先輩日和 20話



とある日の帰り道


あど「やっと暖かくなってきましたね」


花乃音「だね〜。はぁ、、もう少ししたら夏だよ〜」


あど「夏苦手ですか?」


花乃音「そりゃまあ暑いの苦手だし?」


そんなことを話していると


とある店を横切る時花乃音がその店に飾られているぬいぐるみを見つける


花乃音「、、あどくん!」


あど「はい?」


2人が足を止める


花乃音「ほら!見てよこれ!」


あど「ん、、猫のぬいぐるみ?」


まん丸とした猫のぬいぐるみがガラス越しにあった


花乃音「可愛いなあ、、!」


目を輝かせてぬいぐるみを見つめる花乃音


あど「、、、、」


あど(ちょうどいいや、、)


それから数日後。4月23日


会社にて


千尋「花乃音〜」


花乃音「ん?」


千尋「誕生日おめでと!」


花乃音「お!覚えてた?」


千尋「当たり前でしょ?」


千尋の後ろには三玖もいた


三玖「お、おめでとうございます!!」


花乃音「えへへ、三玖ちゃんもありがとう!」


あど「そっか、花乃音さん誕生日じゃないですか」


花乃音「そうだぞ〜」


千尋が2人にあるものを渡す


千尋「ほい、これ」


あど「、、、ん?」


花乃音「ピーナッツ?」


千尋「おう!花乃音への誕生日プレゼントと、一応あどくんにもね」


あど「どうしてピーナッツを?」


千尋「ん〜、、、2人にはわかんないかな?」


三玖「、、ピーナッツ、、ピーナッツ、、」


三玖「、、あ〜、、なるほど、、」


三玖「千尋さんおもしろいプレゼントの仕方ですね!」


千尋「でしょー?」


あど・花乃音「???」


それから帰宅中


あど「花乃音さん。いつものあの公園行きません?」


花乃音「え?いいけど、、」


2人がいつもの公園に行き、またいつものベンチに座った


花乃音「にしてもさ、ずっと気になってたんだけど」


花乃音「その大きな紙袋何が入ってるの?」


あど「ん、あぁ、、」


あどが中身を取りだして


花乃音「それって、、!」


あど「誕生日おめでとうございます」


あど「小宮先輩」


あどがぬいぐるみを持ちながら花乃音にそう言った


花乃音「な、、懐かしい呼び方だな、、」


あど「へへ。久々に呼んでみたくなって」


花乃音「へんなの、、」


花乃音「ていうかそれってさ!」


あど「はい。花乃音さんが欲しがってたやつですよ」


あどがぬいぐるみを渡す


花乃音「うはー!もふもふだぁ!」


花乃音がぬいぐるみを抱きしめる


あど「ははっ、気に入ってくれて良かったですよ」


花乃音「うん!!最高のプレゼント!」


花乃音「、、、正直なんも無いかと思ったよ私」


あど「、、まぁ、僕なりの渡し方ですよ」


花乃音「まったく。すぐ渡せばよかったのに」


あど「いやまぁ、、思い入れのある場所で渡したかったってのもありますけどね」


花乃音「思い入れ?」


あど「覚えてないんですか?僕らここで知り合ったんじゃないですか」


花乃音「んー、、、あぁ!たしかに!」


あど「それさすがに忘れちゃダメっすよ、、」


花乃音「ちょ、ちょっと飛んでただけ!!」


花乃音「とにかく、、ありがとう!」


花乃音「白鳥くん!」


あど「、、、また懐かしい呼び方を、、」


花乃音「ふふん!」


それから2人は帰って行った


花乃音は帰宅中もぬいぐるみを大事に抱きしめていたそうな


それからとある日


千尋は花乃音の家にいた


千尋「花乃音〜出来た?」


花乃音「あと一個!」


花乃音はおにぎりを作っていた


花乃音「ほい!」


花乃音が作ったおにぎりを千尋に見せる


千尋「あははっ、ほんとに花乃音が作るおにぎりはちっちゃいなぁ」


花乃音「は、はあ?!そんな事ない!!」


千尋「じゃあ私のと比べてみる?」


千尋がニヤつきながら花乃音のおにぎりと自分のおにぎりを比較する


花乃音「、、、ぐっ、、」


千尋「ほらね?」


花乃音「むぅぅ!!」


花乃音「け、結局は美味しければいいの!!」


千尋「そ、そう、、」


2人はおにぎりとサンドイッチを作り、バッグに入れて公園に向かった


花乃音「んー!やっぱここは落ち着くなあ」


千尋「いっつも来てるらしいじゃん?花乃音」


花乃音「まぁね。この公園広々としてて駅も近いし、気持ちがいいんだよねー」


ふたりが桜の木の下に座る


千尋「休日ってこともあっていっぱい人いるわね」


花乃音「私たちと同じだね!お花見してるよ」


千尋「だね。もうお昼だし、私たちも食べよっか」


ふたりがサンドイッチとおにぎりを取り出す


花乃音「じゃあさっそく、、」


千尋「花乃音」


花乃音「、、ん?」


千尋の方を見る花乃音


花乃音「、、、なに?」


千尋は花乃音におにぎりを向けていた


千尋「、、あーん」


花乃音「やだよ!!!」


千尋「えー。おねがい!」


花乃音「いやです!!」


千尋「いいじゃん!1回だけ!ね??」


花乃音「、、、はぁ」


花乃音「い、1回だけなら、、」


千尋「やりぃ!じゃあはい!」


花乃音「、、、あ、あーん、、」


花乃音が口を開ける


千尋が花乃音の口におにぎりを入れる


花乃音「はむ、、モグモグ、、」


花乃音「んー、、おいひい!」


千尋「お、それはよかった」


千尋「じゃあもう1回!」


花乃音「しないよ!!!!」


千尋「ちぇ、、」


