第73話 全国のくっ殺さん達、申し訳有りませんでした。
いや、理珠さんが勉強は得意な方で新しい知識を得ることに結構貪欲な事も、魔法少女かつ弓術家でもあり新しく知り得た技術を完全に身につくまで練習する努力家な事も知ってたんですよ。
(特に私の)仕草や反応で感情や思考を
それら合わさって、特定の方向に発揮されると、こんな、こんなモンスターが誕生するなんて思いも寄りませんでした。
もうね、気分はまな板の上の鯉……いえ、鯉だって暴れられると困るからって初手で意識を刈り取ってもらえるだけマシな気がしますね、えっと……。
あ、アレです!自分が、理珠さんの手で音を出す楽器にでもなった様な感覚でした。
しかも奏者が凄腕で、一番いい
もうね、年上の余裕とか開幕3秒で削りきられておしまいでした。
しかも、私が魔力で体力を無限に補充される状態なのと、理珠さんがやたらと持久力があるせいで何時まで経っても終わらないんですよ!
さすがに、一回り以上年下の女の子に本気で許しを請うたのは人生で初めての経験でした。
……そして、それを満面の笑顔でスルーされて続行されるのも。
最終的に私が気絶して終わったらしいんですが、その、困ったことに全部ひっくるめて全然嫌じゃなかったのがこの、この感情何処に持っていったらいいんでしょうか?
何より、これ、今後私断れるんですかね!?
俗に言う、爛れた性活という文言が我が身に降り掛かってくるなんて思いもしませんでした。
そんなこんなで、私が目覚めたときは既に正午を回っていました。
汗でべとつくなーと寝起きのぼーっとする頭で思っていると、理珠さんが抱き上げてお風呂まで連れて行ってくれました。
汗をシャワーで洗い流して、頭を理珠さんにわしゃわしゃ洗われて、ようやく目が覚めてきましたね。
うん、流石にですね。
「理珠さん、流石にアレはやりすぎです。私何度もやめてほしいって言いましたよね?」
頬をぷくーっと膨らませてお怒りアピールです。
「でも、優希さん、とても悦んでおられましたし……。本気で拒否されているのでしたらわたくしがわからないとお思いですか?」
むぅ……。くっそぅ、婉曲的に表現されてるとは言え『口ではそんな事言ってるが、身体は正直だぜ!』を直接突きつけられるとこんなに反論し辛いなんて思っても居ませんでした。
全国のくっ殺さん達、今までバカにしてて申し訳有りませんでした。
「とにかく、今後はやめてって言ったらやめてください!わ、私だってその時は平気でも後から怒りが湧いてきたりとか、えっと、たまにはあるんですからね!」
いや、嘘です。基本的に思い出し怒りとか非生産的なので基本的にやらないんですよねぇ。終わったことは終わったことで忘れるタイプです。基本は今と未来が一番大事ですからね。
……ザマさんはそれを超絶前向きで能天気なおバカなんて表現してくれやがりましたが。
いや、殺されたことすら「まあ終わった話だし、今が楽しいから良いや」で片付けてますし、実際その通りなのかもしれませんが納得は出来てません。
「なるほど、あまりにも優希さんが可愛らしかったので情動が抑えきれずやりすぎてしまったようです。まだまだ未熟ですね、申し訳ございませんでした」
しゅんと俯いて反省する理珠さんなんですが、これ、悪いとは思っていても反省はしてない気がします。
というか……。
「……今後は、拒否する意思が生まれないほど心地よく
なんてつぶやきが聞こえてきてですね。
これ、次回私もっと酷いことに成りませんか?そもそも極めるって何をですか!?
というか、本当にサキュバスの根源とか生えてないですよね!?
まあ、そんなこんなで集合予定時間までだらりと過ごして英気を養いました。
……英気、養われましたか?本当に?養ったの別のものじゃありませんか?
こ、細かいことは気にせずに行きましょう!
自分の貞操観念が壊されたことは細かくない?……その通りなんですが、気にしたら負けですというか、もう負けて取り返しがつかないところまで行ったんですから良いじゃないですか!
