第122話 法律に則り必殺
「この中で、自死と強制は教祖の大山田が持ってるのが確定してます。その他は魔物のままなのか、超能力者と合一してるのかすら不明です。今回、3日後に行われる奴らの『対魔法少女会議』に集まったところを逆に狙い撃つ形で襲撃する予定なので、そこに記述してある概念が全て揃っていると考えてください」
んーむ、空間、透過、太陽、忍者、偽装
初手でどれだけ潰せるかが勝負になると思います。
「いや、彩月さん。いくら何でもこれ呼び出した概念の数が多すぎない?月一ぐらいであのキャンプやってたとして、1回のキャンプで十体近く呼び出さないとこの数は揃わないと思うんだけど?」
む、白さんに言われて気が付きましたが、確かにその通りですね。
私のミラさんに結晶ずっぷし事件から魔物の召喚が可能になったと考えて、数ヶ月でこの数はちょっとおかしいです。
「それがね?このクソ未満の外道共、一晩に何回もあの儀式やってやがったのよ。当然、藤由さんの魔力を使って……ね?呼び出す度に血を流して、最後の方は血涙まで流して……。あー、思い出しても腹が立ってきた。ほんと、うちの大事な月の魔法少女に何してくれてんだって感じよね」
大量の魔力を無理矢理使わされていた時の感覚を思い出して居たのでしょう。ミラさんが顔をしかめています。
うーん、殺意が可視化出来たとしたらこの空間の映像はヤバい事になってそうです。
「さて、このクソ野郎どもを一掃する為の作戦ですが……。斬首戦術で行きましょう。首刈りです首刈り、クソ教祖とクソ
で、ザマさんが部屋の明かりを消してプロジェクターで作戦概要を映し出します。
……テンション上がりすぎて資料読んでた一部の魔法少女達が意識に入ってないみたいです。暗くて文章が読めません。
「正直、奴らが藤由さんさえ人質に取って無ければ集まって会議してる所にパトリシアさんの終末ぶち込んで貰って即終了だったんだけど、そうじゃないので可能な限り初手で制圧する作戦を考えました」
えーっと?第1段階は私含むいつもの4人で警察が確保してる付近のビルに影から潜入。その時、理珠さんは隠しの藤御簾を展開したまま移動する事で私の接近を悟らせないようにすると。
そう、地味に藤御簾を展開したまま
私達でアレな事を考えながら見ててくださいと右ネキにお願いして確認実験を行いましたのでこれに関しては間違いないはずです、
で、変身前の魔法少女達がバスで現地入りして、合流後に変身と。
これで、付近のビルに全戦力……あ、今回は後詰も用意しなくて全員参加なんですね。作戦中に他所で魔物が現れた場合は現地で時間稼いでって、それは大丈夫なんでしょうか?
あ、ちっちゃく「現地魔法少女で対応不可の場合、本州は水雷天紅姫の魔法によって対処可能か相談中、他の地域もそれぞれ相互補助計画を立案済み」って書いてありますね。
……自前で移動手段持ってる魔法少女はこうやってこき使われるんですよね。頑張れ、調べたら現地人気がすごかったべにーちゃん。
「ということで、まずは敵にバレないようにここのビルに全戦力を集結します。なお、この後戦闘終了まで藤御簾は維持してもらって前線拠点兼避難地域としますので水流崎さんは了承してください」
あー、距離があり、かつ建物の中っていうと確かに認識できなければ消し飛ばしたり出来ない場所ですね。
「はい、了承致しました。作戦終了まで藤御簾の維持さえしていれば、例えばこのビルより援護射撃等で他の魔法少女に加勢しても問題はございませんか?」
間に遮蔽物の無いビルで、距離はおおよそ200メートル。なるほど、理珠さんの、ウィステリア・ヴェールの弓ならば余裕で射程内ですね。
「むしろ、それを見越しての場所選定をしてるので大丈夫です。なので、他の子達も大変だと思ったら南側の窓際まで移動してください。魔物の魔力圏なので通信は繋がりませんが、水流崎さんの視界に入れば援護射撃がもらえる可能性があります」
で、肝心の斬首戦術ですが、これ酷いこと書いてありますよ?
