガタと音がした。


それでわかった。


音は窓から聞こえるのではないということを。


その音は、部屋のクローゼットから聞こえていた。


私の目の前で、ガタガタと音を立てるクローゼットは、ゆっくりと開いていった。


そして、そこにいたモノと目があってしまったのだ。





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