第132話 魔女VS魔女+魔法少女
──第一幕・
とりあえず、第一幕を即キャンセルして次へ。
いや、この呪いはアレですよ、特定の感覚だけを強化する元ネタ由来の、その……。
言わせんな恥ずかしい!
夜のお供ですよ!今回の使用目的とは合致しないので飛ばして次です!
あと、なんか外で初雪さんが凄いドンパチやってる音が聞こえるんですがはっちゃけ過ぎじゃないですか?いや、無事ならそれでいいんですけど。
──第二幕・
では、呪いの本領発揮と行きましょう。
私の背後に黒い穴が開き、そこから深紅の霧が溢れ出します。
コレこそが今回の籠絡蠱毒の敵対存在への本領。
効果は単純。痛覚を増幅し、死よりも辛い激痛を与えるための呪い。
流石に、元ネタ由来の3000倍には全然届いて無くて精々数十~百倍前後の感覚強化ですが、それでも弱めに掛けた上でデコピン一発で悶絶して気絶するぐらいの痛みは与えられます。
今回の全力付与を受ければ足の裏を傷つけられた痛みでショック死なんて事も狙えるんじゃないでしょうか。
黒穴から溢れ出した紅霧は
よし、やはり精神系の呪いは次元の位相をズラしたぐらいでは回避できないみたいですね。
「ふっ、如何な呪いとてそもそも私に痛撃を与えられなければ意味がないってわからない?足掻くなら好きなだけ足掻くが良いわ」
まあ、はい。
なんだかんだ思考が筒抜けなのは問題なんですよね。
攻撃タイミングも位置も全部バレてしまうので、その瞬間だけ透過で回避すれば良いわけですし。
まあ、大丈夫です。そのあたりはこの呪いの最終章がなんとかしてくれるはずです。
──終幕・
今度は、黒穴より白い霧が生み出されます。
あ、ちなみに第一幕の性感強化だとどピンクの霧が発生します。
へんたい強力な効果なので、用法用量には最新の注意を払いましょう。
で、終幕のこの白い霧は五感の強化を司ります。
相手の五感を強化して何の意味があるんだって話がありますが、それは強化の度合いが数倍とかのケースです。
突然、感覚が受容する情報量が100倍になったらどうなると思います?
「何なの!?見えすぎる!聴こえすぎる!そんなに情報を押し付けないで!」
まあ、あんなふうになるわけですねー。
聴覚と視覚の影響が特に大きいんですよ、アレ。
想像してみてください、心音はおろか、体内で流動している液体の音や筋肉の軋む音。自分が発する音だけでなく周囲の人間全員分のそれが突如爆音で鳴り響くんです。
視力だって、急に100倍になれば焦点の合わせ方すらわからなくなって平衡感覚すら狂い始めるはずです。
そんな状態で私の思考の情報だけを追いかけられると思います?
少なくとも、先程までと比較して相当難易度が上がってるんじゃないでしょうか?
とりあえず、混乱して透過も使えてないみたいですし一撃入れてみましょうか。
一撃の威力重視となれば、……アレですかね?
ミラさんの根源から力を借りて、
もともと当たれば必殺級の魔法なんですが、せっかくの奇襲チャンスなので最大火力にしてぶち込みましょう。
「
はい、傀儡の根源の力を借りて射出後にも自在に動かせるようになった
しかも魔力とともに血液も啜って枝を伸ばす火力強化も両立しています。
……ちょっと呪いが特攻すぎて足の裏狙いーとかする必要ありませんでしたね?
まあ、楽に片付くのは良いことです。
では、射出ー!
