第64話 熊500匹オーバーラン対策会議
魔生対にあるミーティングルームに集合との事だったので、移動がめんどくさいのでそのまま
ところで、ミーティングの事をMTGなんて言い始めたの誰何でしょうね?文字数ほぼ変わってないですし、世界最初のトレーディングカードゲームの略称と丸かぶりなのでやめたほうが良いと思うんですよね。
「あうちっ!」
考え事しながらテーブルの下から抜け出そうとしたら誰かの足に思いっきり頭をぶつけました。
……蹴られたんじゃないですよね?
「誰?って、セヴンスか。じゃあ問題なしね」
白さん?私だって確認したら再度げしげししてくるのやめてくれません?
反撃しますよ?
「ひゅあああ!な、何やって!舐めたの!?」
はい、モデル体型JKのおみ足ごちそうさまです。
「反撃されないと思ってるから反撃しただけですよ?」
そう言ってテーブルの下から抜け出すと顔を真っ赤にした白さんと目が合いました。
普段お済まし顔を崩さない人がこういう表情をしてるとアレですね、ちょっと興奮します!
「はーい、じゃれ合ってないで速やかに着席。ある程度は非魔力攻撃が通じるから自衛隊が必死に防衛戦作ってるんだから
ザマさんの号令で浮ついていた魔法少女達が席に着きます。
……私?理珠さんに首根っこを引っ張られて隣に座らせられました。椅子の上に正座で。
いや、わりとちゃんとした椅子なので別に痛くは無いのですが。
「ということで、前回現れた魔物に操られたとおぼしきツキノワグマ、長いので魔操種という名称で呼ぶ事になったコレが、現状確認できてるだけで500匹強、人間の生活領域へと「侵攻」しています」
あの、私が理珠さんから電話で聞いたの300匹だったんですが、増えてません?
「確認できてるだけで500だから、今後も増える可能性があります。流石にこの数相手だと手加減なんてしていられないので
あー、ペケッターとかでたまに流れてくる人里に降りてきた熊を殺すなって奴ですね。
あの人達、例えば身内が熊に襲われて死んだら同じ事言えるんでしょうかね?
まあ、全力でやっちゃって良いとのお墨付きが出てるならそれなりにやるだけです。
まあ、私の場合は別に殺害しなくても
所で、ミラさんの姿が見えませんね?
いや、あの報告書読んだ上でこの戦闘に参加させるのはいくらなんでもアウトなので良いのですが。
絶対、戦闘中の混乱に紛れて
いや、逆に全員出撃した隙を突いて魔生対で諜報活動でもするのでしょうか?
もしくは、どちらでも良いとして作戦が組んであるかですね。
流石に魔操種の熊の数が多すぎてミラさんの監視に戦力を振り分けますとか無理でしょうけど……。
「ミラさん居ない、なぜ?」
あー、あの報告書読んだのって多分私とザマさんだけなんですよね。
どう説明するんでしょう?ザマさん頑張れ?
「それに関しては、この写真を見てもらえる?」
そう言ってザマさんがみんなに配ったのは魔力可視化装置で撮影したみんなの写真でした。
「これ、みんなの魔力は青く、魔物の魔力は赤く写るんだけど、ミラさんの周囲をよく見てもらえる?」
見れば、ミラさんの胸のあたりだけ赤いオーラのようなものが纏わりついています。これが報告書にあった魔物と化したエヴゲーニヤ博士の魔力でしょうか?
「赤い魔力が胸の付近にあるのを確認できる?ミラさんの背後関係を調査した結果、魔生対はこの赤い魔力と今回の熊を操っている魔力の持ち主を同一の存在であると断定しました」
「ちょ、ちょっと待ちやがり下さいまし。他者を操り、魔力保有者に自分の魔力で枷を仕込む。それではまるで意志を持つ魔物がまた現れたみてーじゃございませんか!」
「もっと酷い。えっと、エラさん、博士って呼んでた。魔物が意志を得ても知識は別」
あ、雛わんこまた言葉足りてないですよ?
