第138話 戦力倍増、諜報班!
クソ教祖が宇宙へ旅立って1ヶ月が経過しました。
世間は破防法適用という某毒ガス事件を起こした宗教団体にも適用しなかった法律を持ち出してきたり、寝かせただけ&公務執行妨害中の犯罪者相手だとはいえ常人相手に害意を持って魔法を使用した問題をぶち上げてきたり、エラさんに搭載されている各種兵器が実物として存在する以上銃刀法を適用して火気の保有を制限するべきなのでは等の無茶な言い分をぶちまけてみたりと大騒ぎの日々が続いています。
流石に、前回みたいに魔物(ということになってるもの)だけ倒してなぜか残ってる残骸を処理したら後は政治の話なので丸投げー……みたいには行かなかったようですね。
あ、ちなみにクソ教祖は現在地球から15億キロの彼方、土星の公転周期の辺りに居るっぽいです。不死の概念で宇宙空間に対する耐性でも身につけたのか、何故か死んでないのでこのまま『完全なる自由』の維持は続けてみたいと思います。
いや、ほら、実はもう1体取り込んでいたとか急に設定生やして地球に舞い戻ってきたりしたら嫌じゃないですか。せっかくなので外宇宙放逐までの3ヶ月ぐらい?は維持していたいですね。発動時なら兎も角維持にはそこまで魔力を取られない呪いでもありますし。
……私の魔法、そんなんばっかりですね?
「サっちゃんせーんぱい!もっとおーざっぱにですねー、分子構造とか時間逆行によるバタフライな影響とか考えなくて良いんで、えーっと、観光地の望遠鏡!アレを覗いたら過去が見えるーぐらいの気分でちーさな窓を作ってーって、駄目ですって!それじゃ過去から物を持ってくる魔法ですよ!ぶっちゃけ死ぬほど凄いですけど色々洒落にならなそうなので一旦中止!中止しましょう!」
「むー、転移魔法は簡単だったのにこっちは難しいね。やっぱり、どんな魔法でも使えるっていっても複合根源系の魔法は再現に手を焼くよー」
で、私が現在何をしているかと言うと……。
「かなちゃーん、そろそろあたしの名前思い出し……覚えてくれましたかー?」
「……ぁ……ぅー、みぃ……?」
復活した初代魔法少女とか政治的に色々面倒になりすぎるので匿ってしまえと、彼女を押し付けられた諜報チームの部屋で熊本銘菓、陣太鼓をもっきゅもっきゅしております。
これ、美味しいんですけどどうしても上手く食べられなくて手が汚れちゃうんですよねぇ……。
まあ、アレですよ。
結局、初代魔法少女が人間として完全復活なんて政治的にも科学的にもとても表に出せない……んですけど、流石にその魔法少女の扱える魔法なら何でも使えるという特性は遊ばせておくには勿体なさ過ぎる!という板挟みの結果、初代魔法少女であるセイクリッド・スター清嶺沙璃耶さんは国家機密さん2号として諜報チームに配属される事になりました。
ここなら、国家機密のセピア・フィルムさんも高頻度で
で、藤由かなたさんの方は調べた結果、どうにも両親が交通事故で亡くなったタイミングで、たまたま付近に住んでいた信者が連絡をして拉致という形で教団へと拐ってきていたらしく、帰るところがないということで比良坂さんちのみっちゃんこと
特定事情で引退した魔法少女の支援を行っていた部署へは現在進行系で厳しい監査が入っているそうです。まあ、そりゃ両親が死んで連絡が取れなくなったとは言え拉致されて数ヶ月以上それが判明しなかったとか杜撰にもほどがありますからね。
ザマさんブチ切れ案件でしたね。せっかくなので、魔生対(地方支部含む)に直接登庁しない登録魔法少女全員の安否確認もやるって言ってました。
あ、事故も信者の住所も全部本当に偶然のものでしたので、調査した
良かった……とは口が避けても言えませんが、流石にこれも教団が原因とかだったら色々収拾がつかなくなっていた所でしたね。
とは言え、結局本人の自我が回復したわけでもないのでどうしたもんか……と思っていたんですが、シアちゃんがクソ教祖がやってたように純魔結晶で増幅した
なんだかんだ1ヶ月で呼び掛けに対して何かしらの反応は示す段階までは回復?している様子が見られるので、今後も治療を続ければいずれは普通に会話できるようになるんじゃないかという希望は持てますよね。
流石に、魔法少女として現役復帰する所までは期待しちゃいけないと思いますし。
「で、7さん今日は何しに来たのサー?」
と、ぼけーっと周囲を観察してた私は国家機密さんの問いかけで当初の目的を思い出しました。
「あ、いえ、教団の調査がほぼほぼ片付いたって聞いたので、結局あの教祖何がやりたかったのかなーって聞きに来たんですよ」
教団の目的は理解ってますよ?魔物キラーたる魔力保有者を駆逐して魔物に世界の主導権を明け渡す的なそういうカルト思考でしょう?
