キャラクター設定・番外編

キャラクター設定

 本編終了までお読みいただいて、ありがとうございました。

 今回は、登場キャラの紹介及び裏話等を暴露していくつもりです。


※ネタばれ・イメージ崩壊等が頻出することが考えられますので、ご注意ください。




◆ アルマナセル(愛称 アルマ)(語源:なし)


 作品開始時16歳。

 黒髪。紫の瞳。装飾品は紫水晶のピアス。

 こめかみから、二本の角が生えている。

 レヴァンダル大公子。



 レヴァンダル大公家の子孫たちは、父祖が異世界から来た、ということで、名前は全て造語です。めんどい。(本音が!)

(というのは後付で、固有名詞の基本を決める前に書き始めていたところまでで、アルマとエスタとが既に名前を決めていたから、というのが本当。この数の登場人物全員を造語にしなくて本当によかった……)

 サイトに載せるキャラ紹介の関係で、綴りだけでも決めなくてはならなかったので適当に捜してみたら、「魂の檻」という、何だか意味深な単語になりました。が、関係ありません。(酷い)


 角は、下向きに生えるタイプにしてみたのですが、これが意外と描きにくい。おとなしく上向きの角にすればよかったのですが、そうするとフードで隠せないのですよね!

 どれだけ頭の大きい人なのかと。

 下向きだと、それはそれで日常生活に色々と支障がでそうなのですが、まあ頑張って適応してもらおうと思います。


 例:顔を洗おうとすると手に角の先が刺さる。



 この話の『恋愛』カテゴリ上での障害、「竜王の巫女とは結婚できない」という点を派手に誤解していた件は、当初からずっと決めておりました。

 その概念は、アルマ以外の者は全く考えておりません。

 だから大っぴらにからかったりとか婚約してるのかと訊いたりとかしてるのに、思いこみって恐ろしい……。(全部仕込みだよね?)

 まあ、それがなかったらこやつがヘタレでなかったかと言えば、絶対そんなことはないですが。




◆ ペルル(語源:真珠<仏>)


 作品開始時14歳。

 亜麻色の長い髪。水色の瞳。額に銀とアクアマリンのサークレット。

 水竜王の高位の巫女。



 固有名詞は、基本的にギリシャ・ラテン語系から取っているのですが、彼女はこの名前が使いたかったので、特別です。


 おとなしくて控えめな女の子、というのは影が薄くなってしまって困りました。

 要所要所で見せ場は作っていたのですが、それでも他の濃いキャラに負けてしまいますね。反省。

(まあ主目線だったアルマがヘタレだったせいもあるのでしょうが)

 それでも、好きな相手に対しては結構押しが強いです。


 主要人物の中で、過去が明かされていない唯一の人物。

 おそらくは、特に何事もなく穏やかに竜王宮で育ったのだと思われます。

 十四歳にして敵軍に自らを人質として引き渡すなど、中々に肝は据わっておりますが。


 読者様からは、結構好きだと言って頂けて、嬉しい誤算でありました。

 あと、結構やきもち焼きだとも。確かに……!(気づいてなかった)

 あれですかね、ラブコメの八割は女子の嫉妬で話が動くからですかね。(適当統計)


 高位の巫女は、竜王の御力を行使するときに目、もしくは髪の色が変化する、というあからさまな設定があったのですが、少々狙いすぎか、との判断で却下となりました。

 しかし目はともかく髪はどういう理由で変色するのだろう……。やはり、周囲の光の色を変化させるのか。




◆ オリヴィニス(愛称 オーリ)(語源:ペリドット<希>)


 作品開始時20代後半(外見年齢)。

 栗色の髪を、うなじの辺りから長く伸ばしている。茶色の瞳。額にエメラルド。地金は金。(肉体に直接埋めこんでいるために、腐食防止)

 風竜王の高位の巫子。



 高位の巫子は大体宝石の類から名前を取りました。……エメラルドがいい感じに使えなかったのが悔しい。

 序盤で名乗っていたノウマードという偽名は、「放浪者<英>」という意味です。作中で聞き慣れない名前、という設定なのでまたルーツを変更。


 楽器や歌、弓矢の腕前がずば抜けている、というのは、才能ではなく、三百年の研鑽けんさんによるもの。意外と努力の人でもあるのです。暇だっただけですけど。


 竜王様と相思相愛ですが、これはまあ共依存ですね。今後多少の変化はあると思いますが、当人たちが幸せならそれでいいじゃない。(真顔)