それから数分後


花乃音「こういうのも悪くないね」


千尋「ね〜」


千尋「、、こら花乃音、、」


花乃音「?」


千尋が花乃音の頬についている米粒を取る


花乃音「んあ!」


千尋「ほんと子供よねー花乃音は」


花乃音「う、うるさい!!」


花乃音が頬をふくらませて千尋を睨む


千尋「はいこどもー」


千尋が花乃音の頬を優しくつねる


花乃音「んにゅ、、こりゃ!!」


千尋「ほんとつねりやすいわね〜あんたのほっぺ」


花乃音「はにゃしぇぇ!!!」


それからまた少したって


花乃音「、、、、」


花乃音「ぐぅ、、ぐぅ、、」


花乃音は千尋の膝の上で眠っていた


千尋「気持ちよさそうに寝るなぁ、、」


千尋が優しく花乃音の頭を撫でる


花乃音「、、、、」


その時花乃音の花に桜の花びらが落ちる


花乃音「んむ、、、」


千尋「あ、起きちゃったか」


花乃音が花びらを取って起き上がる


花乃音「あれ、、いつの間にか寝ちゃってたのか、、」


千尋「ぐっすりだったぞ〜」


千尋はなぜかニヤニヤしていた


花乃音「、、、なによ、、」


千尋「へへ」


千尋がスマホの画面を花乃音に見せる


花乃音「、、、んぁ!!!」


そこには花乃音の寝顔が映っていた


千尋「いい1枚頂き!」


花乃音「消せ消せぇぇぇぇ!!!」


花乃音がスマホを奪おうとするが、当然取れるはずもなく


千尋「もう遅いわよ!あどくんに送っちゃいました!!」


花乃音「は、、は?!?!」


花乃音「よ、よりにもよってあどくんに、、!」


花乃音「むぅぅ!このこのぉ!!」


ポコポコ花乃音が千尋を襲う


千尋「あははっ、くすぐったいぞー」


花乃音「むぅー!」


花乃音はそっぽを向いた


花乃音「もう知らなーい!」


千尋「あれま」


千尋「じゃあ花乃音。今日私がご飯作ってあげるよ」


花乃音「、、、ごはん、、」


千尋「なんでもリクエストに応じるぞー」


千尋「カレー?うどん?それともなに?」


花乃音「、、、オムライス、、」


千尋「お、いいねぇ」


花乃音が千尋の方に向き直る


花乃音「ま、まぁ、今日は許してあげる!」


花乃音(、、、千尋のオムライス♪)


千尋(、、、ちょろい、、)


そして2人のお花見は終わった


それからまたある日


会社にて


花乃音「うへぇ、、雨降ってるよ」


あど「今日降るって言ってましたよ?」


花乃音「そ、そうだっけ、、」


あど「、、もしかして傘忘れました?」


花乃音「う、、うん、、」


あど「まったく、天気予報ぐらい見てくださいよ花乃音さん、、」


花乃音「き、今日は時間なかったから仕方ない!」


あど「はいはい」


あどが少し考えてから花乃音に話しかける


あど「じゃあ、僕の傘に入って帰りますか?」


花乃音「え、、それって、、」


花乃音「あ、、あいあい、、」


あど「ん?」


花乃音「な、なんでもない!」


花乃音「で、でも、、いいの?」


あど「当たり前じゃないっすか。花乃音さんこんな雨の中帰ったらびしょびしょですよ?」


あど「また風邪ひいたらどうするんですか」


花乃音「た、たしかに、、」


あど「なら、早いとこ帰りましょ」


2人が会社を出る


花乃音はあどと同じ傘に入っていた


花乃音「、、、、」


あど「、、、」


あど「どうしたんです?急に黙って」


花乃音「べ、別になんでもない、、」


花乃音(あ、相合傘なんて初めてだし、しかもあどくんと、、)


花乃音がふとあどを見上げる


花乃音「あ、あどくん肩濡れてるよ!」


あど「え?あ、あぁ、、」


傘は花乃音の方が多く占めていた


あど「大丈夫ですよ」


花乃音「で、でも、、」


あど「いやいや、僕も入ったら花乃音さん濡れちゃいますよ」


花乃音「、、?」


あど「だって花乃音さん小さいし」


花乃音「、、、」


あど「花乃音さんの方をガードしないと濡れちゃいますからね」


花乃音「ふ、、ふんっ!」


花乃音「そうですか!!」


あど「そうですよー」


花乃音(せっかく少しだけかっこいいと思ったのに!!)


あど(、、花乃音さんが風邪でも引いたら、看病しなくちゃいけなくなるからなぁ)


それから2人は電車に乗り自分たちの住む街に帰った


花乃音「そういや道違うね、、」


あど「送りますよ」


花乃音「わ、悪いよ!こっから私の家まで少し近いし走っていける!」


あど「いやいや、花乃音さん足遅いですしびしょ濡れになりますよ」


花乃音「んぁ?!」


あど「冗談です」


あど「まぁ送りますから」


花乃音「、、、ふんっ」


結局あどは花乃音のマンション前まで送り届けた


あど「それじゃ、今日もお疲れ様です」


花乃音「う、うん、、」


あどが後ろを向いて立ち去ろうとする


花乃音「あ、、」


花乃音「ありがとね!」


あど「、、、」


あど「今度は傘忘れないよにしてくださいね」


あどが前を向きながらそう言った


そしてあどは帰って行った


花乃音(、、、相合傘ってのも、、悪くないかな、、?)


花乃音(、、でもまた相合傘になったら馬鹿にされる、、)


花乃音(ふんっ!絶対傘忘れてやらないぞ!)


そう思いながら花乃音も帰って行った


次回に続く

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