第124話 奇襲急襲不意打ち強襲
──規定魔力量への充填完了 アカシックレコードへの事象刻印成功 スティンガー射出処理終了しました──
「いっよーし!
最近魔力災害も発生してませんし、強敵は私達4人が倒してたせいでぶっ放せる機会が減っていた真割さんがハイテンションに宣言しました。
とは言え、警察が突入するまでは私達も動けないのでもーちょっとだけ待機する必要があるんですよね。
地上を覗き込めば、丁度警察の代表の方が廃ホテルの入口へと向かっている所でした。
一人で向かっている所に、直前まで私達の存在に気づかせない様にという配慮を感じますね。そもそも、カルト集団の集会場に一人で向かう時点でかなりの恐怖を感じていると思うのですが……。
警察の方、特に現場に出る人や機動隊の皆さんはアメリカとかの魔物の初期誘導を警察が担ってる国と違って避難誘導しかできないって事を歯がゆく思ってるらしいですし、もしかしたら今回は力になれると乗り気なのかもしれませんね。
『宗教法人、星の
えー、本来なら出てきた人間に対して礼状を見せながらお話すれば良いだけの所をわざわざメガホン大音量で宣言してるのは私達に聞こえるようにですね。
つくづく心遣いがありがたいです。
……まあ、億が一にもありえませんが投降する姿勢を見せちゃうと私達の攻撃に正当性がなくなるのでもうちょっとだけ待機ですね。
あ、そう言えば「君たちは完全に包囲されている」ってあの文言。あれ言うと、逃げられないと考えた犯人たちが自棄を起こして何するかわからないからって実際には使わないらしいですね。
おっと、真割さん鼻息荒いですよ。まだです、ステイです!
果たして、教団側の解答や如何に?
あー、信者達が集合していた2階からゴミやらペットボトルやらをめちゃめちゃ投げつけられています。
この時点で信者はともかく、4階のイベントホールに集まっている
じゃあ、迅速に首刈り戦術と参りましょうか!
『突入ー!』
警察の方の号令と同時に、廃ホテル側からの死角に隠れていた警察官・機動隊の方々が一斉に飛び出して突撃します。
同時に2階に白い霧が立ち込めてゴミの投擲が途絶えました。
依霞さん、しっかり集団睡眠の魔法を作り上げてきたみたいですね。
「さーあ、どブッ放しますわよ!
そして、気持ちよさそうに叫んですっ飛んでいく真割さん。
正直、私も影から潜航して教祖がぶち抜かれる所を観察したい気持ちもあるんですが……。
地上から無音でごんぶと終末ビームが放射されて廃ホテルの一角に大穴を空けました。
うん、あのビームが発射完了するまでは巻き込まれる可能性がありましたからね、安全のために接近できなかったのです。
それにしても、通常の終末魔法には一切のエフェクトが無いのに波ァー!の時だけビームが出るのなんなんでしょうね。いや、魔法自体がイメージの具現化なので元ネタを考えるにビームが出るのは当たり前なんですが。
さて、それではフィーバータイムですね。
私も
「
強化形態へ移行するための宣言と共に耳のピアスを弾く白さん。
「ドロウ・ザ・ジョーカー!」
そう思っていると、白さんはバニースーツの胸元に指を突っ込んで1枚のカードを抜き出します。
人差し指と中指の間に挟んだジョーカー、それを自らの影へと投げ込み…?
カードが沈むように消えていった自分の影に向けて舞台上のマジシャンのようにポーズをキメながら手を突き出します。
すると、影の中から白い手が伸びてきて白さんの手を掴みました。
「スペード!」
スートを叫びながらその手を引き上げると、そこには黒いバニースーツを纏った白さんの姿が。って、本人そのままで分身する系です!?
「クラブ!」「ハート!」「ダイヤ!」
そのままテンポよく、青、赤、緑のバニーさんが白さんの影から引き上げられて……。
「これより高い手はなくってよ?」
最後に、5人でポーズをキメて強化形態への移行完了……と。
いや、まさか自分を増やす強化とかちょっと想像してませんでした。
これ、強化中であれば単純火力が5倍って事ですもんね。
瞬間火力の欲しい今にピッタリの強化なのではないでしょうか?
よし、良いものも見られましたし、そろそろ移動しましょう。
☆★☆
今、この奇襲を受けている状況でホールの片隅の影に気を配る余裕は無いと予測を立てて、安全より奇襲の効果上昇に重点を置いてそのまま3人で飛び出します。
状況としては、恐らく跡形もなく終末したであろう
あとは、客席側で顔を歪めて怒りを顕にしている教祖の大山田……と。
ふむ、何らかの要因で真割さん……いや、
誤認の原因は恐らく、資料で見た概念の……偽装辺りでしょうか?
「確度が低く役に立たぬ
あー、そうか、超能力者ですもんね、そういうのもありますかぁ。
まあ、大山田がそうやって怒りに震えてる間にも状況は進んでいくんですけどね?
幹部2名が突如として死亡し、どうすればいいのかと硬直している相手へと向かって
単体相手の高火力魔法といえばコレですよね。
ミラさんは大太刀の騎士を2名だけ創り、近い位置に居るものを襲わせています。
まあ、他の装備はエラさんの到着まで待たないと使えませんからね。
そのエラさんは魔法少女全員がこちらへ移動しきってから最後に来る予定です。
なんでも、ブースターの熱で火傷するから危険だとかなんとか。
ありそうな事態ではありますがこう、魔法少女カテゴリーで扱って良いのか最近不安になって来るんですよね、エラさん。
「だが、お前たちだけであれば私と信徒達が力を振るえばさしたる相手でもないわ」
やっと状況に対して心の整理がついたのか私達へと向き直り宣言する大山田。
……それと同時にガラスをぶち破って次々に飛び込んでくる魔法少女8人と増えた4人とロボ1機。
まさか全員で襲撃してくるとは思ってなかったのか、目を見開いて驚く大山田の表情がとてもイイですね。
「「「「「
『
『次は赤マントが鬼だから』
「
「FGA MK.Ⅲ!CIWS!」
「えい」
突入と同時に
あ、最後のえいは雛わんこがナタをぶん投げた掛け声ですね。
あと右ネキは他の人の攻撃ごと消しちゃうので待機、青杜さんは室内だと流星の魔法が使えず遠距離攻撃が無いので同じく待機ですね。
エラさん?声は出してませんが一緒にカァオ!カァオ!してますよ?
大山田ともう一人が前に出て庇う動きをしていますが、この弾幕を受けて何人が生き残れるでしょう?
いや、この状況で回避じゃなくて庇いに来た事に若干の不安を覚える展開ではありますが。さて……?
☆★☆★☆★☆
5人のバニーさんが並んで銃撃……
それなんて背中で魅せるガンガールRPGです?
あと、5色といったら黒青赤緑白です。(MTG脳)
一部誤算は有ったものの奇襲は大体成功しました。
果たして、成果は如何ほどでしょう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます