第116話 星機卿さんに聞いてみた!
で、あの後なんですが……。
拘束した
なんとかコイツを連れて移動しなきゃならなくなったんですが、こいつ近づくと水中と冬気の魔法普通に展開してきやがるんですよ。
しょうがないので、空港まで走って、有線の電話でヘリを呼んでもらい、ついでに長いワイヤー(私が使ってる細い金属糸1本のものではなく、それを束ねて重たいものを吊るすのに使用する奴)をお借りして、ヘリが水中の概念の範囲外になるように吊るして電波の届かない地域まで運んでいく羽目になりました。正直だいぶ手間でした。
移動自体は順調だったんですが、運搬先の山岳地帯にヘリが着陸出来るスペースは無かったので目的地付近についたらワイヤーほどいて自由落下してもらいました。まあ、不壊あるし平気でしょう。
あ、空飛んで自滅した方の魔物の残骸はヘリと同時に到着した魔生対の一般スタッフに処理していただきましたよ。流石にアレをあんまり理珠さんやミラさんに見せたくはないですからね。
その後山奥の方へと魔生対のスタッフの方にお越し願いまして、じっくりたっぷり尋問タイムと相成りました。
なお、
やっぱ、運搬中に空中でずっとぐるぐるぐるぐる回しっぱなしだったのが効果的だったようです。いや、この魔物の中の人が地味に高所恐怖症だったみたいでガチビビリされてまして……。
判明した事柄としては、死体というか、残骸が残る魔物はやはりというかなんというか、超能力……主に
なんでも、あの教団的には概念型の魔物っていうのは星の魂が魔物の姿を取って具現化したものらしくって
超能力者が選ばれし者で、魔法少女が邪神の手先なら超能力者で魔法少女の咫村崎センパイの事はどう扱うんでしょうか?
で、あの教団の中では
ただ、コイツが教団の中でもかなり高い位階に居たらしく……いや、枢機卿なんですから当然ですけどね。教皇を選ぶ立場の人ですよ、原罪教なら。
複数体の魔物を取り込んでいる奴は教祖含めて4人しか居ないとの事でした。
重要な情報としては、教祖は6体と合体していてそのうち2体は「自死」と「強制」だそうです。
これ絶対、強制の能力と自死の能力を合わせて「自害せよ、槍兵」とかやってくるやつじゃないですか!私はともかく、他の魔法少女に近づけさせるわけには行かなくなりました。
……いや、また私がボスクラスの相手するんです?今回に関しては、その役目咫村崎パイセンが負うべきでは?もしくは、教祖に対して完全に殺意を抱いてた転移のみっちゃんさん。
ぐぬぬ、一応ですね?私の復活に使う魔力はミラさん経由で純魔結晶から吸収すればいいのでいつでも生き返れるようになったんですよ。
しかしながら、この眼の前のカラテカといい、教祖といい、対魔法少女メタの戦術を張りすぎなのでゾンビである事を利用してそれらを上手く躱して行かないと魔法少女達が何人死ぬかわかりませんからね。少なくとも、こいつらのカルト教団……星の
ああもう!生き返らないと変身が解除出来ないので理珠さんと気軽にショッピングデートとか外食とか出来ないんですよ!おうちデートで我慢するのも限界なんですよ!早く人間になりたーい!!!
失礼、取り乱しました。
で、取り調べの中で聞いたんですがこの
しょうがないのでヤクザの運営する裏格闘団体とかに所属してたらしいんですが、結局八百長にしか見えないのが響いて追い出されて弱ってたところを宗教に突かれたみたいですね。
裏格闘団体!とかワクワクして色々質問してみたんですが、曰く「まともなギャラ貰っててまともなトレーナーと訓練施設が使えて、寝る時や食う時に対戦相手や敵対組織の妨害を気にせず休養出来る分、表の格闘家の方が何倍も強い」って言われてがっくり来ました。世知辛いですね?
あと、興味深い新情報としては。
前に呼び出した魔物が生きている状態で、同じ概念の魔物を作り出そうとすると、その分の魔力が勝手に次元に穴を開けて前の魔物が呼び出されるそうです。
……で、あの教団の教祖である
するとびっくり、出てきたのは死んだはずの初代魔法少女、セイクリッド・スターさん。
予想外の姿の魔物が出てきたなと
多分ですけど、個人の思念では完全には実体化してなかった魔物のセイクリッド・スターさんが、呼び出されて思念を浴びて精神を揺さぶられたことで『完成』した感じなんじゃないですかね?
まあ、目覚めた直後に強烈な「従え、食われろ」って
後の展開は御存知の通りと……。
あ、そうそう。
なぜあのカルト教団が藤由かなたさんの腕が集合体恐怖症を誘発するほどの純魔結晶を持っていたかなんですが、なんか元から純魔結晶というか魔石を神の依代みたいな感じで集めてたらしくて……。
そう、あの清掃作業として魔物出現地でこっそり回収してた奴ですね。あれ、教団設立当初からやってたらしくて、それであんな量が集まってたそうです。
魔法少女にぶっ刺した経緯?ぶっ刺した人が居たからじゃないですかね?どこかの、ネットで異常行動系魔女とか、頭のおかしい魔女とか言われてる人が。
運搬してから休憩を何回か挟みつつ質問をして、そろそろ職員の方も深夜手当が付くかどうかという時間になりました。
私の休憩中にも色々質問をしていて、あらかた欲しい情報は集まったみたいなのでそろそろ終わりにしましょうか。
理珠さんは拘束魔法の維持の為にしょうがなく、ミラさんは理珠さんが変身を維持するための魔力を私経由で供給するために一緒に付いてきてくれていたのですが、大分お疲れのようですしね。
……ミラさんに理珠さんに直接魔力供給しては?と提案してみたんですが、「すk……大事な人と、大事な人の恋人。キスするならどっち?」と納得せざるを得ない解答が返ってきてですね?
「では、
そう、コイツの封印が未だに効果を発揮してるせいで
「これがな、解除出来んのだ、不壊もな。解除できるようならコレの解除を餌に取引でもと思ったのだがな……」
で、返ってきたのがそんな答えですよ。
困ったことに、流石に消費の激しい
かといって、会話までした上に死体が残る存在の命を奪う一撃を理珠さんやミラさんいやらせたくないですし……。
魔生対の方に相談した結果、転移の魔法でやってきた右ストレートさんが一切の痕跡を残さないように介錯してくださいました。
流石みんなのお姉さん。頼りになりますね!
ちなみに、魔生対の職員さん達は真夜中の下山なんて自殺行為だーって話になって急遽一晩キャンプする羽目になりました。
あ、キャンプ用具や食料は私がせっせと
この件が片付いたらみんなでキャンプとかも楽しそうですね……。
☆★☆★☆★☆
なお、皆でキャンプする時に理珠さんに料理を任せてはいけない。
ということで、情報開示回です。
超能力者にテレパスが居るんだから、心を読む魔法だってあるんだろう?
と、隠してもバレる事だし良いや。とべらべら喋ったカラテカさん。
まあ、心は読めなくても過去見える子が居るんでいずれわかることですからね。
→ネキはてぇてぇ出来る!と喜んで駆けつけましたが、倒してそうそうに3人共帰宅してしまってサボテンダーみたいな表情になりました。南無。
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