 元々人付き合いは苦手だったのと、民を見捨てたという引け目から、本当はあまり民と接したくない。高位の巫子としての立場上、彼らが再び竜王の加護を受けられること、故郷へ戻ってこれることには尽力したいが、そのために前に立つ、ということは彼にとっては酷く苦痛。

 仲間に巫子の責務に関しては苛烈とも言える立場で臨む者がいたので、半ば渋々とそれに倣っています。

 まあ、どんな思惑でも、民が幸福に向かえればそれでいいのではないか、という、ある意味無責任かつ楽観的な考え。

 部下が、喜んで彼に従って動くタイプなのが個人的には鬱陶しいが、役割的には有難がっている。




◆ グラナティス(愛称 グラン)(語源:ガーネット<希>)


 作品開始時8歳(外見年齢)。

 銀に近い金髪。金茶の瞳。額に銀とルビーのサークレット。

 火竜王の高位の巫子。



 永遠の8歳児。


 最終決戦後の、死んだとみせかけて実は、と見せかけて更に実は、というのは、結構以前から考えていたような。

 ただ最初のうちは、最終決戦中に龍神の攻撃を受けて死亡、という予定でした。決め台詞もその時に。

 ですがそうすると、アルマを人間に戻すことができないので中止。決め台詞はずっと以前に言うことに変えました。

 グランの深謀遠慮が利いてくるので、いい展開だったのでは、と思います。

 まあ主人公にひっくり返されますがね!


 自ら望んで入宮したわけではないせいか、竜王様との関係性はかなりドライです。が、いつ死ぬか判らないという身体だったのに選んでくれた、というのはそれなりに嬉しく、誇りに思っていた模様。


 死亡時期は、当初最終決戦から六年後ぐらい、と仮定していたのですが。

 そうすると、アルマとペルルが決心するのが二十二歳と二十歳ということになってしまい。

 それは幾ら何でも待たせすぎやろ! と思って、三年としました。

 十九歳と十七歳なら、まあ、この世界は適齢期ですしね!

 (そんな理由で死期を決められたグランは堪ったものじゃないけど)




◆ クセロ(語源:知る<希>)


 作品開始時20代後半。

 短い金髪。緑の目。鋼鉄にダイアモンドを嵌めこんだサークレット。

 地竜王の高位の巫子。



 今作品一番の貧乏くじを引き、そこそこ報われたような人。

 登場時には既に彼の運命は決定していたために、序盤、「ふふふ、何も知らないで」とほくそ笑みながら書いておりました。


 イメージとしては、実は『いとこのお兄さん』。時々しか会わないので、格好つけたがり。頼りにならないところを見せたくない、という感じです。

 まあ周囲はそれを見越してしまっているところもありますが。


 サークレットの素材にそれを選んだ理由は、「地竜王にとってはどのような鉱物も等しい」という思想から。拍手ネタで書いた、「硬かろうが柔らかかろうが、冷たかろうが暖かろうが、『全て等しい』」に通じるものです。

 本編で説明できなかったのが、心残り。




◆ プリムラ(語源:桜草<希>)


 作品開始時9歳。

 赤銅色の髪、茶色の目。

 イグニシア人だが、ロマ(フルトゥナ人)に育てられる。



 歌って踊れて、姫巫女から馬の世話までできる万能少女。(どうなの)

 オーリについていくのか、クセロなのか、クセロと思わせて実はオーリなのか、というのはちょっと迷いました。あともう一人、ロマの少年と見せかけてオーリ、が候補ではありましたが、最終決戦後に一緒にいられなかったために選択肢から外れます。(そんな理由で!)