でも、教祖のあのかなり生存能力に偏った能力の構成を考えると教祖の大山田的にはその後に何かしたい事があったような印象を受けるんですよね。
「あー、あれねー。なんか、最終的にはー?魔物に自分は襲われないことを利用して人類側の女王的なポジションになりたかったみたーい。本来は『魔女』の概念で埋まってたトコは『不老』の概念で埋めるつもりだったらしくって、7さん達が幹部でもホイホイ気軽に倒しちゃうから戦闘用の概念を取り入れなきゃならなくなって不老が遠ざかったー的な事言ってたし?」
いや、起きてるときはそりゃ
「最高に美しい自分が人間を統べる存在になるんだから人間は幸せだよねーとかほざいてたし、基本頭おかしかったんだと思う」
……えー?アレで美しい自分とか酔っちゃうんですか?確かに、世間一般で言う美人の範疇ではあると思いますよ?でもですね?
最高に美しいとかって表現は、せめて理珠さんの顔面レベルを超えてから言ってほしと思うんですよ。大山田、お前理珠さんを100点としたら40点ぐらいの顔ですからね?自信過剰にも程がありますよ?
……いや、ちょっと理珠さんの顔面強度レベルの評価が過剰な気がしないでもないですが好きな人は補正がかかって見えるものだと思うのでしょうがないのです。
「よし!みなみんのお仕事終わりまでもーちょっと時間有るからもう一回試すね!セピアちゃん見ててね?」
「お、今度はなかなかいい感じじゃないですかー?そうそう、そんな感じに空間自体が過去を思い出す感じの方向性で魔力を注いでーそう!再現は空間自体がやってくれるんでわたし達は何もやらなくてよくってですね?よし、いいですよー、じゃあ、再現された本のコピーを魔力で作って、こちらに……っよし!成功でーす。お疲れ様でしたー」
お、セイクリッド・スターさんもとうとう追憶と再演の魔法を成功させたようですね。
気せずして国家機密魔法少女第二号となってしまった彼女ですが、どうやら
から魔生対への通勤は転移の魔法で行っているらしいです。
「やった、初成功だよ!やっぱり自分が欲しいって思ってるものだとモチベーションが違うよね!みなみんの卒業文集、本人が変なこと書いたって言ってたから一度読んでみたかったんだよね!」
……いや、黒歴史の発掘に意欲的なところは見習わんといてくださいよ……。
☆★☆★☆★☆
その後回その1
世間に出せない厄モノになったなら世間に出さなければいいじゃないの方針。
魔生対としても転移&調査の手札が増えて嬉しいですし、咫村崎センパイとしても清嶺さんが再度危険な戦場へ立つ必要が無くなって嬉しいですし、誰も損しない扱いですね?
え?また敵の情報が丸裸になる?そう……(無関心……ではなくシナリオ作成で苦悶
藤由さんの方は、結局魔法行使は奇跡でしか無く、自我が戻る希望はありつつ……な状態です。
いつの日か……ですね。
次回更新予定は8月1日21時予定で、
その後の雛わんこ観察日記の予定です。
次の更新が楽しみだと思われた方は、良いねコメント★拡散等で応援していただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。
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