先輩日和 18話




街にある雪がすべて溶け、木に桃色の花が咲き始めていた


花乃音はとある休みの日、桜の木の下のベンチに座っていた


花乃音「、、、ふぅ〜」


花乃音(桜も悪くないよね〜、、落ち着くよ)


花乃音「、、、、んむ」


花乃音の頭がコクコクと動く


花乃音「、、、すぴ〜、、」


花乃音は座ったまま眠ってしまった


それから数分後、そのベンチにあどが来た


あど「、、、、」


無言でスマホを花乃音に向け、シャッターを押す


花乃音「んがっ、、、んん?」


あど「あ、おはようございます」


花乃音「ふわぁ、、、あどくん、、?」


あど「花乃音さんこんな所で寝ちゃダメですよ?」


花乃音「えへへ、、ちょっと心地よくてさ」


あど「分からなくもないですね、、まぁ、そんな油断してたら、後輩に寝顔撮られちゃいますよ」


花乃音「ん?どういうこと、、、、はっ!!!」


花乃音(そういえば目を覚ました時カメラの音が聞こえた気が、、、!)


花乃音「こぉぉぉらぁぁぁぁ!!!!!」


花乃音があどに襲いかかる


あど「ぬわぁぁぁ!!!」


花乃音がスマホを奪い取った


花乃音「へへん!油断したなぁー!」


あど「ちょ、ちょっと!僕悪いことしてませんって!」


花乃音「嘘つき!どーせ私の寝顔撮ったんでしょ!消してやる!!」


花乃音が写真を見ると


花乃音「、、、あ、あれ、、おかしいな、、」


最近撮った写真に映っていた写真は桜の木だった


あど「、、、、」


花乃音「、、、ふ、、ふん!!」


花乃音「と、撮ってないならいーもん!」


あどが無言で花乃音を見つめる


花乃音「うぐ、、、ほ、ほら!すまほ!!」


花乃音があどにスマホを渡す


あど「、、、」


花乃音「うぬ、、わ、悪かったよ、、」


あど「花乃音さん」


花乃音「な、なに?」


花乃音があどを見ると


あど「ほれ!!!」


あどがカメラのシャッターをきった


花乃音「んあ?!」


あど「へへへ、油断しましたねー!」


花乃音「こ、、こんのぉ、、!!」


花乃音がまたスマホを取ろうとするが


花乃音「このっ!」


あど「おっとあぶなーい」


あどが花乃音の届かない高さに、スマホを持っている手を上げる


花乃音「むぅぅぅぅ!!!!」


花乃音「このこの!!」


花乃音がいつも通りポコポコする


あど「相変わらずの威力ですね、、花乃音さんポコポコ、、」


花乃音「り、略すな!!」


花乃音「あとポコポコじゃなぁぁぁい!!!」


あど「まあまあ落ち着いて、、」


そう言って花乃音の頬をつねるあど


花乃音「むにゅ、、んむむ、、!」


あど「、、、」


花乃音「はぁぁぁにゃぁぁぁぁしぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


春になっても変わらない2人であった


それから数日後


昼休みの会社の屋上にて


千尋「んーっ!やっぱりお昼は屋上よね〜」


たつや「ほんとここ好きだよな、お前は」


千尋「あたりまえでしょ!見渡しもいいし広々としてる!」


千尋「ランチにはもってこいよ!」


たつや「、、よくわからんが、まぁそうなんだろうな」


屋上に設置されてあるベンチに座って弁当を食べる2人


千尋「見て見て!今日オムライス作ってみたの!」


たつや「ほー。弁当にオムライスね、、」


千尋「んふー♪すごいでしょ!」


たつや「ほんと器用だよなお前」


たつやも弁当箱を開ける


千尋「、、、、、」


たつや「な、なんだよ!!」


千尋「のり弁、、、」


たつや「い、いいだろ別に、、美味いし」


千尋「はぁ、、おもしろくない、、」


たつや「弁当に面白いもつまらないもあるか」


千尋「ある!あります!」


千尋「お弁当食べる時は楽しまないと!せっかく二人で食べてるんだしさ!」


たつや「楽しむ?」


千尋「うん!楽しまないと」


たつや「俺は別に楽しいぞ」


千尋「え、、どういう、、」


たつや「だから」


たつや「お前と二人で弁当食ってるだけでも、楽しいって」


千尋「、、、、、」


千尋の頬が赤くなる


千尋「ばっ、、バカじゃないの!わ、わたしと食べて楽しいとか、、」


たつや「何言ってんだよ。お前と話してるだけでも楽しいぞ俺は」


千尋「ば、バカバカ!!そ、そんなの言ったら、、」


千尋「むぅ、、、」


千尋は言葉を詰まらせた


たつや「顔赤いぞ?」


千尋「う、うっさい!!」


千尋「た、食べるわよ!もう!」


たつや「もう食ってるよ、、」


食べ始めるふたり


千尋「、、、、」


千尋がたつやの弁当を見つめる


たつや「、、ん?」


千尋「、、、、」


たつや「、、、ほらよ」


たつやが千尋の弁当にウィンナーをひとつ入れた


千尋「へ?」


たつや「お前食いたいんだろ?やるよ」


千尋「、、、あ、ありがと、、」


千尋「はむ、、、ムグムグ、、」


千尋「う、、うま、、」


たつや「俺の味付けは昔からこれだからな」


千尋がまたたつやの弁当を見る


千尋「、、、、もう一個!!」


たつや「やだよ!!」


結局たつやの弁当に入っているウィンナーは千尋の胃に収まった


それからまた数日後


千尋がは散歩で河川敷を歩いていた


千尋(やっぱり春は気持ちがいいな〜、、)


千尋「ん?」


千尋は川の前で座っている女性を見つける


千尋が近づいて声をかけた


千尋「こんにちは〜」


女性は驚いた様子で千尋を見つめた


女性「わぁっ?!こ、ここっ、こんにちは、、」


千尋「どうしたんですか?こんな所で座って」


女性「えっと、、気晴らし、、ですかね」


千尋「気晴らし、、何かあったんですか?」


女性は千尋に何があったかを伝えた


この女性の名は三玖、薄い金髪で肩まで伸びている。胸が大きく身長は千尋より少し低い


三玖「それで、、上手くいったかなって、、」


千尋「なるほどねぇ、、」


千尋「んー、、、まぁ」


千尋「大丈夫よ!!」


三玖「そ、そうなんですかね、、」


三玖「だって私面接で、、」


千尋「大丈夫大丈夫!そんなことよりさ!なにか楽しいことしない?」


三玖「ふぇ、、楽しいこと?」


千尋「うんうん!ちょうど今お昼だしさ!なにか食べようよ!」


三玖「確かにお腹減ってきました、、」


千尋「じゃあさ!私が連れてってあげるよ」


三玖「、、、はい!」


それから2人はご飯を食べ、色々なところを回った


三玖「千尋さん千尋さん!猫ちゃんです!猫ちゃんですよぉ!」


千尋「お!ほんとだ」


三玖「可愛いなぁ、、」


三玖「にゃー!」


三玖は猫に向かって鳴いていた


千尋「あははっ!猫驚いてるよ」


三玖「えへへ、、猫好きなもので、、」


時刻はもう夕方


三玖「んーっ!今日は久々に遊びましたぁー」


千尋「そうでしょ?三玖ちゃん元気になって良かったよ」


三玖「えへへ、、千尋さんのおかげです!」


千尋「思った通り、笑顔が似合うよ三玖ちゃんは」


三玖「き、急に、、そんな、、えへへ、、」


千尋「辛い時こそ笑う!そうすれば道は開く!」


千尋「とりあえず元気出そ!きっと受かってるから!」


三玖「、、はい!私、、自信湧いてきました!!」


千尋「よーし!それなら大丈夫だね!」


千尋「じゃあ!夕日に向かって走るぞー!」


三玖「おーっ!!」


2人は河川敷を走った


その後三玖は無事に会社に受かったらしい


その会社は、、


次回に続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る