 プリムラは育ててくれたロマから聞いた巫子の話で淡く憧れを抱き、当人と会って幻滅し、少しずつ気持ちが回復していって途中ヤキモチを妬いたりしつつという経緯です。

 オーリは、基本的に他者との関係性を薄くしがちなので、この淡い初恋が実るかどうかは微妙。

 プリムラが押し切る可能性もありますが、思春期にあっさり他の男子に乗り換えるエンドもあるかも。

 その場合、オーリとクセロがおとん属性を発揮するので恋人は大変だ!



 女性の名前は、ペルル、ステラ以外は基本的に花の名前からとっていました。

 が、後半、足りなくなってきてしまってかなり困る。

(若い男性は鳥の名前からとったりもしましたが、これは更に足りなくなった)




◆ エスタ(語源:なし)


 作品開始時25歳。

 黒髪に黒い目。

 アルマナセルに仕える青年。後に、アルマナセルの従兄弟と判明する。



 彼の出自を決めたのは、かなり後になってからです。その頃書いていたのは、多分まだイグニシアを旅していた辺り。

 そこから、大公の特殊能力と、最終決戦での大公の役割、今際の言葉まで辿りつきました。

 ある意味、オチを思いつかせてくれた男です。


 母親から、本当なら大公家に迎え入れられる筈だった、と、恨み言を聞かされて育つ。

 母親も庶子であるので、そのようなことはないのですが、それでも困窮した時に大公家を頼ったのは、その考えがあったからか。

 〈魔王〉アルマナセルの血を引く、という一点が彼にとっての誇りであり、大公家が存続することで満足していた。しかしアルマの出奔により、彼の中でそれが危うくなったところをイフテカールにつけこまれる。

 何故イフテカールが彼の出自を知っていたのか、というのは、単純に見れば判ったという判別法。龍神の力を受けているイフテカールは、[地獄]の血と力を見分けやすかったからです。(レヴァンダル大公四代目を初対面でそれと知ったのも)


 竜王を恨んでいたという点でイフテカールに共感しつつ、しかし結局大公家を選んでしまったのは、反抗期から脱してきたようなものでしょうか。(いきなりスケールが小さくなった!)

 壮大な中二病を患っていた男でした……。



 彼の綴りも捜してみたところ、エスという言葉にはイド(自我)と読ませることができるのだそうで。

 これまた意味深だなぁ、と思いつつ却下しました。




◆ イフテカール(語源:軽蔑<アラビア語>)


 作品開始時20代前半(外見年齢)。

 細めの金髪。青い目。

 龍神ベラ・ラフマに仕えている。



 人類の堕落を一手に担っていた男。(大げさな。)

 立場としては、〈誘惑する蛇〉。

 忠誠を誓い、友情を誓い、愛を誓い、富と美貌と若さを約束し、そして得た相手を自らの野望のために使い潰す。駒に対して情を持っていない訳ではないが、失ってもさほど痛手は受けないタイプ。


 一万年を封印されてきた龍神にとっては、この数百年の陰謀など短いものだったのか、時間はまだある、と悠長に構えていた影響を受けて、トライ&エラーでの引き際がいい。

 じっくりと陰謀を練り上げるタイプのグラナティスに出し抜かれたのはそのせいもあると思われる。

 決して享楽に耽って任務をおろそかにしていた訳ではない。多分。


 序盤は頑張って悪役っぽくしていたのだが、エスタと関わってからはお笑い担当になってしまった。何故だ。


 主人に倣って語源をアラビア語にしてみたが、イフテカール自身の出自はこの世界からだったり、同じ出身の〈魔王〉が造語だったりとあまり意味がなかった感。






◆ 火竜王カリドゥス(語源:温<羅>)


 長い身体、短い手足、鱗、と、東洋風の竜に近い形状。

 理由があるとはいえ、実体も名前もあまり出てこなかった、ちょっと影の薄い竜王。



◆ 水竜王フリーギドゥム(語源:冷<羅>)


 長い身体、手足はなく、耳の辺りに大きな鰭がある。どちらかと言えば魚に近い形状。



◆ 風竜王ニネミア(語源:凪<希>)


 長い身体、手足はなく、背に翼を持つ。腹部一面と、鱗の合間から羽毛が生えている。

 巫子が熱烈すぎて、むしろ名前の方が知名度が高そう。



◆ 地竜王エザフォス(語源:大地<希>)