「つまり、博士と呼ばれるほどの知識を蓄えた魔物か、もしくは人間が魔物になったって言いたいわけね?と言うことは、少なくとも博士号を取得できる程度には頭の回る魔物が事を起こして策を仕掛けてきたってことじゃない!」
おー、白さんも雛わんこの言葉を翻訳できる勢だったんですね。
「でしたら、ミラさんは現地での魔物との接触を防ぐ目的でのご欠席ですのね?でも、この魔操種の熊の群れが陽動であり、魔生対本部の戦力が低下した隙にミラさんに何かさせるつもりでいらした場合はどう対処致しますの?」
おおう、資料も何もなしでこれだけの情報からちゃんとそこまで予測できるんですか。
……皆さん高校生ですよね?雛わんこはまあ、頭の構造が普通じゃないので除外するとしても優秀過ぎませんか?
「ミラさんが魔生対内で諜報活動する分には見逃すつもりでいるからそこは気にしないで。色々調査したんだけど、どう考えてもミラさんの背後に居る
あー、私の魔法に関する情報を調査する目的での派遣ですもんねミラさん。「真実なのに冗談にしか見えない」という私の根源絡みの話をエヴゲーニヤ博士はちゃんと見抜けるんですかね?
「で、職員と彩月さんに危険は無いのかな?情報を得るために人を殺したりした場合、流石にいくらミラ嬢が可哀想な環境に置かれていたとしても擁護しづらくなるのだけど?」
「あー、それに関しては多分大丈夫だと思います。ミラさん、連日ここの魔法少女たちと仲良くやってたおかげで絆されたのか、もう藤棚の中の私が見えてますから。本人にはもう敵対する意思は無いですよ。傀儡の魔法で操られたりはするかもですが、自分に良くしてくれたここの職員に手をかける覚悟は無いですよ、アレは」
いやもう、ミラさん完全に丸くなっちゃってて……。物理的にも、ご飯が美味しいのかちょっとふっくらしてきててアレなんですが。
事あるごとに私と理珠さんの後ろをついてきますし、自分が食堂に行きたいってだけなのに私達に「食堂へ行くのだけど?」ってついて来てほしそうにアピールする姿が微笑ましいですし、今の状態のミラさんが魔生対の人に危害を加える様子が想像できません。
「まあ、セヴンスさんの言う通りよ。機密を扱う職員には脅された時には機密保持なんて考えずにサクっと情報渡して良いって伝えてあるしね。というか、
どうやら準備は十二分にしてあるようで。ザマさん、この手の仕掛けで裏目引いた所見たことが無いんですよねぇ。所で、ミラさんを追跡して
「はい、じゃあだいぶ話がそれたけど対魔操種ツキノワグマの対処策ね。話は単純、一番出現数が多い秋田の自衛隊防御陣地に初雪さんを転移、二番目に多い岩手にはセヴンスさんと水流崎さんが当たって。他は状態を確認しつつヘリで向かって。今回は電波妨害の距離が極端に短い関係上報道の撮影もあるし、何より魔生対としても生での戦闘風景を配信します。これ、
ザマさんの言葉に全員が力強く頷きました。
「それじゃ状況開始!今回、パトリシアさんが初戦闘だから上手くフォローしてあげてね」
とまあ、そんな感じで500匹熊さん大行進との戦いが始まりました。
いや、なんか現場に到着する頃には更に増えてる予感がするんですよねぇ……。
☆★☆★☆★☆
緑マナだしてFog使え
MTGネタはともかく、増える熊さん
一応、日本には一万二千匹ぐらい生息してるそうなんで数百ぐらいなら減ってもまだ大丈夫なはず……。
今年は餌不足らしいですしね。
とりあえず、予定としては今回の更新が今年最後の更新となります。
投稿からはや4ヶ月。
勢いで書き始めた処女作が結構な勢いで伸びていくのがとても有難く、驚きでした。
読者の方々からのフォローや☆、コメント等全てが作者のモチベーションへと繋がっています。本当にありがとうございました。
今後もなるべくペースを崩さずに書き続けて参りますので、どうかよろしくお願いします。
次回更新は年明け1月4日を予定してます。
が、暇な時間に書きはするので筆が乗ったらいつも通り予定を無視して早目に投稿すると思いますのでよろしくお願いします。
ではみなさん、良いお年を。
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