はい、その話題は終わりです!
というか、この空気で今から命がけの戦場に行くって、エロゲかなんかですか?
えー、そんなこんなでやってきました風鳴市の海の玄関こと風鳴港。
なんか、東京に来るっぽい予測だったんですけど、魔物艦隊の今の配置のままだとアクアラインに引っかかって損害がやばいことになるって話で、私がヘリに乗せられて王蟲の群れを誘導した子王蟲の如く魔力を放出して餌になってここまで誘導してくるって話らしいです。
立地的にも、空母が最終的に湾内に座礁と言うか、港の機能の障害になっても経済的ダメージが少ないという事で選ばれたそうなんですが……。
元地元であるこの街が破壊されるのは正直かなり嫌ですし、政府の判断にもちょっと文句をつけたくなりますね。
学生時代を共に過ごしたザマさんもきっと同じ気分でしょうけど。
逆に考えれば、壊される前に魔物空母を、元凶であるエヴゲーニヤ博士を倒してしまえば良いわけで、この街を守るためとなれば私も全力を出すのはやぶさかではないです。
特にシュークリームの美味しい茜屋やザマさんの実家である
ということで、私は今からヘリに乗せられて魔物の艦隊の射程外でめいっぱい煽るお仕事です。
うん、当然のように一緒に乗り込んでくる理珠さんと誰もそれを止めないのはなんなんですかね?
「あの、いざという時に藤御簾を展開して安全に離脱するための同行でございますので、わたくしの個人的な感情は関係ありませんよ?」
……はい、邪推でした。うわ、なにこれ恥ずかしい、色ボケしてたのは私の方でした、反省します。
というか、ヘリとか乗り物に乗ってる状態での隠しの藤御簾展開ってどういうふうに藤棚が湧くんでしょうね?
ちょっとした疑問を残したままヘリは飛び立ちました。
後は魔力を隠さないように普段通りにしてればいいだけなので特にやることは無いです。
強いて言うなら、魔物の艦隊の観察ぐらいですかね。
実際、この目で見て初めて発見する事もあるかもしれませんし。
艦隊の近辺に到着はしたんですが……。
う、うーん、対空迎撃兵器の射程って存外に長いんですね。
ヘリで射程内に入らないようにそのギリギリをずっと飛んでいるらしいんですが、観察するも何も距離的に細部が見分けられるような距離じゃないですねこれ。
とりあえず、魔力感知でミラさんの魔力がまだ存在している事は確認できましたし、私がこれだけ近づいても艦載機が動き出さない事からアレは恐らく動かせないだろうという予測、少なくとも闇雲に迎撃ミサイルやらCIWSやらをばらまいてこない程度には兵器の射程距離等の理解があることは判明しました。
これ、逆に考えれば風鳴港で戦う際はそれらをなんとかしないと命中したら普通に魔法少女達が死ぬって事でもあるんですよね。
本来の攻撃用の兵器をミラさんが抑えてくれているとは言え、流石戦争に使うための現代兵器、攻略難易度がただの魔物とは大違いです。
一応作戦は立てて来てますがその通りに進むのかどうか……。
最悪、魔法少女のみんなは即死さえしていなければ私の蘇生機構不正利用バグで助けられると思うのでその辺もちょっと話しておきますか。
いや、流石に今の魔力では行えないので私がやられてた冷凍保存とか、そういう類の何かで措置する必要があるんですが。
……あと、日々の魔力供給の供給先が増えたって話になったら理珠さんに怒られそうな所は難点ですね。
☆★☆★☆★☆
具体的な行為の名前を出したり、明確な表現はないな!?よし!
はい、理珠さんがサキュバスです。
何だこの淫魔、君、設定にも基本的には清楚って書いてなかったっけ?
君のせいで「性描写有り」にチェック入れる羽目になったんですが!?
というか、今話で開戦まで行く予定だったのにイチャイチャで話が進みませんでした。
このバカップルのイチャイチャだけで10話ぐらい書けそうですが、収集がつかなくなることが明白なので……。
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