 ずんぐりとした体躯に、四本の脚。短い一対の角を持ち、背から尻尾にかけて板状の黒曜石が生え、身体の各所に多様な鉱物が埋まっている。三竜王とは違い、ある種の草食系の恐竜のような形状。


 長期間眠っていたために、現在の流儀というものに疎い。が、気にしない。

 世界には竜王と民との間で決めた戒律と、竜王宮が定めた戒律の二種類があるが、地竜王には双方存在しないので、巫子は結構やりたい放題である。

 唯一、話す言葉を表記した竜王でもある。(高位の巫子としか意思の疎通をしない、という戒律がないため)



◆ 龍神ベラ・ラフマ(語源:冷酷<アラビア>)


 短い一対の角と蝙蝠の翼を持つ、漆黒の龍神。形状は西洋風の竜。ある種の肉食系の恐竜にも酷似している。

 世界を滅ぼし、自分が住みやすいようにリフォームしようとしていた。(言い方)






◆ ステラ(語源:星<羅>)


 作品開始時18歳。

 黒髪。黒目。スタイルがいい。

 イグニシア王国の王女。イフテカールを愛人として扱っていた。



 幼い頃から女王様気質でアルマを苛めていたが、どこからイフテカールの影響なのかは不明。

 イフテカール以外にも大勢の恋人がいた。その関係は、見返りは大きいけれど、リスクも超高い。下手をすると生命を落とします。

 陰謀家としてはそこそこだが、今後、竜王宮や大公家、その他の援けを得て女王として国を統治していく。




◆ レヴァンダル大公


 作品開始時50代。

 黒髪、紫の瞳。口ひげを蓄えている。

 アルマナセルの父親。


 名前が出てこないのは考えるのが面倒だったのと、そのまま最後までいけるかどうかという自分への挑戦です。(いい様に言った!)

 大公家には、大まかに熱血タイプと飄々としたタイプがいるが、彼は後者。(息子は前者……)


 彼の能力を考えついたのも、書き出してから随分経ってから。

 おかげで最終決戦に至るまでの辺りの辻褄が合いやすくなりました。


 最終決戦後も、慣習として竜王宮に所属。もう少し歳を取ったら、どこか田舎に屋敷を買って隠居しようかなぁと考えている。が、大公家には領地がないためにちょっと難しい。





◆ テナークス(語源:頑固<希>)


 作品開始時40代。

 王国軍において、アルマナセルの部下として水竜王の姫巫女の護送にあたる。



 正直、ここまで重要人物になるとは初登場時には全く考えておりませんでした。

 王都に着いたらもう出番もないような状態だったのですが。

 王国軍を裏切り、アルマの元へ → 戦死 → 一行激怒、という流れを思いついたのでこんな美味し気の毒な立場になってしまいました。

 ユーディキウム砦に他の戦死者と共に葬られており、実はアルマが年に一度、式典に参加がてら墓参りに行っています。




◆ ドゥクス(語源:指導者<羅>)


 作品開始時30代半ば。

 火竜王宮竜王兵隊長。


◆ イェティス(語源:指導者<希>)


 作品開始時30代前半。

 風竜王宮親衛隊隊長。



 犬猿の仲の二人の名前は実は同じ言葉だったという衝撃!(特にどうでもいい情報)


 どちらかと言えば、大人げなくドゥクスが突っかかる方。イェティスの、主人が望んでいないことでも突っ走る辺りが気に食わないのかも。

 イェティスは他人は気にしない質ですが、それでもグラナティスとドゥクスの信頼関係は少し羨ましい。が、自分の忠誠心を発揮することが第一。主人の迷惑とか気にしない。(酷い)

 まあ主人も素っ気なさ過ぎるので、この主従関係がぎくしゃくしているのは自業自得かも。


 双方、隊長というにはまだ若いですが、火竜王宮は実戦になることを想定し、四、五十代の兵士とは別に若手で編成された隊だったこと。

 風竜王宮は隊長の地位が半ば世襲である、ということが理由になります。(あまりに無能であれば、隊長は隊員の中から再選されます)


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