第40話 蹂躙
今回、普段よりやや残酷で暴力的な描写がございます。ご注意ください。
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「殺した?魔女?何を言っている?この地で覚醒めた魔力保有者は全員が魔法少女と呼ばれるのではないのか!?いや、そもそもが絶死の魔法は魔法少女以外が相手だとしても生命を破壊する性質は消えぬはずだ!なぜ何の手応えもない!!」
混乱して喚き散らす、10秒程度。
その後もう一度あの即死魔法をぶっぱする……と。
無視して、走らず、悠然と歩いて接近するんですか。錯乱を助長する形ですね。
選んだ未来に従って、アイツが死ぬまでのチャートをなぞります。
しかし、生きてる相手を殺すなんて定義の魔法が既に死んでる存在に効くわけ無いじゃないですか。
奇しくも、私はあのクソ女の全く想定してない存在となっていたわけですね。ざまあないです。
痛めつけて嬲る時間はありませんが、識っている限りではさんざん怖がってくれそうですし、あと90秒ちょっとの命で可能な限り後悔して貰いましょう。
──
はい、無駄撃ちご苦労さまです。
お前の抵抗は全く意味がないぞ、と両手を広げてわざとゆっくり接近します。
まあ、この後の行動を踏まえて
次は黒い光線での攻撃。
首、心臓、照射しながらの袈裟懸け。
軽くダンスのステップを踏むように回避ですね。
何処にどんな攻撃がどのタイミングで来るかわかってるんです。この
「なぜ!なぜ生命の手応えすら無いのだ!?ならば、光の速さで穿つまでだ!
というか、無傷で勝利する未来だけならほんと無数にあったんですよ。
そもそも
ん、次は四足獣の様な姿の使い魔を無数に召喚と。
出現地点に張ってある
なかなか見つからなかったのは理珠さんが何の後遺症もなく戻ってくる未来だったんですよね。
「何なのだ!何が起こっているのだ!なぜ
相手が何かした時にはその対策が終わってるというのは気持ちがいいですね。ちょっとクセになりそうですが、
それでも魔力消費がバカにならないですし、ままならないものです。
あ、次が奥の手っぽいですね。
魔物としての根源を顕在化させて変身、凶悪な獣と化して超スピードとパワーで相手が死ぬまで攻撃を続けると。
多分、一切魔法を使わない月ヶ瀬さんを倒すための魔法ですよね。
まあ、発動前に潰すんですが。
「なぜ
ここですね。事前に飛ばしていた
爆薬と化して侵食を続けていた魔力毒を衝撃によって炸裂させました。
その爆風によってあのクソ野郎の視界が塞がれた一瞬を利用して
「がっ!何だ!?何が……」
ああ、私の意図を汲み取ってくれているとても良い
心臓を抉られた理珠さんの意趣返しに心臓をぶち抜けと、そう言うのですね?
「
両手で呪いの槍を掴み、その心臓に当たる部位を背後から穿ちます。
そして……
『
魔力を喰らって体内を蹂躙する死の黒樹が牙を向きました。
これでこの魔物は最期を迎えます。最後の切り札を使うことすら許されず「魔法少女の死を司る魔物」は「既に死んでいる魔女」によって終わらせられるのです。
「残念。貴方の奥の手は
「ざ、雑魚!?き、貴様!
「雑魚でしょう?私にかすり傷一つでもつけることが出来ましたか?餌付けしようとしたらひっかかれましたし、私に傷を負わせられる分野良猫の方がまだ手強いですよ?」
おーおー、野良猫以下と言われて口をぱくぱくさせてますよ。金魚ですか?これ以上陸に居たらエラ呼吸できなくて死んでしまうかも知れませんね?ああ、かもじゃなくて死ぬんでした。
で、最後は醜く自爆と。
別に離れて回避するだけで十分なのですが
というか、こんな使い方があったんですね。私の知らない魔法の使い方まで教えてくれるなんて素晴らしいチャートが見つかりましたね。
「があああああ!敵わぬのはわかった、通じぬのはわかった!ならば、せめて
強制的に仰け反るように上を向かされた口から、黒い枝が喉を突き破って生えました。次いで眼球を押し出しながら眼孔から、鼻から、耳から。
今際の際の言葉さえ残させるものかと、黒い宿木が頭部を中から食い荒らします。
脳に相当する器官を完膚なきまでに破壊され、魔法少女に失意を与え、悪意を囁き、死に導こうとした魔物は
理珠さんを殺しかけたんです、これぐらい当然の末路と言えるでしょう。
さて、
さあ、眠っているお姫様を起こしにいきましょう!
……あれ?お姫様を魔女が起こしに行くって、冷静に考えるとおとぎ話的にはおかしくありません?
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37話からここまでのBGMはMYTH & ROID辺りのイメージでした。
シリアスさんがそろそろ力尽きそうです。優しく見守ってあげてください。
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