『外せ!』
射出しようとした瞬間、抗いがたい指示を受けてあらぬ方向に
……なるほど?強制の概念で私に命令を刷り込んできた感じですかね。
来ると身構えていれば抵抗できそうですが、意識してないタイミングで使われると厄介そうです。
この状況でなお私の行動を認識できている点といい、ちょっとこの
取り込んだ概念もまだ2つほど謎ですし、藤由さんと分断して魔力の補給ができなくしてからじっくりと相手をする方針に切り替えた方が良い可能性もありますね。
とりあえず、思考が読まれてても効果があるデバフは有るだけ全部飛ばしておきますか。
「
理珠さんの根源から力を借りて、敵の視界にだけ存在する影の木立を作成します。
まあ、思考が読まれてる以上、位置やら攻撃の狙いやらはバレてしまうと思いますがこの魔法、何より鬱陶しくて精神的ストレスがヤバいらしいので。
「無駄だわ!今、私は視覚からの情報をカットして音と貴様の思考だけで状況を把握しているのだから!」
あ、五感の過剰強化をそういう手で対処してきましたか。
私の思考だけ拾っている感じですかね?カクテルパーティー効果?
いやしかし、慣れない聴覚依存での活動なんてそうそう上手くいくはず無いので深く考えなくても大丈夫でしょう。
そんな私の見通しを嘲笑う様に先程より素早い動きで駆け込んでくる
まあ、その進行経路にはこっそり撒いておいたマキビシが……無いんですけどね?
目をつぶり、私の思考と周囲の音を頼りに行動していた
ちょっとでも良いから見て確認しないからそうなるんですよ?
飛び退いて空中に浮いてしまえば着地までは私の思考が読めたところで何のリアクションも出来ません。ここで決めてしまいましょう。
「
着地点に現れたのは高周波振動する刀を構えた7人の亡霊侍。
とはいえ、ミラさんみたいに高度な剣術なんて扱わせられないので入力してある基本行動を7人一糸乱れずで振るうだけだったりします。
つまり、
いや、相打ち上等の捨て身の斬撃を死なない亡霊が放つってこの組み合わせがほんと強くてですね。
しかも、こいつらそういうプログラムに従って動いてるに過ぎないので、強制の概念で私に命令を出しても停止指示より先に斬撃がキマるだけです。
ちなみに、空中で全身透過状態になっていて着地の瞬間だけ足の裏を実体化させるケースも警戒して斬撃は時間差で行われるようになっています。
さて、この攻撃に対して解答があるのかどうか。
実体化した
……いや、待ってください。あんな所に
一体何が……?
とりあえず、回避した所で七人侍が再度斬りかかって行きます。
しかし、なんかいやーな予感がするんですよねぇ。
強敵なのは認めますし、明かされてない手札が2つあるのもわかりますが、ソレは辞めて欲しいってヤツな予感が……。
駆け寄る亡霊侍達に対して
「
……やっぱり、さっきの
つまり、その魔法が使えるってことは……。
「そう、魔女の概念を吸収して貴様の魔法を使わせてもらっているわ。とても便利ねぇ、ありがたいわぁ」
くっそ煽ってきやがるのがまたイラっと来ますね。
なんとかこのクソ教祖にいいヤツを一撃入れたいところなんですが……。
思考を読まれるってほんと戦いづらいです。
やはり、藤由さんから引き離して長期戦やるしかないですかね?
なーんて思っていた時、彼女は現れました。
「今度こそ、こっこだぁー!」
テンションの高い明るい声を響かせながら初代魔法少女の残り火が二刀を振るい、
回避する暇も無く、その攻撃はヤツの足裏へ到達し……。
「あっぎぃぃぃぃぃあああああああ!」
クソ教祖から、狂ったような悲鳴を引き出しました。
☆★☆★☆★☆
痛覚強化と感覚強化。
度合いが過ぎればデバフにしかなりません。
色欲の呪いはデバフ特化でダメージを与える効果が無い故に、逆に必中属性もってるという感じです。
で、セイクリッド・スターさん参戦で局面は2対1に。
良い攻撃も入りましたし、勝ったなガハハ!
飯食って風呂入ってくる。
次回
更新予定は7月14日21時予定です。
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