少なくとも、漫画はともかくゲームでコレが成功したら賛否両論間違いないです。
「で、私達魔生対からの
えっと?あ、
安全上の問題は有るんでしょうけど、例の映像でキレにキレ散らかしてましたからね。現場で可能な限り支援したいってのはわからないでもないです。
で、ビルから魔力を観測してターゲットを選定……とあるんですが、
「魔力感知に関してはこの新兵器を使います。強化装備作成で忙しかった月ヶ瀬さん以外の技術班が必死で作った『透過型魔力可視化装置』、コレで!」
……ああ、なるほど。現場まで出てきてる
いや、どっちにしろ狙いをつけるのには壁越しに相手を確認する手段は必要ですね。
で、真割さんはビルの上から必殺のパイルバンカーを繰り出して、パトリシアさんは集会場として使用されてる廃ホテル近辺に転移した後、通常攻撃としては廃案になった「波ぁーっ!」で
初手からこれは殺意が高い。瞬間移動か◯はめ波とか原作でも1回しかやってないぐらい酷い技ですからね!?アニメ版は何回かやったんでしたっけ?流石に覚えてないですが。
で、その後私の
しかし、初手の首刈りはともかく後半が多少雑というか、「高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処」するのが前提となってますが、相手がどんな概念の組み合わせを持っているか不明ですし、私達の予想だにしない能力の使われ方をするかもしれませんからね。しょうがないことだと思いましょう。
「作戦開始は警察の突入と同時に行います。というか、警察が行動を開始すると同時に奴らの人権剥奪だからそれ以前に倒しちゃうと犯罪になります。法律に則って必殺しましょう。あ、依霞さんだけは一般信者制圧のために警察と同行でお願いします。他の人は可能なら瞬間火力に全部振った魔法とか考えておいて。やれるなら初手で全滅させたいでしょ?」
楽勝だろうと油断するのは良くないですが、確かにこの斬首戦術が決まれば戦闘開始時点でこちらがかなり有利ですね。
「で、当日にも再度言いますが注意事項としては、セイクリッド・スターさんが参戦してきた場合、できる限り彼女に戦わせない事。これは、彼女があと戦闘1回で力を使い果たして消滅する可能性が高いという調査結果からの判断です。可能な限りでいいので彼女の魔法行使を妨害してください」
咫村崎センパイがちゃっかり会議に参加してるシアちゃんをチラ見してますが、シアちゃんはちょっと苦い顔を浮かべています。
……まだ助ける方法が見つかってないのでしょうか?
「あ、無いとは思うけど教祖のクソ大山田が生存?復活?まあ、何らかの手段で生き延びた場合、相手はセヴンスさんに任せて逃げてください。強制・自死という概念で即死攻撃を仕掛けてくる可能性が高いです。まあ、真割さんの必殺技を受けて生き延びられるとは思えないんだけど、念の為ね?」
……ザマさんザマさん。それ、フラグって言いませんか?
☆★☆★☆★☆
はい、一応こういう作戦の予定です回です。
まごうことなき斬首戦術。錆銀な少佐も称賛してくれることでしょう。
で、オマタセシマシタ。次回からクライマックス戦闘開始でございます。
上記の戦術がそのまま通れば1~2話で終了ですが果たして……。
次回更新予定は6月18日21時予定です。
よろしくお願いします。
最新話までお読みいただき、感謝致します。
このお話を少しでもおもしろいと思ってくださった方は、
・「★で称える」の+をお好みの回数押して「★」で評価
もしくは
・作品フォロー
等の方法で、応援していただけると励みになります。
どうかよろしくお願いいたします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます