先輩日和 17話



とある日のパン屋


千尋はそのパン屋でメロンパンを買おうとしていた


千尋「ふふふーん、、メロンパンメロンパン♪」


千尋(お!あった!)


千尋が袋に入ったメロンパンに手をつけた途端


千尋「ん?」


メロンパンにはもうひとつの手が乗っかっていた


千尋はその手の主を見ると


千尋「た、、」


千尋「たつや!」


たつや「なんだお前かよ、、」


千尋「、、、」


たつや「、、、」


千尋「、、、な、なによ」


たつや「お前こそ、、」


2人はメロンパンから手を離していない


千尋「、、、私が先に手をつけたんだけど?」


たつや「いいや。俺が先だね」


千尋「このメロンパン大好きなんだけど」


たつや「俺だってこのメロンパン好きだ」


千尋「、、、私のメロンパン!」


たつや「いいや俺のメロンパンだね!」


千尋「ぬぬぬぬ、、!!」


たつや「むむむむむ、、!!」


その光景を女性の店員は見ていた


店員(あわわ、、なんかやばそう、、)


店員(んー、、私用に取っておいた焼きたてのメロンパン、、それ渡せば解決するかな)


店員(でも、、)


千尋「たつやぁ、、!!」


たつや「千尋ぉ、、!!」


千尋「たーつーやー!!」


たつや「ちーひーろー!!」


店員(だ、ダメだ。渡さないと)


店員の人は急いで焼きたてのメロンパンを2人の元に持って行った


店員「あっ、あのこれ!」


千尋・たつや「んん?!」


2人が睨み合った目のまま店員を見つめた


店員「ひぃっ、、」


2人の目が元に戻る


千尋「あ、店員さん」


たつや「どうしました?」


店員「あえっと、、こ、これ!どうぞ!」


店員が2人の前にメロンパンを差し出す


店員「揉めていたようなので、こ、これで!2人仲良く!」


千尋「、、、」


たつや「、、、」


千尋・たつや(焼きたて、、、)


千尋「ほんとですか?!いやーごめんなさい!ありがとうございます!」


たつや「助かります!」


ふたりが同時にそのメロンパンを持つ


店員「、、、、ん?」


千尋「、、あれ?たつや、そのメロンパンあるじゃない」


たつや「はははっ、何言ってんだよ千尋。あれお前のだろ?」


千尋「、、、、、」


たつや「、、、、、」


店員「あ、あわわぁ、、、」


千尋「たつやぁぁぁ!!!」


たつや「千尋ぉぉぉ!!!」


店員「もう知らないです〜〜っ!!」


店員はその場から逃げてしまった


それからまたある日


花乃音「、、、よ、よし、、」


花乃音はある喫茶店に入っていった


花乃音「お、おじゃましまーす、、」


花乃音は下を見ると


猫「にゃ!」


猫がいた


花乃音「はわっ、、」


花乃音が周りを見渡す


そこら中に猫が放し飼いされていた


ここは猫カフェであった


花乃音「うはぁ、、!」


花乃音の元に渋めのマスターがやってくる


マスター「おひとり様で?」


花乃音「は、はい!」


マスター「こちらの席へ、、」


花乃音はテーブル席に座った


マスター「ご注文は?」


花乃音「えっと、、こ、ココアお願いします!」


マスター「かしこまりました、、」


マスターはそう言うとカウンターに戻って行った


花乃音「、、、」


花乃音の元に1匹の猫がよってきた


猫「んにゃぁ!!」


花乃音「おおっ、、!」


花乃音「よ、よしよし、、」


猫「にゃ〜、、」


花乃音(か、可愛すぎる、、!!お持ち帰りしたい!!!)


するともう1匹猫が花乃音の元に来る


猫「みぃー」


花乃音「うはぁ!また猫ちゃん!」


すると、猫の後ろから人が来ていた


??「待ってーねこちゃーん!」


花乃音「ん?」


花乃音がその人を見る


その人は緑髪で花乃音と同じぐらいの身長の女性だった


その人が花乃音に気づく


??「あ、こ、こんにちは!」


花乃音「ど、どうも、、」


??「さっきちらっと見たんですけど、相当な猫好きですよね!」


花乃音「ふぇ?!ば、、バレちゃいました?」


??「バレますよ!だってすごい幸せそうな顔してましたから!」


花乃音「そ、そんな顔してたかな、、えへへ」


??「席失礼していいですか?」


花乃音「どうぞ!」


緑髪の人が席に座って、2人は向かい合った


花乃音「そうだ、お名前って、、?」


??「私は」


芽桜「芽桜です!」


花乃音「芽桜さんですね。わたし、花乃音です!」


芽桜「花乃音さんですね!覚えておきます!」


マスターが花乃音にココアを渡した


マスター「お待たせ致しました、、って芽桜さん、、」


花乃音「知り合いなんですか?おふたり」


マスター「まぁ、、常連さんってところですね、ははっ」


芽桜「マスター!私にもココアお願いします!」


マスター「かしこまりました、、」


マスターはまたカウンターに戻って行った


猫「みゃあ!」


花乃音「おー、どうしたどうした?」


猫は花乃音の膝に寝転んだ


花乃音「んふふ、、」


芽桜「いいなぁ花乃音さん、、猫ちゃんに好かれて」


花乃音「そ、そうですかね?」


芽桜「私全然寄ってきてくれないんですよー、、何か変なのかな」


花乃音「ま、まぁ!いつか来てくれますよ!」


花乃音(、、、とは言ったものの、、芽桜さんから漂うこの謎の、、オーラ?、、みたいなのが感じるな、、)


花乃音「し、失礼ですけど、、お仕事ってどんなのされてるのですか?」


芽桜「お仕事ですか?」


芽桜「私はころs、、」


花乃音「、、、?」


芽桜「あーっ!えっと、、こ、コロッケ屋!コロッケ屋さんやってます!はい!」


花乃音「え、、い、今なんかころしって、、聞こえたような」


芽桜「な、何言ってるんですか!コロッケです!」


花乃音「そ、そうですか、、」


花乃音(そ、そんなまさかね、、殺し屋とか、、ないない!!)


それから数分後


芽桜「それで私の猫ちゃんが!」


花乃音「そんなことできるんですか?!」


猫「んみぃ、、」


2人は意気投合して、話し合っていた


マスター(芽桜さん、猫が絡むと誰とでも話せて楽しそうですね、ほんと)


花乃音「それで私の後輩がほんとに、、」


芽桜「あははっ!花乃音さんっていじられやすそうですもんね」


花乃音「な、なんですかそれー!」


30分後


芽桜「いやほんと、花乃音さんと会えて良かったです!」


花乃音「そんなそんな!また話せたらいいですね!」


芽桜「はい!またここ来てくださいね!」


花乃音「もちろん!」


芽桜「それじゃあ、また!」


芽桜はそう言って店を出ていった


花乃音(いやー久々に赤の他人とこんなに話したな)


花乃音(猫は新たな出会いを生むのかな?なんちゃって)


猫「にゃ?」


花乃音「んふー♪可愛い!」


それからある日


アテナはとある道場にいた


アテナ「はっ!とっ!せいっ!!!」


道着を着て、軽やかな腕さばき、足さばきをして実力を磨いていた


アテナ「おおおおりやぁっ!!」


そのアテナを数人は見ていた


アテナ「、、、ふぅ」


拍手が上がった


アテナ「、、へ?」


師範がアテナに声をかけた


師範は白い髭を生やして、白髪のおじいさんだった


師範「ほれほれアテナ。まだ足さばきが甘いぞ」


アテナ「む、難しいデス、、」


師範の名は紅白。見た目はただの老いた老人だった


紅白「ほれ、こうやるんじゃ」


紅白「はいぃぃぃっ!!」


紅白は蹴りをアテナに見せる


アテナ「い、、1回だけ?」


紅白「何をゆうとる、3回じゃ、3回前へ蹴ったじゃろう」


アテナ「み、見えませんでした!」


紅白「ほほほ、お主でもこの蹴りが見えんか。まだ力は老いとらんな」


アテナ「師範!手合わせお願いしたいデス!」


紅白「ほぇ?わし死んじゃうよ」


アテナ「そ、そんな弱くないデスよ!」


紅白「ほほほ、じょーだんじょーだん」


紅白はアテナから少し離れ仁王立ちになる


紅白は眼をギラッと輝かせてアテナを見つめる


紅白「さぁ、、来なさい」


アテナ「っ、、」


アテナ(こ、この圧、、やっぱ慣れないデス、、)


アテナ「はぁぁ!」


アテナが紅白に向かって走り拳を紅白に向けて突いた


紅白「ほっ」


力が抜けたような身のこなしで軽々と避けられた


アテナ「そこデス!」


避けた先にアテナのもう一方の手があった


紅白「ふむ」


紅白はその横凪の手刀を手で払った


そして紅白はアテナの足を引っ掛けて


アテナ「うわぁっ!」


アテナを床に転ばせた


アテナ「あいたたた、、」


紅白「そこまで」


紅白「アテナよ、前も言うた通りお前さんは少々足元が弱い」


アテナ「ご、ごめんなさいデス、、」


紅白「まぁまぁ、失敗から学ぶことの方が多いぞよ。精進精進」


アテナ「わ、分かりました!」


アテナは稽古が終わり道場を出た


アテナ「ふぅ、、疲れたデス、、」


アテナが道場の門をくぐった時、偶然蒼司にでくわした


アテナ「蒼司さん!」


蒼司「アテナさん、、あれ、なんで道場から?」


アテナ「実はここに通ってるんデスよ!」


蒼司「ど、道場に通ってるんですか?!」


アテナ「体訛っちゃいますからね!」


アテナ「そうそう!この世道場に居る師範さんなんデスけど!」


アテナは蒼司に道場のことを語りながら帰って行った


次回に続く

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